会社を作るにあたって読んでみた本のご紹介

某氏が会社作るかも、と言っていたので、私が読んだ本を列挙してみます。玉石混交に注意。

■起業・経営についての本

四ツ柳茂樹『あたりまえだけどなかなかできない起業のルール』

あたりまえだけどなかなかできない 起業のルール (アスカビジネス)

あたりまえだけどなかなかできない 起業のルール (アスカビジネス)

この先生は東京商工会議所セミナーでもお世話になったので。
起業の概論。あんまりシビアなことは書いてないけど、でもいろんなことを幅広く書いていて、いきなりヘビーな現実に立ち向かう前に、かといって地に足の着かない絵空事に惑わされるのもちょっと、というくらいの人が読むにはちょうどいいかも。まずはこの本であたりをつけたあとは、掘り下げて考えるには他の本も参考にするのがよさげです。

ウィルソン・ハーレル『起業家の本質』

起業家の本質

起業家の本質

起業家の心得本。
この本はまさしくベンチャーというか、VCから億単位のお金を調達して、それを元にIPOとか高値で売却し、さらにそこで得た資金でさらなる事業を立ち上げる、みたいな、天然ベンチャー起業家気質の人向けの本。だもんで、ちょっと会社作ろうか、みたいなノリの人には一切役に立たないはず。でもまあそういう雰囲気を味わうには面白い本です。

ガイ・カワサキ『起業成功マニュアル』

完全網羅 起業成功マニュアル

完全網羅 起業成功マニュアル

これも心得本、かな。まあ、ガイ・カワサキなので。
この本もVCから数億ゲットして、みたいなベンチャーでもなければ、あんまり実践的ではなさそうな。でもまあ読み物としては面白いです。癒し系。

小倉昌男経営学

小倉昌男 経営学

小倉昌男 経営学

まあ、超有名な本ですよね。面白いけど、すぐ役立つ感じではないので(読み物なので)結局最後まで読んでなかったような。

基本的には「学」というよりは、自叙伝的な本。ただ、会社の経営についてはかなり論理的に説明されていたのがちょっと眼を引いた。経営はロジックだと気付かされる本。ちょっと文章がくどいというか、何度も繰り返しが多いかもですが。

稲盛和夫実学 経営と会計』

稲盛和夫の実学―経営と会計

稲盛和夫の実学―経営と会計

これも超有名な本ですねえ。
薄いし、ちょっと古いような気もするけど、内容は分かりやすくしかも役に立ちそうな本。読んでると、あー、なんか日本の経営者が真似したくなる気持ちもわかるねえ、という気がしてきます。いろんなところで出てくる経営論の元の一つ、なのかも。一度は読んでおくべき。

渡辺仁『起業のワナ』

起業のワナ

起業のワナ

言うほどワナというか、おっかない話はそれほど書かれてなくて、よくある失敗パターン集、みたいな感じの本。とはいえ起業のトラブルは開発とかのトラブルに比べるといろいろベタというか、ヒドい話も少なさそう。
いずれにしても、失敗については詳しく知っておいて損はなさそう、という意味では読んでおいてよさげな本。

ビジネス書

『会社の数字に強くなる本』

会社の数字に強くなる本―「できる社員」は数字に強い

会社の数字に強くなる本―「できる社員」は数字に強い

まあ一般的な話が載ってる本。別にこの本じゃないにしても、この手の本は読んでおくといいのかも。

神田昌典『もっとあなたの会社が90日で儲かる!』

言わずと知れた超有名マーケッターな方の本。『あなたの会社が90日で儲かる!』の続き(前著は立ち読みでつまみぐいしたような)。これを読んで、情報商材の仕組みがこの人の発想をベースにしていることに気づきました。良くできてますよねえ、あれ。そういう意味での能力の高さ、実用性はあなどれません。知識としては知っておくとよさげ。実際に使うかどうかはまた別の話、ですが。

『小さな会社 儲けのルール』

いわゆる弱者戦略の本。
なんかランチェスター経営ってすごくトンデモというか、一歩間違えると疑似科学に足を踏み入れてしまいそうな危うさがあるのでちょっと敬して遠ざかっておこうかな、と思ってます。個々の論自体は悪くなさそうなんだけど。
なんつうか、営業主導の世界はすごいですねえ。

小山昇『社長!儲けたいなら数字はココを見なくっちゃ!』

社長!儲けたいなら数字はココを見なくっちゃ!

社長!儲けたいなら数字はココを見なくっちゃ!

これも営業主導のベタな本。いやはや。
わりと具体的な(なまっぽい)話が多いので、肌感覚は参考になる感じ。

岡本吏郎『会社にお金が残らない本当の理由』

会社にお金が残らない本当の理由

会社にお金が残らない本当の理由

これも小さい企業向けの本。第4章は具体的な数値が出てくるので面白いけど、それ以外はふつう?な印象。3章まではさらっと流し読むのが吉。
同じ著者の『裏帳簿のススメ』も読んだけど、確かあとがきが面白かったような(ちょっと埋もれて発掘できない…)。

日垣隆、岡本吏郎『世界一利益に直結する「ウラ」経営学

世界一利益に直結する「ウラ」経営学

世界一利益に直結する「ウラ」経営学

その著者が日垣隆氏と対談した本。まあふつうに面白いビジネス対談な感じ。あんまり役に立つ感じではないけど、自営業者と小規模経営者の、ビジネス、というよりも商売感覚がわかるのはいいかも。

法人税が分かれば、会社のお金のすべてが分かる』

法人税が分かれば、会社のお金のすべてが分かる (光文社新書)

法人税が分かれば、会社のお金のすべてが分かる (光文社新書)

法人税からみた経営の本。けっこう面白い。いろんな会社の不思議なルールの基本は案外法人税に由来するのかも、と思わされる。新書ですぐ読めるので一読すると吉。

とはいえ、この本のタイトルが正しいとしても、この本を読んだところで法人税が分かるわけではないのであしからず。

ピーター・モントヤ『パーソナルブランディング

パーソナルブランディング 最強のビジネスツール「自分ブランド」を作り出す

パーソナルブランディング 最強のビジネスツール「自分ブランド」を作り出す

今をときめく(のか?)本田直之氏の訳書。個人をブランディングするための様々な手法について紹介。まあ役に立つところはないわけでもないかも。具体的なハウツウが載ってるのがうまいですねえ。

会社経営についての実用書(特に会計)

『会社づくりの現実とお役立ちポイント』

「見る」と「やる」とじゃ大違い! 会社づくりの現実とお役立ちポイント

「見る」と「やる」とじゃ大違い! 会社づくりの現実とお役立ちポイント

あんまりビジネスビジネスしてなくて、会社づくりで実際に出会う障害(というほど大げさじゃなくて、ちょっとしたトラブルみたいなの)とその解決方法についての本。
なんか妙に実践的と言うか、地に足がついているのでかなり参考になる。1人または数名で会社を作りたい、という人ならとりあえず無条件でおすすめできそう。よかったです。

本田浩子『自宅は会社に買ってもらえ!』

自宅は会社に買ってもらえ!―社長が会社を使って資産を残す方法

自宅は会社に買ってもらえ!―社長が会社を使って資産を残す方法

上記の本よりはもうちょっと一般的な目線で、主に節約について書かれた本。そのせいか、ちょっと他人事っぽい雰囲気はあるかも。

『よくわかる株式会社のつくり方と運営』

株式会社のつくり方と運営〈’09~’10年版〉―よくわかる

株式会社のつくり方と運営〈’09~’10年版〉―よくわかる

ふつうによくできたマニュアル本、みたいな感じ。
まあでもこの手の本も一冊は読んでおいた方がいいでしょう。私の場合は実作業は行政書士さんにかなりお願いしたので直接必要だった知識はあまりないのですが、やっぱり知ってて任せると知らないで任せるのでは安心感が違うので。
ちなみにもう新しい版が出ています。さすがだ。

『社長! こんな税理士が会社をダメにする』

税理士についての本。
無理に買う本ではないけど、税理士さんと顧問契約を結ぶなら読んでおいて損はなさそう。安いお金じゃないですからねえ。

青木広子『小さな会社の法人税経理処理がわかる本』

小さな会社の法人税と経理処理がわかる本

小さな会社の法人税と経理処理がわかる本

経理の勉強用。だいぶ分かりやすく書かれている気がする。とはいえ、読んだから分かるというものでもないんですけど。このくらいは知っておかないと、というところでしょうか。

中村忠『簿記の考え方・学び方』

簿記の考え方・学び方

簿記の考え方・学び方

簿記が気になって買ってみた本。なんか深い。「簿記は仕訳である」というのは他の税理士さんも言ってましたねえ。
文章は意外に読みやすい(研究書とかではなく、ちゃんと読み物になっているので)。簿記に興味ない人はもちろん、仕訳できればいいや、くらいの人なら不要かもしれませんが、簿記とその発想というか、簿記の背景にある考え方とか、そういった意味で簿記そのものに興味があるなら読んでみるといい感じ。

高田直芳『会計&ファイナンスのための数学入門』

会計&ファイナンスのための数学入門

会計&ファイナンスのための数学入門

数学入門の本、というには何となくクセがあるような気がするけど、確かに理論というか計算とかについて書かれている本。どうも著者の独自の分析手法っぽいものが含まれているようなのだけど、それが一般的な手法との違いがよく分からない(参考文献とかもない)ので一抹の物足りなさが残る。

笠原清明『起業したらまっさきに読む経理の本』

起業したらまっさきに読む経理の本 改訂新版

起業したらまっさきに読む経理の本 改訂新版

法人の設立と、作った後の経理の基本について実践的に書かれた本。わりとおすすめっぽい気がする。Excelテンプレートがダウンロード出来るのも、実際にこういうの使ってるんだ、とわかるのがうれしい(まあ似たのは検索すればいくらでも出てくるけど、いちいち探す手間を考えると便利)。

『はじめて使う弥生会計10』

はじめて使う 弥生会計10

はじめて使う 弥生会計10

入門書。結局弥生会計を使うことにしたので。いわゆるマニュアル本としては可もなく不可もなく(それでも一応他の弥生の本と読み比べて、これが一番ヨサゲだったのですが)。


まあ他にもあるけど、とりあえずはこんなところですかねえ。もっとも、言わずもがなですが、本を読むより実際にやってみた方がもろもろ手っ取り早くわかる感じです。はい。お金かかるけど。