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2011-08-17

[]ホントは夏コミ前に。

夏コミ前に書こうと思っていて、時間がなかったのでこのタイミングで。

[][]Dk部へようこそ4

 僕はありえない光景を見ているような気がする。いや、何度もありえないような光景はみてきた。全裸だったり、シスター服を着た某先輩をみてきたんだから。

 ちょっとやそっとじゃ驚かない。

 でも今回は驚くしかなかった。

 いつものDk部の部室なのは変わりない。

 パイプ椅子に長机、本の山。

 うん、何も変わらない。

 だけど、明らかに1点違う。

 深呼吸して、ドアのすき間から部室の中を再度確認した。

 シャランラン♪ こんな効果音をまとった女生徒がいた。

 パイプ椅子に腰掛けた彼女は読書――ノベライズシュタインズゲート――、白く細い足をぷらぷらと揺らして誰かを待っているようだった。

 ……待つっていっても、でるた先輩かこんこん先輩ぐらいしか。

「少年、何をしている? 入るなら入れ」

 振り返るとこんこん先輩がいた。

「中に知らない女の子がいるんです」

「ふむ?」

 こんこん先輩はドアを僅かに開けて中の様子をうかがうと、納得したらしく部室内へと進んでいく。僕も先輩について部室に入る。

「やあ、姫。めずらしいな、君がここにくるなんて」

「ん? たまにはでるたくんとこんこんくんの様子でも見ておこうかと思って」

 にこやかな笑顔で、姫と呼ばれた女の子が本を傍らにおいて答えた。

「それなら言ってくれればよかったものを。そうしたらでるたんも喜んで真っ先にここにきただろう」

「ふふん、こういうのはサプライズでやるからいいんじゃないか」

 満足した彼女はパイプ椅子から立ち上がると、僕の方へと近づいてきた。

「ふーん、君が噂の新入部員かー」

 頭1個分低いところから彼女の瞳が僕をまっすぐに見つめてくる。

 思わずドキリとしてしまう。

「いやその……えっと」

「姫、あまり少年をからかうな」

「そう? だって、彼はぼくの事を知らないからつい」

「おお、そうか」

 話についていけない僕に疑問符がいくつも浮かんだ。

「少年がショックを受ける前にいっておこう。姫ことコモリちゃんは男だ」

 なにいってんの、この先輩。

「ワタシを哀れむような目で見るな! 事実だ、姫は男だ」

「こんなに可愛いのに?」

「だが男だ」

 それが言いたかっただけでしょ、こんこん先輩! っていつの間に白衣を学生服の上から着たの!?

「突っ込みたいことがありますが、こんな小柄で華奢な――」

「だが男だ」

「女生徒の制服を着てるのに?」

「だが男だ。何度言えば理解するのかね? 考えてもみろ、こんな可愛い子が女の子なわけがないだろ」

「制服は男が男子生徒の制服着なきゃいけないっていう校則は書いてないからねー」

 そりゃあ、書いてないでしょうよ。普通男が女の制服を着てくることまで考えてないですよ……コモリさん……。

 なぜわからん? と不思議そうに僕をみるこんこん先輩。

 いやいやいやいや。

 そんなわけあるか。

 こんなに可愛いのに男?

「理解ができないのか、こうなったらDメールで」

「いや、Dメールなんてないので、過去改変できませんよ」

「なにをいっている? D(でるた)メールのことだ。でるたんを召喚する」

「そんなにすぐにくるわけが……」

「コモリちゃんがいると聞いて!(ガラッ」

 この人、早いなー。

 こんこんさんがメールを出して10秒も経ってないよ。

「でるたくん、こんにちわ」

「コモリちゃんはかわいいな」

「出てきてそうそうワタシはスルーか。助手よ」

「助手じゃない」

デルタズールよ!」

「ズールいうな、このこんこんめ!」

「何をいうワタシは狂気のマッド読み手<リーダー>こんこんだ!」

 確かに年間1000冊読むのは狂気の沙汰だとは思いますがね。

「あはは、2人とも相変わらず面白いなー」

「ふふ、褒めて何も出ないよ、姫。ところででるたんよ、少年に姫が男だと説明しても納得してもらえないんだが」

「お前は何を言っているんだ」

 そうですよね、こんなに可愛い子が男なわけが――

「コモリちゃんの性別はコモリだ。男だ、女だとか小さなことはどうでもいい」

 なんでこの人、こんなに自信満々なの?

「いやいや」

 僕は思わずツッコミを入れてしまった。

「そんなバカテス秀吉じゃあるまいし」

「わかってない、何もわかってない」

 性別を理解していないのはでるた先輩だと、僕は思うんです……。

「ところで姫はどうしてDk部の部室に?」

「でるたくんとこんこんくんがどうしてるかなー?って。誰もこなくてヒマだったから、シュタゲのノベライズ読んでたんだけどね」

「なるほど、シュタゲか」

 こんこん先輩が頷くけど、あなた、今白衣着てるよね? シュタゲの影響だよね?

「最近はタイムリープとかタイムトラベルなどを扱って話題になる作品が多いような」

「そうですね、シュタゲもそうですけど、まどか☆マギカなんかもそうですよね」

 でるた先輩の発言に僕は同意を示す。

 シュタゲでもまどか☆マギカでもそうだけど、あるキャラクターが最悪の結末を回避するために何度も何度も同じ時間を繰り返し、その結果やっと望む結末、またはそれとは異なる結末へと辿り着く。

 ただ、どれにも言えるのは、タイムリープやタイムトラベルを繰り返しているキャラクターは孤独になっていくことだ。

 何を言っても聞いてもらえない、仲間もいない。

 少しずつでも理解してもらえるようになった時には、既に遅いなんてこともある。

「似たような作品としては、紫色のクオリアもあるな」

「あー、そうですね。あれも大切な人が死なないようにいくつもの世界を渡っていきますからね」

「繰り返す。という意味だと、涼宮ハルヒエンドレスエイトもそうだよね」

 コモリさんがいうように、エンドレスエイトも同種と言える。

 そもそも涼宮ハルヒシリーズは、実はSF色を持っている作品でもある。エンドレスエイトもそうだけど、涼宮ハルヒの分裂涼宮ハルヒの驚愕で描かれている2つの世界もそうだし、涼宮ハルヒの消失では涼宮ハルヒがいない世界を描いていた。

 アニメ化した影響でキャラ萌えなどに目がいってしまうが、キョンがたびたび三年前へと飛ぶタイムトラベル、並行世界、ifの世界など、SFな要素が実は多くある。

「やはり、タイムリープといえば、時をかける少女だな」

 こんこん先輩が提示したのは往年の名作とも言える『時をかける少女』だ。

 何度も映像化されており、幅広い年齢層にもそのタイトルを知られている。

 近年では細田守監督により劇場アニメ化され話題になった。

「いっけぇえ!!!とマコトが飛ぶシーンはやはり印象的だ」

「こんこんさんも、いっそ未来に行ってしまえばいいのに。主に来世的な意味で」

「でるたん、さらりとひどいこと言ってないか?!」

「そんなことはない」

「やっぱり、タイムトラベルやタイムリープは今も昔も様々な形で名作があるね」

 さてと、とコモリさんが立ち上がった。

  その拍子にスカートがふわりと広がる。

「なかなか面白かったよ、でるたくん、こんこんくん。それに新入部員くん。今日はもう帰るね」

 ……この人、ホントに男なのだろうか?

 ソプラノボイスを聴きながら再びその疑問が過ぎった。

 ドアノブに手をかけて、部室から出て行こうとするコモリさんの小さな背中に問いかけた。

「あなたは本当に男ですか?」

 振り返ったコモリさんは、唇に人差し指を添えて、

「うーん……君が思う性別が、ボクの性別だよ」

 とても素敵な笑顔を残して、コモリさんは帰っていった。

 でるた先輩がいうように、コモリさんは性別コモリという存在なのかもしれない。

 

2011-06-12

こっそりアップ。

もう書かない! と思ってたのに。

[][]Dk部へようこそ0

 この学校の一年には一部で有名な生徒がいる。その一人が、HRが終了したばかりの教室の隅で読書をしているでるただ。

 彼の机の上には何冊もの本が積まれている。

 他の生徒が帰り支度を始めるなか、でるたは本を読み続ける。

 ガラッ!

 突然、教室のドアが勢いよく開かれた。

「このクラスに、でるたという者がいると聞いてきた!」

 自信を帯びた声が教室内に響いた。生徒達は手を止めて、ドアへと視線を向けた。だが、でるたは本から視線を外さない。

 ――あ、あれでしょ、こんこん

 ――サウザンドマスター

 教室がざわめいた。

「ふむ。見つけた、一目でわかったぞ。ワタシが探していたのは君だよ」

 生徒たちからこんこんと呼ばれている彼は、でるたと並ぶ有名人だ。

 この二人に共通するのはただ一つ。

 読書。

 それも異常とも思える読書量だ。

 こんこんはでるたの席を確認すると、まっすぐに向かった。

「はじめましてだな、でるた」

「……」

 でるたはなおも読書を続行する。こんこんはでるたが読んでいる本の背表紙を確認した。

ミミズクと夜の王か。なかなかいいものを読むね」

 そのとき初めて、でるたは視線を上げた。

 こんこんの顔を見ると、また本へ視線を戻した。

「ボクは読書に忙しい」

 用件が無いなら帰れ。

 邪魔をするな。

「つまり、帰れと。だが、断る」

「……」

「まあいい。ワタシはワタシで勝手に話を進めさせてもらおう。簡単に言って、ワタシは君が欲しい」

「お前は何を言っているんだ」

 でるたは即座にこんこんの言葉を迎撃した。

「言葉が足りないか?」

「内容が足りない」

「ふむ……。この世界にはこれまで多くの本が出版されてきた。ワタシこうやって話している今も多くの作家が新たな本を生みだしている。ワタシが死んだあとももっと多くの本が出版されるだろう」

 言葉に熱を帯びさせこんこんは言葉を重ねる。

「正直言おう。今こうしてる時間すら勿体ない。一字でも多く、一行でも多く、一ページでも多く本が読みたい」

「だったら一人で読んだ方がいいんじゃないか」

「もっともだ」

 でるたの言葉に、こんこんは苦笑した。

「でも、君は本の感想を誰かと共有したくないか? 自分と違う感想を知りたくないか? 本は読み終えただけでは終わらない。読み終えて、他人の感想を知るのも楽しみの一つじゃないかね?」

「……」

「もう準備は整っている。幽霊部員、新部活の申請書、顧問、その他諸々も準備が終わっている。あとは君が頷けばいい」

 だから、もう一度言った。

「君が欲しい」

 でるたは本を閉じて、深呼吸をした。

 目を閉じて、もう一度呼吸した。

 目を開いて、こんこんの瞳を真っ直ぐに見た。

「ボクを飽きさせるなよ」

「とまあ、これがDk部の創立の秘話なわけだよ」

 一通り話し終えたこんこん先輩は満足げだった。一方のでるた先輩は相変わらずの読書ではなく……iPadで今日読んだラノベの感想を書いている。

 ちなみにでるた先輩は読み終えた全ての本の感想をブログにアップしているらしく、ネットの中じゃ、ちょっとしたものらしい。

「つまり、こんこん先輩の熱烈アプローチに、でるた先輩が靡いたわけですね」

「君はバカか?」

 でるた先輩の指摘の声がした。

「え、違うんですか? こんこん先輩の話を聞くとそうだとしか……」

「こんこんさんの話はだいたいあってる。けど、君の解釈は間違っている。ボクが靡いたんじゃない。あまりにもしつこいから仕方なくだ」

「ふふん、でるたんは相変わらずツンだな。そうだな、仕方なくだ。それでいいさ」

「このこんこんめ!」

「っ!! 蹴るな、蹴るな」

 机の下ではなにやら激しい攻防が繰り広げられているらしい。

 この二人は本当に仲が良い。

「それでこんこん先輩はでるた先輩を飽きさせてないんですか?」

「……少年、君はどう思う? それが答えだよ。――だから、蹴るな!」

「こんこんさん、そういえばあれの続きが家にあるんだけど」

「でるたん、さりげなく誘うのやめてください」

 うん、でるた先輩は楽しそうだ。

2011-06-01

[]ついカッとなってやった。

まさかの第三話ですよ。なんでだよ……。ここの人がいけない。

確かにのったワタシも悪かった……。というわけで誰が得するのかわからない。Dk部の話です。

そのうちこのDk部ができるときのエピソードでも作りたいところ。

あとは10月ぐらいに一本オリジナルでたぶんweb小説出します。

[][]Dk部へようこそ3

 今日も僕はDk部の部室で、本の山に囲まれながら読書をしている。この部室にある本はでるた先輩とこんこん先輩が持ち込んだものだ。文字通り持ち込んだものもあれば、ネット通販で届け先をこの部室にして買い込んだものもある。先輩たちは卒業するときに、ここにある本をどうするのだろう?

 僕がDk部で学んだことはいくつかある。ラノベは読書数よりも自分が好きな作品に出会えることが大切だってこともその一つだ。でも、もう一つを敢えて挙げるなら、ツッコんだら負けだと言うこと。

 こんこん先輩が明らかにいじってくれ! と言わんばかりの服装でいても触れないことが大事だ。だから、僕は黙々と変態王子と笑わない猫を読み進める。

 でるた先輩も同じだ。こんこん先輩には触れない。たとえ、こんこん先輩がどこぞのシスターのような格好をしてても触れない。

 気にしたら負けなんだ!

「ねー、でるたー、お腹空いたんだよ」

 ……こんこん先輩、なんでわざわざインデックスの真似をしたんですか? 無駄に完成度高い衣装ですよね、それ。この前は葵・トーリを真似て全裸ネタだったし。基本的にこんこん先輩は読んでる本の影響を受けてる。実際今はとある魔術の禁書目録を読んでるし。

 いじって欲しくて仕方ないんですね。

「ねー、でるたー、無視は良くないんだよ。でるたー」

「あー! ボクはお前の幻想を、いやむしろこんこんさんをぶち殺してやりたいよ!」

 でるた先輩が本を置いて叫んだ。

 耐えきれなかったんですね、わかります

 でるた先輩が広義を捲し立てる。

「大体、なんでインデックスなんだよ! 当麻、美琴、ミサカ、ラストオーダーとかあるだろ!」

「え、そこなんですか、でるた先輩!」

 思わずツッコミを入れてしまった。

 そもそも変な服装してるこんこん先輩がどうかしてると僕は思うんですが……。

「こんこんは、こんこんは! というのはやめておいたんだよ。それにでるたんはワタシの女装をみたいのかい?」

「思わない! そういう認識があるならインデックスの服装やめろよ!」

 でるた先輩のいうことはもっともだと思います。

 僕は溜息しか出ない。そういえばとある魔術の禁書目録ってこの前までアニメ二期をやってた気がする。とある魔術の禁書目録のスピンオフ御坂美琴に焦点を当てた、とある科学の超電磁砲月刊誌で連載している。

禁書目録って、アニメの二期もやってましたよね?」

「あれは三期に期待だ。ここ数年ラノベ原作のアニメが増加傾向にあるような気がするな」

 ぜぇぜぇと肩で息をしているでるた先輩は、こんこん先輩の言葉に頷いた。

「確かに……とある魔術の禁書目録、緋弾のアリアバカとテストと召喚獣といった最近のアニメもあれば、ベン・トー境界線上のホライゾンなどのアニメ化が控えてる作品もある」

 神様のメモ帳ロウきゅーぶ!もそうだ。これまで意識してなかったけど、ラノベを読み始めてから気がついたけど、これまでもいくつものラノベ作品がアニメ化してきた。

「アニメ化は良い面もあるな。なあ、でるたん」

「積本を崩す」

「……買ったら読めよ」

「知らないのか? 積本があるというのは精神を安定させるんだぞ?」

「ないから。――積本を崩すというのもあるけど、アニメ化の効果で原作ラノベに手を伸ばす人が増える」

 こんこん先輩は良いこと言ってるような気がするけど、インデックスの格好で言われても……説得力がない。

 そういえば、と思い出して僕は、

「マンガ化もありますよね」

「えっと、ここのところだとIS<インフィニット・ストラトス>はそうだし、紫色のクオリアもやってるか。やっぱりアニメ化直前の作品だったり、ラノベ作品として人気が出てきた作品はコミカライズされるよ」

 でるた先輩は自分が挙げた作品以外もあるかと、指折り数えている。

「コミカライズだけではなくて、ドラマCD化やゲーム化もあるな」

 考えてみれば、一ラノベ作品もメディアミックスされて、さまざまな媒体で表現されるようになってきてるな。

 やっぱり好きな作品がアニメ化などするのはファンとして嬉しい。

「ラノベからコミカライズやアニメ化などがあるように、その逆もあるわけだ。ワタシやでるたんのように主食ラノベみたいな人種がマンガやアニメに触れる機会が生まれる」

「ボクのどこが主食ラノベだよ! ちゃんとごはん食べるよ?!」

 すみません、でるた先輩、先輩は読書だけしてれば腹が満たせる時載りのリンネみたいな人だと思ってました。

 心の中で謝罪して、こんこん先輩の話の続きに耳を傾けた。

「まあ、でるたんがごはん食べてるかどうかはどうでもいいとして」

「ひどくない? なあ、それはひどいよな?」

ガガガ文庫ハヤテのごとく!絶対可憐チルドレン神のみぞ知るセカイブラックラグーンなど小学館の人気作品のノベライズしている」

「他には電撃ゲーム文庫の探偵オペラミルキィホームズなんてのもありますね」

「おはよーおはよー」

「ここにいるよ!」

 こんこん先輩とでるた先輩が、ミルキィホームズに反応した。恐るべし、ミルキリアン。 メディアミックスを展開してる作品というのは思ってる以上にある。表現媒体が変わってファン層が広がるのは重要だと思う。

「最近だと、ラノベ作品のキャラクター、宣伝をTwitterでやってるケースもありますね」

「それだけではなく、作者がTwitterをやってることもある。作者に直接感想を伝えることができて、その反応がもらえることがあるからファンとしては嬉しいものだな」

「Twitterの情報伝搬力を考えると、作品やレーベルの情報を流すの有効だよ」

 でるた先輩は言いながら、iPhoneをいじりはじめた。でるた先輩もこんこん先輩も、Twitterのアカウントを持っているみたいだから、情報伝搬力の実感があるのかな。

 でるた先輩は、iPhoneから視線を外さずに、

「Twitterは情報発信だけではなく、Twitterでの小説が、ライトノベルになった少女と移動図書館のように場合もある」

「じゃあ、でるたんも、ワタシとの日々をTwitter小説として出して、是非ともライトノベル化してくれ。そうだなー、タイトルはDkアンソロでいいから」

「しないよ!!」

「残念だ。Twitter発だけじゃなく、web小説だったまおゆうやログ・ホライズンソードアート・オンラインがある。情報発信の敷居も下がってきてるから、物好きがワタシたちの小説を書くかもしれないぞ?」

「誰がいるんだよ……ボクは一つでも多くの作品に出会えたらそれで満足だよ。お腹いっぱい」

「やっぱりでるたんは主食ラノベなんじゃないの?」

「違うから!」

「どうだか。試しに一ヶ月ぐらいラノベを読んで生活したらどうだい?」

「いやだよ、ボクはこんこんさんみたいにサウザンドマスターになりたいわけじゃない」

「サウザンドマスターへの道は険しいんだよ」

 こんこん先輩は、一年間で一千冊のラノベを読む。一体一日の時間のどれだけを読書に当てればそれができるのかと考えたくない。

「少年、君も本を読むだけじゃなくて、書き手に回ってみるのもいいかもしれないね。もしかしたら、それが何らかの形で世に出ることになるかもしれない」

「ぜひとも、エロい話がいいな!」

「「えろたさん……」」

 思わずこんこん先輩と声が重なった。

 読む側から書く側か……それも面白いと思うけど、僕はまだ読み手として面白い作品を一つでも読んでいきたいな。

2011-05-27 Dk部へようこそ2

先日あげたネタ小説の続きを読みたいとか奇特な人がいたので書いてみた。なんかいろいろひどいけど仕様です。

[][]Dk部へようこそ2

 放課後、僕は先日入部したDk部の活動をしている。活動内容は、ただ一つ。読書をすることだ。基本的に読書対象の本に制限はないけど、主にラノベを読んでいる。

 入部して間もないけど、放課後のこの時間が楽しみだ。

 さあ、今日も本を読もう。

 楽しみを胸に、今日もDk部のドアを開けた。

「こんにち……」

 ドアを開けて、飛び込んできた光景に、僕は続く言葉を飲み込んだ。

 何事もなかったかのように、一旦ドアを閉める。

 いや、まさか。

 ありえない。

 そんなことがあるわけがない。

 自分を説得するように言い聞かせて、頭を振る。

 うん。もう一度。ドアを開けた。

 さっきと何も状況は変わってなかった。変わらないことがこんなに残念だなんて。

 夢ならよかったのにな……。それでも悪夢かも知れない。

 部室の中央にあるテーブルの対面にはいつも通りでるた先輩とこんこん先輩が椅子に座って読書をしてる。

 ここまでならおかしいことはない。

 けど、おかしいんだ。なんでこんこん先輩は全裸なんだ!!

 こんこん先輩は全裸で、なんか分厚い本を読んでる。でるた先輩(こっちはちゃんと制服着てる)も別に気にしている感じはない。……もしかして、でるた先輩はこんこん先輩の裸を見慣れてる?

 こう同じベッドの中で、

 ――飲み込んでボクのiPhone

 ――おいででるた、ワタシのドックに。

 変な妄想が!! 落ち着け。落ち着け。まずは状況確認だ。状況が飲み込めない僕に気がついたでるた先輩が、

「そんなところに突っ立ってないで、なんか読んだら?」

「いや、あの……」

 僕がおかしいのか? 疑いながらでるた先輩に近づいて、疑問を打ち明けてみた。

「でるた先輩、なんでこんこん先輩、全裸なんですか?」

「何を言ってるんだ。こんこんさんが全裸のわけがない。なにか、君はそこに座ってるこんこんさんの全身をくまなくみて、全裸と確認したの?」

「いや、そういうわけじゃ……」

 なんで僕が責められてるような雰囲気なの?

「少年、一体いつワタシが全裸だと判断したのかな?」

「あ、聞いてたんですね、こんこん先輩」

「全裸、全裸うるさいから嫌でも聞こえてきた。さあ、確認するがいい、ワタシが全裸かどうかを!」

 こんこん先輩はそう宣言すると、勢いよく立ち上がった。

「うわぁー!!」

 思わず声をあげてしまったけど、確認すべき所をしっかりと確認した自分が嫌だった。

 立ち上がったこんこん先輩の下腹部は、あれ……モザイクが掛かってる? ゴシゴシと目を擦って再度確認するけど、やっぱりモザイクが掛かってる。

「そんなに注視するな、恥ずかしいだろ。ほら、ワタシは全裸じゃない」

「どこからツッコんだらいいんですか? とりあえず、なんでモザイクが掛かってるんですか? いや、それよりもなんで全裸なんですか?」

「ふむ。疑問はふたつか」

 妙に落ち着いたこんこん先輩は椅子に座った。僕も座るように促される。

「まず一つ目の質問への答えだ。このモザイクはゴッドモザイク。天照系列の光学系術式だ!」

「すみません。意味がわかりません」

 なんだよ光学系術式って。異能なの? 異能? この世界は学園異能にシフトしたの?

「こんこんさんの言うことを気にしたらダメだ」

 でるた先輩の言葉に同意して、続く言葉を待った。

「二つ目の質問はなぜ全裸だったのか? だな。ワタシが今読んでるのは境界線上のホライゾン2巻下だ。葵・トーリが全裸だから、ワタシも全裸で対抗だ!」

「もっと意味がわかりません」

 というか、今、全裸って認めなかった?

 でるた先輩に同意を求めようとするけど、でるた先輩は小さく首を振ってるだけだった。

 もう僕も諦めて、読書しよう。全裸とか気にしたらダメなんだ。

 今日は、最近、アニメが放送されていたIS<インフィニット・ストラトス>を読もう。読書中のBGMは運動部のかけ声や、でるた先輩とこんこん先輩が本のページをめくる音だ。

 僕がIS<インフィニット・ストラトス>を半分ぐらい読んだところで、こんこん先輩もでるた先輩も一冊読み終わって、次の本に取りかかろうとしていた。

「先輩達って、これまで何冊ぐらい本を読んだですか?」

 僕の言葉にこんこん先輩が、本から視線を上げて、こっちをみた。

「少年。なら、生まれてから今まで読んだ本を覚えているのかい?」

「……えっと」

 正確に覚えてるわけがない。本というカテゴリに含まれるものにどれだけ接してきたかわからない。

「いいえ」

「つまり、そういうことだ。なあ、でるたん?」

 同意を求めるこんこん先輩の言葉を無視して、でるた先輩は読書を続ける。こんこん先輩はでるた先輩の背後に近づいて、

「今まで読んだ本の数を覚えているか、でるたん」

「顔を近づけるな。息を吹きかけるな。気持ち悪いんだよ。モザイクあってもぶっちゃけ全裸なんだからやめろ!」

 ものすごい早く口でどこかで聞いたことがあるセリフを口にして、椅子から立ち上がりこんこん先輩から距離を取った。

 この二人、なんだかんだで仲がいいような。

 でるた先輩の反応に満足したのか、こんこん先輩が自分の席に戻る。

「無視するのがわるい」

「集中してて聞こえなかったんだよ!」

 警戒しながらでるた先輩も自分の席に戻った

「そんなことはどうでもいい。で、何冊今まで読んだ?」

 でるた先輩は顎に手を当てて考え始めた。

「質より量なのよ!」

 でるた先輩はありもしない小さな胸を張って偉そうに言った。

「……へぇー」

「反応うすっ!」

「いや、でるたんが、桜野くりむみたいなセリフをいっても……と思って」

「ところで君はどうして急に読書数なんか気になったのかな?」

「先輩達って僕が一冊読む頃には二冊は読み終わってるじゃないですか。毎日そんなペースだからどのぐらいなのかなと思って」

「なるほど」

 こんこん先輩が頷いた。

「つまり、読書数に劣等感を抱いたわけか。そんなことを気にすることはない」

「年間千冊読むこんこんさんが言っても、説得力ないよね」

「だまれ、鬼畜でるた」

 やっぱりこの二人仲悪いんじゃないかな?

 じゃあ、と、こんこん先輩が本の山の中から取り出したのはさっきまでこんこん先輩が読んでいた境界線上のホライゾン2巻下だ。決してライトとは言えそうもないけど、ライトノベルだ。

「これは川上稔の境界線上のホライゾン2巻下だ。電撃文庫最厚記録1154ページ。ちなみに川上稔によって書かれた終わりのクロニクル最終巻7巻も電撃文庫最厚記録を持っていた。少年なら、読みたいと思うかい?」

「正直遠慮したいです」

 どうみても、あの厚さを読破できる自信がない。しかもシリーズ物ということは、他の巻も厚いんだろうし……。

「ボクは後回しにしたいな。終わクロやホライゾンを一冊読む間に三冊読める!」

「でも、これを嬉々として読む人もいる。その人達にとってはこんなに厚くてもとても魅力的なんだよ。他の本が三冊読める時間が必要だろうけど、ファンはこの本を読む。だから読書量を気にする必要はない。でも、問題は少年が夢中になれる作品に出会えるかどうかだと思う」

「ボクはエロい話がいいな。NTRとか!」

「でるたのえっちぃ」

「こんこん先輩がシャルのセリフいうのは勘弁してください。なんかシャルが穢れる」

 思わず僕は思わず抗議した。

「失礼な。むしろサウザンドマスターが使ったのだから、喜ぶべきだ」

 この人のこの自信はなんだろう……。

 まあそれはともかく二人の先輩がたくさん読むのは、二人が夢中になれる作品に出会えてるからなんだ。

「オススメの作品ってなんですか?」

「うーん、ボクは狼と香辛料かな」

「わっちか! わっちか!」

「だまれ、こんこん」

「じゃあ、こんこん先輩は?」

「オススメ聞いてる暇があるなら自分で好きなものを探せ。だからもっとラノベを読め」

 すごくいいことを言ってるような気がする。

 だが、全裸だ。

 読書量よりも、自分が好きな作品に出会うために読む。出会えたらその作品を追いかけて、完結したら、また新しい作品と出会うために読む。

 だから、僕も一冊でも多く本を読もう。

2011-05-26 Dk部へようこそ。

[][]Dk部へようこそ。

 Dk部と呼ばれる部活がこの学校にはある。誰もまともに活動内容を知らないらしい。だから僕は興味が湧いた。

 僕が聞いたところだと、部員は上級生二人だけらしい。活動場所は文化部の部室棟の一室。

 そう、今、僕の目の前には、そのDk部の扉がある。

 放課後のこの時間、文化部の部室棟は本校舎から離れているため、静かではある。けど、グラウンドからはサッカー部や野球部の声が聞こえる。本校舎からはブラスバンド部が練習している音が聞こえるため、完全な静寂とは言えない。

「それにしてもだ。扉の向こうから全く音がしないんだけど……」

 誰もいない? 今日は休部なのか? そんな不安が過ぎる。

 いや、そんなことはない。クラスメイトの話だと、平日のこの時間Dk部は必ず活動しているのは確定だ。

 コンコン。

 ノックをして待つこと十秒……反応なし。

 コンコン。

 もう一度。

 しかし、結果は同じだ。

 僕は仕方ないので、ドアノブに手を伸ばした。

 ドアノブを回して、ゆっくりとドアを押すと、

「開いてる?」

 ドアには鍵が掛かっていなかったため、ドアは抵抗なく開いた。

 飛び込んできた光景に僕は息を飲んだ。

 視界を埋め尽くすのは、無数の本。本の塔、いや山がいくつもあった。その本の山に囲まれた中央に、二人がいた。

 会議に使われるような机を二つ向かい合わせにくっつけて、二人の男子生徒が対面で座って いた。

 その二人は黙々と読書に励んでいるようだった。

 二人の両脇には何十冊もの本が置かれている。

 一人が、僕に気がついて、

「おい、こんこん。人がきた」

「……」

「無視か!」

「我は読書に忙しい」

「ボクだって忙しいよ!」

 あのー、僕はどうしたらいいの?

 正直よくわからない。

 困り果ててると、二人は本に視線を戻して、

「「客がこい」」

 どうやら僕の相手をするのほどヒマじゃないらしい。

 何を言っても無駄そうなので、二人が読書してる机へと近づく。

「あのー、Dk部の見学に来たんですけど……」

「「……」」

 やっぱり二人は本から目を離さない。

 しばしの沈黙。

 ……どうしたらいいの? ホント泣きそうなんだけど。

 天井を見つめて、涙を溜めてる僕に見かねたのか、

「我が相手をしてやろう」

 さっき『こんこん』と呼ばれた先輩が本を閉じて、僕を見た。

「じゃあ、がんばれ、こんこん」

「お前もだ、でるたん!」

「ボクは電撃の新刊で忙しい。大体、さっきから我、我ってなんだよ!」

「ふふん、今読んでるのはコレだ」

Fate/Zero 5 闇の胎動……ギル様か!って……まだそれ読んでるの? ぷぷぷ」

「うるさい、黙れ」

「……」

「でるたん、いいからなんかそこの生徒にDk部の説明しなよ」

「お前が黙れといったんじゃないか。こんこんさんがやれば?」

 まったく……といいながらも、こんこん先輩は咳払いをして、

「はじめまして、少年。彼が、日本一ラノベ感想を書くでるただ」

「なんで、ボクの紹介をしたの?!」

「いや、でるたんを貶めようと思って」

「お前は何を言ってるんだ――彼は、サウザンドマスターこんこん。年間千冊のラノベを読む」

「そう、我はサウザンドマスターだ!」

 頭痛い……。

「あの……先輩達の紹介も大事だと思うんですけど、この部活って何をするんですか?」

「読書」

「ああ、読書だ」

 でるた先輩が、机の上から一冊の本を取り出した。

「これを知ってる?」

 その本の表紙には女の子のキャラクターが描かれている。見たことある。確か前にアニメになってテレビでも話題になった。

 タイトルは確か……。

涼宮ハルヒの憂鬱

「じゃあ、これは?」

スレイヤーズ

「そう、これらはアニメ化した作品だけど、原作になるのはラノベ――ライトノベルと呼ばれるものだよ」

「Dk部の活動はただ一つ。読書だ。まあ、読んだ作品の感想を全部書くでるたんみたいなことをやってもいいけど」

「よく読んで、よく書くんだよ!」

「ともかく、君も一冊読んでみなよ」

 さわやかな笑顔と共に渡されたのは、とらドラ!というタイトルと制服きた女の子と、小さい虎が表紙に描かれている。

「え?」

「まあ、一時間半で終わるよ」

「そんなもんだろうね」

「ちょっと待ってください」

 なんで二人とも不思議そうな顔をしてるんですか? いきなり本を渡されて、読めって……。

 二人とも、もう読書に戻ってるし。

 仕方ないから、僕も読もう。

 壁に立て掛けられていたパイプ椅子を使うことにした。適当な場所を陣取って、僕も読書を始めた。

「……」

 沈黙が降りる。

 小さく溜息を吐いて、僕は文章を追うことにした。

 基本的に、でるた先輩とこんこん先輩は読書中無口だ。

 たまに口を開いても、

「でるたん、それ面白いの?」

「エロい」

「えろたさん……」

 とか、

「こんこんさん、その脇の本取って」

「……」

「……」

 お互い無言で本を受け渡して、

「「なんか言えよ!」」

 でるた先輩とこんこん先輩はお互いでツッコミ入れてる。

 なんだろう……。

 この二人は読書する以外は何をするわけでもない。時折、交わす言葉も少ない。

 とらドラ!は、目つきが悪くて周りから不良と勘違いされている主人公が、片思いの女の子と同じクラスになった。片思いの女の子には、いつも一緒にいる女の子がいて、その子にも好きな人がいる。それが主人公の友達だ。かくして二人は恋の共同戦線を張ることになる学園ラブコメだ。

 うん。面白い。

 読み終える頃には、窓の外は夜の暗さが来ていた。

「面白かったかい?」

 こんこん先輩が聞いてくる。

「はい」

 だから、僕は正直に答えた。

「その続きを、もっと他の本を読みたい?」

 でるた先輩が問う。

「はい」

 これにも答えた。僕はとらドラ!の続きが気になる。この部室に積まれている他の本も読んでみたい。

 もっといろいろな作品を読んでみたい。

「毎月多くのラノベ作品の新作が、書店に並ぶ。なあ、でるたん」

「大丈夫だ、積んでいる」

「この部室にある本は未読本の山。つまり積本だ読んでみたいだろ?」

「はい」

「ならばよろしい。ようこそ、Dk部へ」

「はい!」

 だから、僕はDk部に入部を決めた。

 あ、そうか。でるた先輩のDと、こんこん先輩のkでDk部なのか。この部活の名前の理由に気がついて僕は二人に気付かれないように笑った。