【すべては誰かの真似から】一流の仕事人たちが大切にしている 11のスタンダード(著者:指南役)

一流の仕事人たちが大切にしている11のスタンダード



【読んでみた感想】
 あのサッカー選手の中田英寿がなぜ凄かったのか。私の好きな人物の一人なんですが、中田はサッカーでいう超基本的な部分、“ボールをきちんと止めて蹴る” この基礎技術が誰よりもしっかり身についていたので、世界的に有名になるほどの選手になれたんですね。中田が有名になるにつれ、サッカーは基本が大事だ!という話があちこちで聞かれるようになりましたよね。

 本のタイトルからも予測できますが、スタンダードいわゆる基礎って大切ですよ、基礎をおろそかにして、小手先のテクニックばかり磨いていても、真のプロフェッショナルにはなれませんよ、という内容でした。
 
 とっても読みやすく、一時間強あれば読めてしまいます。サラッと読めますが、内容は深いです。ただし、深いと感じない人もいると思います。簡易に書かれた文章のため、文脈から真意を読み取られなければ、本書の言いたいことがわからないと思います。ちなみに、私もきっちり読み取れたかどうか不安です。

 情報過多の時代、ちまたでは、小手先のテクニック(例:ライフハックを駆使した仕事術や○○億円をかんたんに稼ぎだす方法など)を紹介する情報が山ほどあります。なぜ、このような類いの書籍が多くなるかというと、売れるからです。人間、楽をしたい生き物なので、楽に目的を達成できる情報に群がるので、そこにターゲットしてるんですね。
 
確かに、基本の話は退屈。だから誰も興味を示さない。だから供給側も需要が無いので、基本の重要性を説かない。ん〜負のスパイラルです。
 
 本書は基本の重要性を一貫して伝えています。クリエイターであれば、創造力だけではなく創り上げる技術の必要性を。ビジネスマンなら、仕事術ではなく、ビジネスマナーを。基本を心得てない人間は脆いというのは、原理原則なのだとわかりました。
 
 本書に出会えた人はラッキーだと思います。今の自分を見直すチャンスに出会えたのですから。恐らく、ほとんどの人が基本をおろそかにしているはずですよね。私も含めて。

 今年から、徹底的に数年間は基礎を磨いていくぞー!
特に今年から社会人になる皆さん、マストですよ。


【ピックアップ】
●これで作法の心得がわかりましたから、作法を破ることができます。

●型破りという言葉がありますが、型を知っていて、破るから効果があるのです。

●生前、手塚さんはフリーハンドでコンパスのように正確な円を描くことができたという ※手塚治虫氏も宮崎駿氏も、優れたクリエーターである以前に、優れた描き手でもあるというくだりより。

●あなたがこの先、クリエイティブな仕事やライフスタイルを身につけたいのなら、それは奇をてらうことではない。まずは丁寧に、完璧に−スタンダードを極めることである。公共の場での立ち振る舞い、仕事への取り組みや進め方に至るまで、スタンダードな目線を失わないことである。その先に、個性−クリエイティブは花開くのだ。

●新人が仕事をもらえるのは「たまたまそこにいたから」。大事なのは、用事がなくてもつねに顔を見せていく。扉を開けっ放しにしておく。

●なぜ、何もしない時間が必要か?“己を省みる”ためである。

●他人と比較して、他人が自分より優れていたとしても、それは恥ではない。しかし、去年の自分より今年の自分が優れていないのは立派な恥だ。

●大人としての、社会人としての基本は−「お金に清潔なこと」である。そして必要あらば、積極的に身銭を切れることである。その投資が世のため、人のためになるとあらば、私財を投じることに躊躇してはいけない。

●お金で解決できるというのは健全で、きわめてラッキーなケース。

●人間、分不相応の好待遇を受けると、その“差”を埋めようと発奮する。

●交渉事に臨むとき、まず交渉相手や交渉内容のことを徹底調査して、他人の意見もよく聞いて考えるという。

●困難に立ち向かうには、汗をかくことが一番の近道である。火中の栗は、自ら進んで拾ったほうが絶対にいい。

●高級エンターテイメントでは「10分 1000円の法則」というのがあります。たとえば、マッサージは60分6000円ですよね、床屋さんも40分で4000円くらい。

●たとえ、尊敬する人物がスランプに陥っても、以前と少しも変わらぬ尊敬の念を抱き続ける。

●欧米は違う。どんなにその人物が落ちぶれようとも、過去の業績は業績として一生リスペクトし続ける。

●相手を立てるとうことは、相手のテリトリーに不用意に近づかないことを意味する。たとえ、その扉が不要心に開かれていても、である。

●先人たちの作品に敬意を払い、それをアレンジして新作を生み出す。

●相手の懐に飛び込むには、徹底して、相手の長所をほめるに限る。

●もし議論に勝ったにせよ、相手の名誉をうばうだけのことである。人間は議論に負けても自分の所論や生き方は変えぬ生き物だし、、負けた後、持つのは、負けた恨みだけである。

●志があれば、多少、自分の方向性と違っても、同じ業界の仕事をしたほうがいい。変なプライドは捨てたほうがいい。やり続けるうち、いつか接点は見つかるし、必ず道は開けるのだから。※山下達郎が積極的にコマーシャルソングの仕事を引き受けていたくだりより。

●一刻を争う状況において、次善の策を考える余裕こそ、ビジネスの最前線では一番に求められる。

●そう、大事なのは目先の利益に捉われることなく、はるか30年先を見据えた“大局”をつかむこと。

●自分の立ち位置を言い訳にしてはいけない。与えられたチャンスの少なさを嘆いてはいけない。どこにいても、どんな媒体にも、クリエイティブの余地がある。