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1999-02-04 0072

takanabe1999-02-04

CD「スロウ+望みの彼方」グレイプバイン

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スロウ

スロウ

グレイプバインを聴いているといつも自分の生き方を責められているような気になる。重いアレンジもそうだけど、多分圧倒的に歌詞の内容のせいだろう。


「探り合うたびに汚れて「誰かのために」と言聞かせてた 迷いは波に委ねて 何を犠牲にしても 心が傷つかぬように」


「真夏に咲いた花は枯れて あの日歩いた道忘れて 話し疲れた夜を越えて 息を染めた 無駄な夢を見てました 意味の脆さも知ってた 壁の前に立ち尽くした 君の姿をみつけた」


「真夏に咲いた花は枯れて」とうそぶき「探り合うたびに汚れていく」この歌の主人公の気持ちは、普通に毎日を生きていれば大抵の人が共感できる普遍性のある事を歌っている。胸に抱えた深い傷や痛みと共生していく感じ。冷たい風が吹いたときによぎるあの何とも言えない感情。彼らの歌を聴くといつもそういう気持ちがわき上がってきて頭の中がひりひりした熱でいっぱいになってしまう。


にしても、その先に見えてくるはずのモチーフが「明日」や「望みの彼方」でありながら「希望」なのか「絶望」なのかいつもわからない。その判断をリスナーに委ねているところが田中なりのオリジナルな表現なのかしらとも思う。ちょっとずるいけど。


表現にはいろんな種類があって「意志表明」の為の効率の良い手段(メディア)だと考える人もいれば、「現実世界では叶えられない夢の実現を図る場所(妄想)」だとか「自分を見つめ直す鏡(告白)」のようなものと言う人もいるだろうし、人によっては「空から自分だけに降ってくる小さな奇跡」のようにも言うだろう。


田中の書く歌詞は、確信犯的な趣はあるものの「意思表明」の為に存在している割合はかなり低い。なぜならそこに「どうしたい」とか「どうあるべき」という意志が感じられないから。かと言ってそれがまんま「嘆美的」で「私小説的な独白」かと言うとそうでもない。あくまで視点は主人公より数10センチ後ろにあり、客観性を持った言わば3人称視点で描かれているのがわかる。テレビゲームにそれはよく似ている。こちら側ではなく、画面の向こうで惨劇が起きる感じ。薄っぺらいガラスのフィルターを一枚かました分、意志や行動は通じても、お互い触れ合えないことが逆に強い共感を呼ぶ。 繊細なガラス細工のような儚い美しさを増長させる。


なんでこんなことを言うかというと、この曲を聴いて強い感動を覚えつつも僕は、中学生の頃、初めて太宰治を読んだときのような、淡い絶望感に酔いしれる自分がかっこわりいなーと思っちゃったからです。作品はすごい。特にこの曲はかなりすごい。でもそれに自分だけを鏡写しにして感動しちゃってる自分はどっか甘えてる、と思った。


えーと、話しが終わらなくなりそうだ。乱暴にまとめてみることにします。「グレイプバイン」は今までうまく言えなかった胸の奥の気持ちを歌という整った形にバシッとまとめて、それを突きつけてくるので、僕はすごく感動した。それと同時にだいぶ悔しかった。でもその感動の中には自分が今までうまくいかなかった過去や、うまくいかずに繰り返している現在への甘えが たぶんに含まれている気がして、それが僕を居心地悪くさせてしまう。できれば「グレイプバイン」のいらない生活をのんきに生きていきたいんだな、とそう気づいたのでした。思春期は終わったなーとか結構頻繁に思うね、最近。じじいですか?


それにしてもものすごい1020円だ。聴いて。

みやがわえりな ギャラリー

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えりなちゃんのアクリル絵の具初体験、ラヴフールが独占! 世界初公開! どうよ! どうなの? 毎日をのらりくらり生きてる自分が恥ずかしくないですか? 僕は恥ずかしかったです。震えてしまって写真がぶれぶれ。いや、僕が撮ったんじゃないんですが。あ、ただ見はかんべんな。コメントよろしく。

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思い出なんかにはしないし、忘れるはずもない。
君はそこにいる。僕はここにいる。

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