ラヴフール (www.lovefool.jp) このページをアンテナに追加 RSSフィード

1999-10-31 0145

パズルのかけら

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見慣れない窓から望む月は青白く丸かった。なだらかに浮かび上がる陰影は砂丘のような柔らかな膨らみと、その温度を失ったような色合いを裏切るように熱く指先に吸い付いてくるようで、秋の夜空は悲しいくらいに透明度を増していき、二人はそんな夜の真ん中をそっと手探りで渡って行くのです。確かめるように確かめるように、言わせたくて聞きたくて、君の内側を割って赤くむき出しにしてみたいのです。死の淵にいるような恍惚も、さらけだした醜い弱さも、この夜が明けてしまうまでの青白い魔法の中で、溶かして溶かして混ぜ合って、ごまかさずに全部飲み込めてしまえたら。


切り裂くような朝の光。失ったまま温度と共に消えてしまうコトバとたくさんのちっぽけな約束。川面のきらめきと呑気な鴨達をスカートに鼻先を埋めた君の横顔越しに眺めた。何かを言わなきゃいけなくて、でも口を開いたらプラスチックの下らないがらくたばかりがこぼれてきそうで、こわごわとめくったカードには、お互い揃って「ありがとう」。


ひとりに戻ってものすごいスピードで駆け上がっていく月を眺めていたら、遠くにそっとそれが弾けた。最初は見間違いだと思った。でもその後に続いた。いくつかの花火。音のない花火。それは足りなかったパズルのかけら。なくしたら掛け替えのないもの。

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1999-10-29 0144

チャウチャウ宅急便

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うっす。風邪引き全開です。あのねー、地球は自転しているって言うのはホントだよ。それもあの公園のまあるいジャングルジムみたいなやつぐらいのスピードで回ってるね。昨日より今日の方がちょっと速かったんだよ? 知ってた?


今日ねー、宅配便の車を見ました。いろいろありますよね、「クロネコ」とか「ペリカン」とかね。でも今日見たのは「チャウチャウ宅急便」。すごいよねー。早いのか遅いのか全く見当がつきません。でも愛想だけはいい感じがすんね、何となくだけどさ。道に迷って遅くなっても玄関先でチャウチャウ顔の人が謝ってきたら、許しちゃいそうな気がするもんね。


多分会社に名前を付けるときに動物が親しみやすくていいねってことになったんだけど、物を運びそうな動物(カンガルーとか、コウノトリとか)はとっくに商標を押さえられてて、巡り巡った挙げ句にチャウチャウなら人柄良さそうだしって決まったのかな。そんな気しない?


ところで台湾大地震について一言。災害によって、各方面、主に日本やアメリカのコンピューター会社の工場が影響を受け、新しいパソコンの出荷が思うようにいかなかったり、ゲームの発売日(アーケードも)が延期されたり、メモリの値段が普段の倍以上に高騰したり、といろいろあるけれども。その事に自身の生活がかかっている会社社長や会社員ならともかく、自分の趣味に影響が出たってことを声高にいうのは、オトナとして何とも情けないと言うか、ひどい話しだと思いませんか。高くて買えないなら、安くなるまで待とうよ。それも静かにね。お菓子買ってもらえないコドモじゃないんだからさ。


10月は空気が澄んでいるのか、空が高いね。秋空を見上げていると気球にまた乗せてもらいたくなってきます。空は静かで広いよ。何にもいらなくなる。音楽とか言葉とかも。そういや切り絵のミヤジマ君は先週の新婚旅行で47メートルものバンジージャンプに挑んだそうな。これは日本にはない特別級。彼曰く「昇って見下ろして、足が台を離れる瞬間までが一番のイベント」らしい。何故なら飛び降りる決意を固める前に、係りのおじさんがカウントダウンを始めちゃうから。だってそうしないときっと飛べなくなってしまう人続出なんだろう。47メートルともなると紐自身の重さだけでも台から落ちそうになっちゃうってさ。こわいよー。

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1999-10-27 0143

根拠のない高揚感

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急に寒くなったりして、朝の布団のぬくもりが恋しい毎日です。風邪などひいてないですか。ビックリマン2000チョコのキラキラステッカーは何枚集まりましたか?(答え:3枚)


暑がり、寒がりで言うとかなりの割合で暑がりな僕は、寒いの大好きです。だってマフラーとか手袋とかブーツとか重ね着とかさ、ステキじゃんか。夏のTシャツも好きだけども、東京の夏はムシムシベタベタして息苦しいしどうもあかんわ。冬生まれで、更にカナヅチってのも夏嫌いに拍車を掛けてるね。海は夏より冬に行く回数の方がダントツ多いです。僕の冬のイメージは昔から寒い砂浜を白い息を吐きながら、がんがん走っていくイメージ。息が切れるまで走って、馬鹿馬鹿しさに大笑いしたあとにポケットに入れておいた温かい缶コーヒーを半分つ。目線の先にはなんか厳しめに叩きつける波とかあるとなお良しですね。僕の「まるで大事なことを考えてそうな横顔」にぐっと密度が上がってきます。まぁー、寒いからどんなにかっこうつけても、すぐトイレに行きたくなっちゃうんだけどさ。


話は変わって、今日「ぴあ」をぱらぱらめくっていたら、90年代の名盤100選みたいのが載ってて、ふーんとか思ったんだけど、スピッツの「名前をつけてやる」、ブランキージェットシティの「幸せの鐘が鳴り響き、僕はただ悲しい振りをする」とかまでちゃんと入っていて、ちょっとうれしかった。この2枚は無人島に持ってく5枚のアルバムに僕なんか入れちゃってたからね。それだけならまだしも岡村靖幸の「家庭教師」も90年発表ってことでぎりぎり滑り込んでいてショックがでかかった(これもすごい名盤)。それはもとより、そこから宇多田ヒカルスーパーカーまで10年経ってないんだって事実にものすごく時間の密度を感じたよ。コンセプチュアル・アルバムっていう、広告で言うとコピーライター全盛の密室の構成主義な感じの時代から、ビジュアルはいたずら書きなんだけど、広告の紙質だけでぞぞぞって感じさせちゃうような、わりと無色というか、無個性を装った強い個性、あるいは根を持たない無自覚な才能が自然にスターダムとして受け入れられる時代になったなぁ、とかね。それに10年掛からなかったことが画期的な時代だったと思った。


2000年ぐらいからは明るい未来への倦怠も冷めて「根拠のない高揚感」がキーワードとして来るって、5年ぐらい前から思ってますが、漠然としてながらもちゃんとピントが合ってる気がします。肩に力を入れずにバーって強い光が射す感じ? 叫び声や筋肉のいらない「北斗の拳」みたいな強さ? それに対して本人が無自覚な感じが下の世代からは強く感じるなぁ。意志表示をしていくことの使命感とか同世代論的な余計な気負いが全然ない。でもものすごい密度のアウトプットが立て続けにできちゃう。それがかっこいい。


想像力を簡単にアウトプットするためのツールが増えていくたびに、センスは努力してなんとかなるような浅いものじゃないってことが、どんどんはっきりしてきて、失望しちゃう人も増えるかもしんないな。でもそんなときにあせって追いつきたくてツールの勉強に時間を費やすのだけはやめたい。ツールは実現したいイメージについてくるものだからね。それに彼らと同じ視線で何かを受け止めていくのは現実問題不可能だし、またその感覚を「理解」しようとした時点で、それは「感じた」ことにはほど遠くなってしまう。もっと最悪なのはわかった振りをして、若い者に全部任せてみましょうなんていうおじさんとかね。立場を利用した責任逃れだろ、それは。


生きた時間が違う人と感覚を曲げたり、すりあわせいてくのは不可能だし、世代間の溝は今も昔もあったんだって考えると、新しい古いはさておき、ちゃんと意見をぶつけ合っていくって言うのが一番建設的な道だと気がする。経験者だからって自分の知っている上手なまとめ方だけで、新しいモノ(物・者)を無駄にスポイルして行っちゃいかんね。埋められない溝があることを前提に、ちゃんとお互いを説明し合うことが共同作業という現場ではいいモノづくりの第一歩だと思います。それってまさに恋愛といっしょだ。僕はそう思う。

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1999-10-25 0142

takanabe1999-10-25

64DD

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ぎゃー! もう今日はアレだ! 一日中ファミ通の日だった。もうなんつうかうれしい。だってやっとだよ。やっと正式にロクヨンDDのサービスについて、目途が立ったんだよ。何年待ったんだ? 3年? 一時期はロクヨンの普及率もいまいちだし、新鮮味という意味での売り時も逃したし、もう発売取りやめでしょ、とまで囁かれたこのハード。あまりに知名度が低すぎて、ツレプテクーのことしかしらない(あるいは興味ない)みんなにはどうでもいいことかもしんないし、実際未来永劫どうでもいいことなのかもかも。


でも僕にとっては一大事。これって任天堂ロクヨンを発表したときに、「DDのないロクヨンはビデオのないテレビのようなもの」とさえ言っていた、まだ見ぬ運命のコイビトのようなそんな存在なんだわさ。ホントは97年に発売されるはずだったんだよ。長かったよー。


簡単に、このハードでできること。それは「ゲームの世界で一生遊び続けられる」というある種の約束。ゲームが本や映画のように1で始まって10でエンディングを向かえて終わった終わったって思いがちな今日の方向性に対して、例えば毎日姿を変えていく盆栽のようなモノにゲームをシフトするってこと。本や映画で言えば、プレイヤーが書き込む空白のページが全体の半分ぐらいを占めていて、その半分に記録を加えれば加えるほど、その物語は世界のどこにもないオリジナルなものになり、自分を照らす写し鏡そのものになり、間違ったって中古になんか売れない愛しい手垢まみれのモノになるっていう新しい玩具。


具体的な話しをする。ロクヨンDDはお店で売ってない。レンタルで月会費を払って借りる(2500円)。通信ソフトや絵画系のソフト3種、シムシティ、巨人のドシン、F-ZERO Xというレースゲームのコースを自由に設計できるソフトなどが全部ついてくる。ここでいう絵画系ソフトはビデオ入力ができ、テレビやビデオやデジカメの映像を持ち込んで、有名タレントの顔を貼り込んだ3次元のキャラクターを作ったり、動かしたりできる。ふつうはそこまで。でもロクヨンDDは、そこで作ったキャラクターを「シムシティ」という街を作るソフトの中で住人として住まわせることができる。例えば広末涼子だらけの街や、学校のトモダチがいきいきと生活している街なんかも作れちゃうわけ。あるいは他のソフトではそのキャラクター達がバーチャファイターみたいに戦うかも知れないし、自分のお気に入りのキャラクターをオンライン上の広場みたいなところに置いておいて、他の人がダウンロードしたりして、また別の場所でコミュニケーションが生まれたりすんのかもしれない。そういう異なるゲームの中を情報が行き来するっていう、今までのゲームというパッケージからすると奇跡のようなことができてしまうんだな。もうハイエンドムービーとか、マルチエンディングとか馬鹿らしくなってきませんか?


巨人のドシンは自分の体がどんどん大きくなっていくという設定の中で、南の島の住人達を手助けするいい巨人になるか、悪い巨人になるかを選んでいくゲーム。島の形や村の作られ方はプレイヤーごとに違うのはもちろん、あんまりゲームに触れないでいると災害が起きたりしちゃうらしい。つうかそれを「ゲーム」とひとくくりにできるかどうかさえわからない新しい玩具。プレイヤーの進み方によって続編も全く異なるゲーム性のモノが2種類用意されているようだ。


F-ZERO Xのコースエディットソフトに関しては、F-ZERO Xを開発したツールほぼそのままを使うことができ、簡単で洗練されたインターフェースの中で立体的なコースを自由に設計し、その中を友達同士で競い合ったりできるのだ。


何かを行き急ぐみたいに高性能で新しいハードが次々発表されていく中で、危うく時代の波の飲まれて消えそうだったこの「未来」のコンセプトが、リクルートの協力でクローズドな会員制とは言え日の目を見れてすごいうれしい。このハードが発表されたことでロクヨン本体の普及が一気に伸びたりすることは多分ないだろうし、ゲームというメディアに暇つぶし以上のモノを感じてない人は全然ふつうの範疇だと思う。でも毎月100本近く発売されているゲームソフトがその勢いの中で、単に「情報の消耗品」として扱われていくことは今の流れからすると不可避だろう。そうした中で情報を「体験」や「記憶」、あるいは「成長」のような代替物がないモノへ「ゲーム」というメディアを昇華させようとしたロクヨンDDの遅すぎた発売に、僕は感動の涙を隠せないのだ。発売日に5台でも10台でも欲しいです。

 
あとおまけ。今週のファミ通を読んでてのけぞった。このページでおなじみ「うでっち」こと「うでつくん」がなんか連載マンガの中にどーんと登場してたから。


本人はこんなラーメン小池さんのような人じゃなく、もっとかっこいい感じです。言わなくてもわかるか。全国区デビューの感想はどんなもんだろう。少なくとも会社では大騒ぎでした。主にオレが。

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1999-10-22 0141

3周年

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ういーす。元気にしてますか。金木犀の匂いが夜にしっとりとなじむ季節です。ビックリマン2000チョコのステッカーは昨日で何枚集まりましたか。(答え:13枚)。


食物連鎖ってあるじゃん。日光が植物を伸ばして、動物がその草を食べて、その動物を肉食動物が食べて、その死骸を微生物が土に戻して植物の栄養になるってやつね。あれさー、人間の上に何がくんのか僕しんないんですけど、僕の上には何が来るかわかったよ。それは「タクシー運転手」。


だってさぁ、僕がいくら身を粉にして深夜残業しても、タクシーで帰ると、その残業代より全然多い額が40分で持っていかれてしまうんだな。タクシー運転手が僕より偉いんじゃないんだとしたら一体なんでなの? タクシー運転手のためにせっせと栄養を取っているとしか思えないぞ。例え彼らの全員が妄信的なゲームマニアだとしても1日に7000円つぎ込むゲーム機ってこの世にない気がすんね。なんか悔しい。かなり悔しい。ジョジョの石仮面で人間を越える存在にでもなろうかしら。ウリリリリィ


そんなつまらない話しはさておき、3周年ですよ。いや、何がってこのページがよ。はやいねー。よく続いたねー。つうかよく続けたねー。続けて何がよかったって、僕は東京生まれの東京育ちで、おばあちゃんちも東京だったりするから、地方に知り合いができたことが何よりうれしかったさ。また一緒に焼き肉食ったり、スーパーカーを見たり、カプチーノを飲んだりしましょう。僕はいつでもここにいます。


あとアレだ。140で紹介したぶうこさんのキャラクター達。これ今度ノベルディグッズになるんだってさ。応援してくれた方には分けてもらったりできるかもかも。今は何をモノにするか検討中。携帯ストラップとか歯ブラシとかそういうのがいいなぁ、僕は。


ところでスーパーカーの新曲ビデオが大量虐殺の映像だってホントですか。誰か見た人いる? 無意味に銃殺されちゃうの? だとしたらちょっと気分悪いねぇ。あと、だんご三兄弟が新曲出したってホント? いやこれはどっちでもいいんだけどね。今年の話題だとは思えないなってくらい昔の話しって気がすんね。今年もあと2ヶ月ちょい。いよいよカムカム2000年。

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1999-10-20 0140

takanabe1999-10-20

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ラヴフールをご覧の方はおなじみでしょうが、僕は事あるごとに「ぶうこ」って言います。それって簡単に言うところの「僕にしか判断できない魅力を持った女性像」の総称、または転じて「何とも言えない微妙な魅力そのもの」を指し、半分は話のネタに、また半分は二十一世紀を生き抜くデザイナーとしての研ぎ澄まされた価値観(本気)として伝播させてこうと思ってんだけれども、「ぶうこ」ってネーミングはそもそもなんなんだよって言えばオリジナルがちゃんといて、それは実在する一個人なんだな。その娘は生活の隙間に見え隠れするようなとても微妙な魅力を大事にしていて、自分のことを自分で「ぶうこ」って呼ぶんです。僕と彼女が毎日を笑って過ごしていたのはもうかれこれ5年以上前の話しだし、彼女も今では名字も変わっていたりするので「ぶうこ」って概念自体は彼女から離れて一人歩きした全く別のものなんだけど、判断基準の中心に彼女らしさ(僕の中での)が存在すんのは当然の話。


で、今日はそのオリジナルぶうこさんの作品を紹介するよ。本邦初公開。


透明GIFが見づらくてごめんよ。これ、こくみん共済のCMやパンフレットに使われるキャラクターなんだけど、どうよ。ステキじゃないですか。なんかね、モノつくりって職業をやっててよかったなぁって思うのは、いくら距離が離れていても作品が届くことで、全然そばにいる感じがするってとこね。手紙や声と同じか、それ以上の気持ちがどどどーって流れてくんの。

こんにちは。元気ですか。
全労済のCMみてくれた? 私はまだ!!
ほんとにやってるのかなあ。わかんない。
主役は赤いお母さんの役の子です。
要素としてドラえもんとさざえさんが入ってます。
(恐いもの知らずなデザインコンセプト)
エプロンとか洋服が一体型になってるのが味噌です。
変身はできません。名前募集中です。みんなで考えてー。
「モカ」「ヨブ」「ミル」2文字制限ていうのはどうかね?
あと、電話くんがかわいいので探してみてね。



だってさ。デザインはやさしさを感じるね。家族という記号や幸せそうな雰囲気など伝えたいところははっきりさせておきながら、計算を感じさせないいい出来だと思うよ。二文字制限の名前は僕もオススメ。結構考えちゃったもんね。暇な人は考えてみたらどうだろう。採用されちゃったりもすんのかね。単色なのに個性を感じる色だと思う。

あとフリーダイヤル0120-593-244で資料請求!
保険にはいらなくてもいいからお願い。次のCM出演がかかっているのだ。



オリジナルのページはここです。応援して!とかっていうんじゃなく、ふつうに拡がっていくといいな。あとおまけで「ぶうこチェッカー」の改訂版を載せようと思ったけど、見あたらないんでまた次回にでも。じゃ。

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1999-10-16 0139

僕だけの光

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時計がクロノグラフになったみたいにたくさんの針ぐるぐると回っている。夜が更けていくという感覚もないくらいのスピード、速い速い。たったの1秒が待てないときだってあるのに、何周も同じところを回る壁掛け時計を前にため息をつくのさえ忘れたさ。近い未来の速すぎる乗り物の窓からは、流れる外の景色の色が全部全部混じり合って、きっとこの冴えないパソコンの色のような(日陰のボール紙のような温度も味もニュートラルな色)になっちゃうんだろうな。すべてのモノが究極を目指して、速く強く安く過激になったり、無駄がなくなったりしていく中で、逃げ場を失った退屈がもうどんどん新しい「ぜいたく」にすり替わっていく。つうかさ、ぜいたくって基本的に生活になくても困らないからぜいたくなんだ。みんなが眉間にしわを寄せて会社や学校に急ぐ朝の道を、のんびりとあくび混じりに逆行したり、普段は思い出しもしない距離感の友人に、思いつきで絵はがきを書いてみたり(万年筆で)、空も白んできた朝焼けの風呂上がりに、近くの自動販売機に甘ったるいコーヒーを買いに行って、その隣にあるおまけみたいなお稲荷さんにポケットの小銭を放り込んで適当な未来を描いてみたり、ね。


青白い顔で朝を迎えたら、三島さんっていうステキなじいちゃんが(つうか課長ですが。)缶コーヒーをそっと机の上に置いてくれたんだ。不意打ちの手紙をもらったみたいな、照れくさいうれしさ。あと真夜中の電話もうれしかったよ。ナースデイ、ただで入れて下さい。


あと何万クリックで未来が見えますか。勉強でも我慢でもないところで、しっかりした何かをつかめたら、それが僕だけの光になる。

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1999-10-11 0138

つづき

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「悲しい夢は夢だよ」と彼女は笑った。
「夢?」
「夢よ。私がお嫁にいくなんてずっとずっと先の事だろうし、例え、お嫁にいったってサヨナラにはならないでしょ?」
「ホントウ?」
「だいじょうぶだよ、私はちゃんとここにいるよ」


僕のことを全部わかってくれてるみたいにそう強く言ってくれたので、僕はうれしかった。頭の中で何度もハンスウし、コドモのようにはしゃぎたくなった。


「またあそぼうね。おさかなをいっしょにみてあったかいお茶を飲もう。『よくがんばったね』ってあたまなでてあげるよ」


みなぎるチカラを授かる。溢れる光で誘う。曖昧な不安を花びらにかえて、彼女は今日も僕を充たす。明日は僕が充たしてあげる。

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1999-10-09 0137

サヨナラの夢

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サヨナラの夢を見た。だけど、最後にもう一度だけ会いたいと彼女は電話でそう言った。これで最後だから、もう迷惑掛けないから、ねぇお願い。僕は黙ったままだった。声の出し方を忘れてしまったみたいに、固くなって動けなかった。


「すごく大事にしてくれる人をみつけたの。ふつうの人だけどね。その人と暮らすつもり」
「そう‥ おめでとう」


やっとの思いでそれだけが声になった。


「ね、会ってくれるでしょう。話がしたい。少しの時間でいいの。‥その、ありがとうを言いたいから。ねぇ、いつだったらいい?」


僕は痛いくらいにその気持ちを感じながら、まるで昔の自分に言い聞かすように言った。


「ありがとうは言わなくてもわかってるよ。忘れたりしないし、これからも大事と思える。でもぼくらはもう会わない方がいいんじゃないかと思う」


それを聞いて彼女は絶句した。数年前の僕と一緒だった。夜の真ん中は、真空の世界のように青白く色を失っていて、耳鳴りのような音でいっぱいだった。沈黙が続いて、孤独の中で抑えようとしていた気持ちが揺らぎ始めると、やがてすすり泣きに変わった。電話の向こうの泣き声はそれが初めてじゃなかった。僕がもう少しやさしかったら、僕がもう少しあたためてあげられたら、僕がもう少しちゃんとしたオトナだったら、きっとこんな悲しい目になんか遭わせないですんだんだろう。だけど僕はもう彼女を慰めなかった。泣いたままの彼女をおいて電話を切った。痛かった。一瞬、彼女の部屋と涙に湿った服の匂いがしたような気がした。錯覚だった。目が覚めたら涙でいっぱいだった。

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1999-10-08 0136

言葉遣い

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「日本人なんだから正しい日本語を」っていうのは、だいたい気持ちが通じてから先のできごとなので特に気にしないんだけど、人が書いたものを読むと時々気になって仕方のないことがある。それは(1)略語と(2)伏せ字、あるいは特定のコミュニティの中でしか通用しない(3)隠語。あと自分の言いたいことは言うだけ言っておいて(4)語尾に「(笑)」とか「(汗)」とかさ。


とても気分が悪い。体の具合が悪くなりそうなくらい。「ぎゃー!」とか声を上げて、そんな場所からは1秒でも早く立ち去りたくなって、実際立ち去ってます。それが一番手っ取り早いから。幸いなことにラヴフールに来て下さるお客さん達にはそういう人が少なめでうれしい。でもなんでウェブ上以外の文字(手紙や記事やふつうの日記)や話し言葉ではほとんど見られないこれらの言葉はこんな不思議に発達してしまったのだろう。


ひとつはありふれているけど、画面上のフォントでは手書き文字や話し言葉ほど温かみや個性がないので、それを補う表現の一つとしての発達したという見方。これは(4)に限って言えること。顔文字なんかも含めて、僕もその気がわからないでもない気がします。


あとはキーボードで打つのに楽なように短い単語に置き換える。これは話し言葉や(1)に言えること。これも普通っちゃ普通の範疇。


もうひとつの理由に最近気がついた。検索エンジン。(2)の伏せ字と(3)隠語っていうのは、それを使うことによって、パブリックでどっからでも自由にびゅんびゅん飛んで来れるってところが画期的で本質的(ハイパーリンク)であるはずのインターネットで、逆に閉じた濃い世界を成立させるのにもってこいなのね。「プレステ2」とか「槙原敬之」とか「ソーテック」とかって検索を掛けると、日記の端に書いた言葉でも理論上は検索にかかって、自由に飛んで行くことができます。ところが「ツレプテクー」とか「槙○敬之」とか「リーテック」って書けば、検索には掛かりにくくなって、その繋がりを一方的に隔てることができ、なおかつ内輪(常連や想像のつく範囲内での新しいお客さんの範囲)で、公の場を借りて言いたい放題言えるっていうのがその理由なんじゃないかって、最近思いました。どっちにせよ、めちゃくちゃやな感じ。


もちろん、全ての発言は平等だと思うし、自由意志は尊重されるべきものだと思います。だけどその平等や尊厳の中には、伏せたり、濁したりしなきゃ言えないような責任逃れは含まれてないんじゃないかなぁ。そういう玉石混淆をも含めた雑多な情報カオス、そしてその国境を越えてるかもしれない匿名性が、むしろインターネットのおもしろみでもあることは否定しません。でもあなたのサイトに繋いでいる間にカウントされる電話代くらいは、せめてもの節度を持って発言したりして欲しいと思うのです。それは欲張りなことですか。堅い話ですみません。

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1999-10-02 0135

ツレプテクー

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はてさて、忙しくなってから早21日が過ぎました。みんなちゃんと元気にしてますか。僕なんか息抜きのすべてを掛けていた「松崎ナオ無料ライヴ」が当日中止になったりして、かなりすねてます。何だよ、イエロー! つぶれるな。代わりに青山のイデーのカフェで高くてうまいパスタ茄子とカジキマグロでオイルベース)とか、魚介マリネの盛り合わせ、ココアパウダーの掛かったババロアみたいの食べました。店員がブランドの店員のようにすましていてなんか腹立ったけど、おいしいモノを食べて、お腹がいっぱいだとそんなのどうでもよくなっちゃうな。


巷で話題のプレイステーション2は、プレステ2と言ってはいけないって知ってましたか?(略すならPS2って呼べってよ)。そう言われてみれば、ソニーの製品は確かに略せない名前が多い。「ウォークマン」とか「バイオ」とか「ハンディカム」とかさ。でもプレイステーションはさすがに略したくなる字数なので、ちょっと妥協してもらって「ツレプテクー」とか「スレツテプー」とかって言えばかなりかわいくないですか。


前回の空飛びからも行けるユウスケくんのページですが、オープン間もない割に充実ぶりがすごい。角が丸いテーブル表示とか悔しいなぁ。コンテンツとしても特にネタコーナーがいい感じ。僕が「ドナルドマクドナルドって普段何をしているの?」って問いを投げかけたら、あんまいいフリじゃなかったのに、かなりいい答えがいくつも返ってきたよ。僕は「東京ディズニーランドにいてエレクトリカル・パレードの乗り物の電球が切れてないか一個一個確かめたり、シンデレラ城にシンデレラはいるのかって想像したりしてます」っていう答えがお気に入り。暇な人は見れ。そして答えたり問いかけたりすれ。(ここ


あと今日も会社の机の上にたくさんのお菓子を送ってきてくれたあなた。どうもありがとう。明日もがんばります。がんばれます。おやすみなさい。

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