lovefool

たかなべが、ゲームやそれ以外の関心事を紹介します。

  ラヴフール(www.lovefool.jp) 

ブレイクスルー

takanabe2001-11-01



会社のそばに今日吉野屋が出来たたかなべです。病気の心配よりも280円の安さの魅力が上回るって、どうなの実際、そういう生活。


昨日は松崎ナオのライブに行ってきまして「月々で虹」シリーズの第4回目「グリーングリーン」です。場所は新宿ロフト。「Red Day」「Water」「The Light」と続いての今回、ナオちゃんの曲にはあんまり緑色っぽい印象がないので、どんなふうなアレンジや選曲になるんだろうと思ったら、一曲目ですぐ分かった。「太陽」。緑と言っても爽やかな方の色じゃなく南国っぽい温かく楽しい感じにまとめてきたのでした。僕の感覚で言うと、緑よりかオレンジ色っぽい感じ。夏の運動会で子供たちがきゃあきゃあ駈け回っているようなそういう映像を思い描くと、割と近い感じです。ナオちゃんはまた自作の服を着てきた。包帯のようなガーゼの生地で作った白いノースリーブに何やら文字が書いてあって、両方の二の腕にも包帯。頭はなんかちょんまげみたいなカタチに髪をひねっていくつものピンで留めていた。下は長い黒っぽいスカートだったかな。あんまり近すぎてよく見えなかった。相変わらず可愛かった。


でもなんかこう言うとアレだけど、今回はあんまり書きたいことがない。僕は松崎ナオをずっと応援して、例えばたまたまラヴフールに立ち寄った人が僕のラヴに溢れた文章(http://www.bremen.or.jp/takanabe/kako.html)を読んで少しでも聴いてみたくなるような気持ちにさせられたらなぁって今も思っている。けれども、ライブの為に毎回アレンジがガラリと変わるとはいえ、アルバム3枚分(うち一枚はミニアルバムサイズ)しか曲がないのに、もうかなりの回数のライブを見てきて、技術や風格のようなものは変化しても、ベースになっている曲は5年も6年も前のものだったりして、やっぱり大きなブレイクスルーがないのだった。昔書いた小説を今の気分で推敲し直しても、またすぐにそれも古くなってしまうのと一緒で、ねぇねぇ今回は聴いたことのない新しいアレンジでしょ?と言われても、いやーそれはそうだけど、だから何なのよという部分も正直大きくなってきたのだった。好きなミュージシャンがリミックスアルバムしか出さなかったらつらいでしょ?


その点、今回演奏した新曲「つながり」(←これは前回もやった)「宝物のカタチ」とまだ題名のない新曲の3曲は、傑作アルバム「虹盤」以降の、前向きで開放的な松崎ナオがいる感じがしてよかった。たぶん聴きなれていない分、余計な色が着いていないせいもあると思う。でもだからってそれが録音物になってアルバムもシングルも出る予定は今のところないみたい。そういうレコード会社の冷遇の結果もあるんだろうけど、こんな風に小規模のライブハウスでライブばかりをしているみたい。来るたびに完全に固定客だらけだなと感じる。Tシャツを買ったら握手券ってまた言われたけど、なんか寂しくなって買わなかった。客の顔も覚えちったよ。あれだけの才能がある人が、こんな同人誌的なコミュニケーションに陥るのをずっと恐れている僕は、そういう馴れ合いの空気の中で、飛べない曲で客にダイブを求めてくる松崎ナオに対して、すごい悲しい気持ちになったよ。むしろこういう時期こそ、全曲未発表曲お披露目ライブ!とかって前向きな方向で無謀な企画を1回ぐらいはやって欲しいんだけどなー。


MDでこっそり録音をしておいたんだけど、最後の20分ぐらいが録れてなくて、一番よかった新曲が聞き直せなかった。くやすぃー。今回はなんだか文句ばかりが出てしまいそうなので、うろ覚えのセットリストと録音できていたうちの新曲の詞をヒアリングで載せておくよ。最高にいい詞だと思う。書いてて泣けてきたもん。こうして文字で読んでもらうだけでも、松崎ナオの詞の音は美しいので、半分ぐらいは伝わる気がする。どんどん曲を作って、届けて欲しいよ。新曲切望! できればタイアップ切望! ホントまじで今年中に!



1)太陽
2)春の中で
3)電球
4)くやしい海
5)パピコ
6)夕凪
7)ココロの音
8)How to be a Sun
9)あしたに花
10)白いよ(旧バージョン・ピアノソロ)
11)つながり(新曲・ピアノソロ)
12)宝物のカタチ(新曲)
13)花魁
14)天使の悲鳴
15)鳥が飛ぶ意識
16)哀しみが止まらない


en1)Passin' away
en2)月と細胞
en3)(新曲)

「つながり」


さびしくなるね
空と海と繋がって同じものに見える
感情と理性と
ホントウのこととか何とか分からなくなる
途方に暮れてそれさえも
輝かしい過去懐かしむ
耐えられない


何度も寄せ集めた愛がこぼれた日
そんなに求めなくていいよ
私のカケラをあげる、あげるから
ココロと体と削って愛を悟ろう


つながっているね
もうすぐ、ほら、水がたくさん落ちてくる
空にも行けるかな
あの果てまで行けば辿り着けるんだね


自分をとても感じる日は
私の形が浮き彫りで
吐きそうだ 泣きそうだ


何度も、何度も呼んでいる声がする
それでも引き止めてくれてたあなたがいたから
すべてを投げ出して
笑って走ってふたつで愛を悟ろう

「宝物のカタチ」


手の平のカタチ、唇のカタチ
牛乳とパンとあなたのカタチ
カタチがあるからあなたに見せたくて
ゆっくり強く抱きしめていて
久しぶりによく眠れた
覚めたら気づくこと


ふたりで見た花火
遠いビルの奥
小さく光って顔が見えた
普通に笑って暮らせればいいと
思う私はわがままなんだろう


ネジをなくして探してた
あなたは持っていた
ひとりひとりで
生きていけるけど
あなたを見たくて
手を取って、○○○に(聞き取れない)


大人になっていく
我慢することを覚え
宝物だった石ころ割れても
気づかない気づかないよ


手の平のカタチ、唇のカタチ
牛乳とパンとあなたのカタチ
カタチがあるからあなたに見せたくて
ゆっくり強く抱きしめていて


ネジをなくして探してた
あなたは持っていた
ひとりひとりで
生きていけるけど
あなたを見たくて
目を閉じ、また僕に


大人になっていく
我慢することを覚え
宝物だった石ころ割れても
気づかない気づかないよ


ちなみにイラストはカナせんぱいが描きました。松崎ナオが描いたと思う人がいるかもなので。


今回のライブでは個人的にハジメマシテがあったよ。最近掲示板に来てくれるようになった「けいち」と現地で会うことに成功。彼は24才で今年から働き始めたヤングサラリメンだった。スーパーカー松崎ナオが好きと言う前情報から、それはそれは僕に似た超カリスマナイスプログレッシブフェロモンIIターボダッシュミレニアムロイヤルサルーンリミテッドエディションな奴にちげえねえ、と思いましたが、ご多分に漏れず腰の低いナイーブな青年でした。ラヴフールで知り合った男の子はみんなナイーブだ。マッキもシンクもオオタくんも。ジョージとパティは会ったことないから知らんけど、多分ナイーブ。絶対ナイーブ。トイレットペーパーの先を三角に折って出てくるぐらいナイーブ。うそ。やさしくて、自分の力でいつもブレイクスルーを作ろうとしていて、いろんなことを観察して信じるチカラを持った青年ばっかです。僕みたいにすねたり毒づいたり、風俗の看板を食い入るように眺めたり、狂牛病まっさかりでも280円の誘惑にはすんなり負けたりはしない連中です。こんな奴等ですがお願いします男にしてやって下さいってそういう話しじゃなくて、えーとなんだっけ、そうそうけいちはハンサムだったんだよ。どこかで見た誰かにすごく似ているんだけどカナとふたりで考えても結局誰だかわかんなかった。ひょっとしたら誰かに似ているってこと自体に似ているっていう話しかも。もうわけわかんない。


「もてるっしょ? ウハウハっしょ?」という僕のオヤジトークには「そんなことないんですよ、いつもいい人で終わっちゃうんですよ」との返事。こうして一緒に歩いてる数分間だけでも、探している場所に行く方法を通りがかりの人に聞いてくれちゃったり、探し物をお店の中からさっと見つけてきてくれたり、気が利きすぎるほど細やかです。ひょっとしたら女の子が女の子らしい親切を発揮する場所がなくなっちゃうのかもしんない。僕とはまったく逆ですね。自分を中心に地球を回してますからね。毎日目が回って大変です。三半規管を鍛えないとな。


ライブを終えてお茶を飲んで、他のラヴフール仲間と大きく違う点に気が付いたよ。そうなんだよ! けいちはゲームをほとんどしないのだ。iアプリで「マッピー」をやらせてみたら、これってどうやって遊ぶの?とかいうし、持ってるゲーム機はプレイステーションだけ、しかもソフトは「I.Q.」と「クラッシュバンディクー」だけっていう、絵に描いたような超ライトユーザーなのだった。そんな若者らしい若者は想像上の生き物だと思っていたので魚拓を取って額縁に入れたくなった。面白いゲームを是非教えてくれというので、「空想の世界っぽくて」「お手軽」「楽しい」奴という傾向を聞きながらプレイステーションだったら「風のクロノア」かなぁと言っておいた。けいちはノートに「風のクロノア」とメモ。すげえ新鮮。お客さんの不満や不安を解決する仕事をしているせいか、ノートを前にしゃべってる姿がなんだか似合います。ロクヨンも誰かにもらったらしいんだけど、ソフトは持っていないどころか、本体も実家に置いてきたとか言いやがります。トモダチにも「ゼルダ」をやっておけと何度も怒られたそうです。そりゃ僕だって怒ります。今や980円で買えちゃう時代ですしね。


そんな話しをしながら、僕は会社で書ききれなかった秘密書類や、さっきドンキホーテで買った定規とカッターでちょっとした工作をすますと、行ったこともない住所まで真夜中の冒険に繰り出すことになった。今日初めて会ったけいちに道を案内してもらって、20分後に今日の冒険を満了。イエーイ、後は寝るだけって一日は最高に楽しいな(俺が)、と思った。家がお互い近いと分かったので日曜日にさっそく遊ぶ約束をした。またみんながうちに遊びに来る日には、一緒に仲良く遊びましょう。ただしゲームは上達しておくこと。ゆびきりげんまん。




日刊名言(メールマガジンより)


「時間の使い方の最も下手なものが、まずその短さについて苦情をいう」 ラ・ブリューエール