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たかなべが、ゲームやそれ以外の関心事を紹介します。

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映画「太陽を盗んだ男」

DVDで映画「太陽を盗んだ男」を観ました。同僚が貸してくれた。1979年の映画で主演がジュリー。冴えない理科の教師が原爆を作って、それを出汁に脅迫を続けるという話だ。150分もあって長い。最初の1時間がすんげえだるかったんだけども、そこを過ぎると徐々に疾走感が出てきてそのままラストまで加速し続けながら突っ走る。カルト映画として評価が高いらしいんだけど、キチガイっぽい感じのカルトじゃなくて、中学生の妄想に立派な役者が付き合ってる感じ。つくりとしては至ってまじめ。絵作りにも独特のこだわりを感じる。でもジュリーには大した動機もないし、実際冴えない理科の教師だし、脅迫もくだらないものばっかで子供染みてる。モテない男が六畳間で考える妄想の粋を超えない。それを映画の中で、刑事役の菅原文太がちゃんと否定する。みんなお前みたいなことを思ったって、ちゃんとまじめに生きてるんだって。原爆なんか作らなくたって、退屈な日常を生き抜いてるんだって。でもジュリーは納得しない。そのモラトリアムっぷり、終末願望っぷりが、79年に作られた映画なのに90年代とすでに大差なかったんだなぁって気づけたことが一番の収穫だったかも。リマスターによるあり得なくらいの画像の綺麗さもよかった。68点。