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本「デザインの骨格」山中俊治

デザインの骨格
デザインの骨格
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山中俊治
日経BP
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久しぶりに工業デザインの本でも読もうかと思って手に取ったら、15年ぐらい前に買ったデザイン本と偶然作者が同じでした。


山中俊治は「デザインあ」の第1回目のインタビューでも出てきたくらい、日本を代表する工業デザイナーの一人です。代表作は、Suicaの自動改札機、ウィルコムW-SIMカードや通信カードのAX520N、それ以外にも自動車、時計、椅子、スポーツ用の義足、ロボットと多岐に渡っています。アップルのデザインにも造詣が深く、その考察は納得のいくものばかりです。


この本は、そんな彼のデザインエッセイ集とも呼べるもので、絶賛連載中のブログの内容に加筆修正したものです。ひとつの記事が2〜5ページで終わるし、スケッチや写真もふんだんに使われており、デザインに特に精通していなくても読者に飽きる隙を与えません。


話し言葉に近いやさしい言葉遣いだけでなく、この手の本ではありがちな「上から物を言う」「知識をひけらかす」「お上に物申す」感じがまるでないところがとにかく好印象で、読後感がさっぱりしています。


デザインの世界の中で、工業デザインは、特にパブリックスペースの機能を司るものが多いのですが、そこには美意識以前に「冷静な観察眼」と「包括的な優しさ」の両方の視点が必要で、それを裏付ける技量として「自然界の法則の応用」「構造物としての正当性」によって解決しないといけません。そうやってストンと落とされた正しいプロダクトは、どこまでもシンプルで美しくなることが約束されていたかのように、透明な匿名性(無我)を持っています。僕は工業デザインのそういう奥ゆかしいところが本当に好きです。作品ではなく、それは使う人によって活かされる「製品」である、ということです。ゲーム作りもその点において共通している部分があると思います。



“60%以上をアニメーションが占めているBD市場においてはその傾向がより顕著となっており、僅か2.2%のヘビーユーザー層がBD市場全体の80.9%を買い支えていることも判明した。

http://kikuzu.tumblr.com/post/5765824966/60-bd-2-2