高世仁の「諸悪莫作」日記

2017-01-14 これがまあ核のボタンを持つ御仁

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もう1月も中旬になってしまった。

先週末、再び谷保天神に。娘が行くというので付き合ったのだが、まだ参道に行列ができるほど参拝者が多い。梅がだいぶ咲きはじめていた。

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5日までが冬至。6日から小寒節分までは「寒の内」といい、立春に「寒の明け」を迎えるまで厳しい寒さが続く。

初候「芹乃栄」(せり、すなわちさかう)をすぎて、いまは次候「水泉動」(しみず、あたたかをふくむ)。地中で凍った水が溶け、動き始めるという意味だが、今年は寒さがピークになりそう。16日からが末候「雉始雊」(きじ、はじめてなく)。

強い寒波が来ているそうで、各地で大雪になっている。連日「山形県大蔵村」がニュースに登場。きょう時点250センチの積雪だという。

松本に住むかみさんの友人からメールが届いて、予報では明日朝の気温は零下11度だとのこと。明日は東京氷点下になるらしい。このところ朝方までパソコンに向かうことが多いが、今夜は早めに寝るか。

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朝日川柳より

13日

 これがまあ核のボタンを持つ御仁滋賀県 小寺洋一)

14日

 これがまあ終(つい)の姿かデモクラシー大阪府 宮本一夫)

 バカの壁なんてタイトル思い出し茨城県 清水方子)

 CNNは頑張ってるぜNHK栃木県 大塚裕)

トランプの初めての記者会見をテレビで観たが、ひどすぎる。CNNの記者が懸命に抗議していたのはよかった。日本で例えば安倍首相が同じことをやったら、新聞、テレビの記者たちはどんな態度をとるだろうかと思いながら観た。

ツイッターでのトヨタなど個別企業非難といい、ロシアとの裏の関係といい、大統領の適格性を疑わせるエピソードばかりだ。

彼が大統領選挙に当選したとき、トランプを知ると称する何人かの識者が、とんでもない言動は、注目を集めるための選挙戦術であって、大統領になったら「まとも」になるから心配する必要はありません、と保証していた。完全にハズレ。どんどんひどくなっている。アメリカという国家が軽蔑されるようになるだろう。トップに誰がつくかは大事である。

2017-01-07 めぐみちゃんと家族のメッセージ〜横田滋写真展

takase222017-01-07

きょう、「報道特集」の第2特集【緊急報告!モスル奪還作戦】が放送された。

《各国でテロが相次ぐ中、イラクでは第二の都市モスルを過激派組織「イスラム国」から奪還する戦いが続く。解放された周辺の町、難民の苦境などを金平キャスターが報告》という内容で、年末年始の取材にジン・ネットが協力した。

 FBとツイッターでは事前告知したのだが、ブログでお知らせできずに失礼しました。中東の問題は日本では「遠い話」として敬遠されがちだが、最も酷い人道被害が起きている地域であり、少しでも多くの人の目に留まるような報道に努めたい。

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 月が少しづつ太ってきている。

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 3日の夜、映画から帰宅する途中、金星が三日月のすぐそばに光っているさまが珍しくしばらく眺めていた。この夜は多くの人が空を見上げていたらしく、西表島芸術家石垣金星さんがFBにみごとな写真を載せていた。「金星とお月さまの口づけ」というすてきなタイトルをつけて。

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 きのう、新宿高島屋「めぐみちゃんと家族のメッセージ〜横田滋写真展」を観てきた。

 横田めぐみさんが拉致されたのが1977年11月で、今年がそれから40年になることから、横田夫妻と同じマンションの住民でつくる「あさがおの会」が企画した。(後援朝日新聞

http://www.asahi.com/articles/ASK153TRRK15UTIL00V.html

 すばらしかった。非常に力のこもった企画で、写真展としては質量とも過去最高のものだと思う。初日の5日には横田早紀江さんと池上彰さんの対談もあり、11階の特設会場には拉致されるまでの13年間に両親が撮影した写真など約160点が展示されている。

 めぐみさんが写っている写真5枚をはじめ、はじめて公開されるものも多い。

 例えば、生後3〜4か月のめぐみさんが腹ばいで初めて首を持ち上げた時の写真は両親の喜びが現れていて、じんとくる。「初めて首をもちあげ四つんばいになったので、二人でうれしくて写真を撮りました」との早紀江さんのキャプションがある。昔、私も、まったく同じポーズの長女を撮影したが、その時娘がにっこり笑った顔に感動したのを思い出した。

 その他、靴を履いての初めてのお出かけとなった上野動物園でヤギと遊ぶめぐみさん(2歳)、軽井沢日銀保養所で滋さんに抱かれて散歩するめぐみさん(2歳)、大田区池上本門寺で早紀江さんと一緒のめぐみさん(3歳)などは初公開だ。

 一枚一枚写真を見ていくと、めぐみさんが可愛らしいのはもちろんだが、滋さん、早紀江さんの本当に幸せそうな表情に胸をつかれる。

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 写真の他、小さいころから習っていたバレーの衣装、早紀江さん手作りのワンピースやブラウス、めぐみさんが大切にしていたぬいぐるみやオルゴールなども初めて公開された。

 拉致された年の正月にめぐみさんが書いた書き初めもあった。めぐみさんが完璧なものにしようと何度も何度も書き直し、見かねた,早紀江さんがもういいかげんにしなさいとやめさせた一枚で、「元朝の志」としたためてある。一つひとつのゆかりの展示品にめぐみさんの存在が生々しく感じられ、苦しくなるほどだ。

 寄居中学校の合唱コンクールで歌う集合写真(これも初公開)のそばに、小学校卒業の謝恩会で「流浪の民」を合唱した際にめぐみさんがソロで歌った箇所“慣れし故郷を放たれて 夢に楽土求めたり”の歌声を流しているコーナーがある。きれいなソプラノを聞きながら、心からめぐみさんたち拉致被害者の無事と帰還を願った。

 これほどの写真展はおそらく最初で最後になるだろう。

 あさがおの会」の人と話すと、支援者の高齢化も進んでいて、きょうは何号の誰さんが入院した、などという会話が日常になっているという。展示の企画から会場の設営まで、大変な作業だったというが、展示期間中も「会」からは毎日3人づつ3シフト、つまり9人が写真展に詰めている。高島屋応援スタッフを出してくれていても負担はかなりのものだ。「最後になる」と書いた所以である。

 展示は10日まで。ぜひこの機会に写真展に足を運んでください。ほんとうにすばらしい展示です。そして、近年メディアでもあまり取り上げられなくなった拉致問題に今一度関心をもってください。

 ところで、会場の入り口で「あさがおの会」の人から署名帳に名前を書けといわれた。見るとそこには二人、池上彰さんと小池百合子さんの署名だけがある。「いや、私は著名人じゃないので・・」と断わったのだが、ぜひにと言われ、おこがましくも3人目にサインした。拉致問題解決のために微力でもがんばらなくちゃな。

2017-01-05 津端夫妻のスローな暮らしに憧れる

3日、映画を2本観る。

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一つはポレポレ東中野で2日からロードショーが始まったばかりの『人生フルーツ』http://life-is-fruity.com/

津端(つばた)修一さん、英子さんという合わせて177歳の夫婦の暮しが描かれる。二人は愛知県高蔵寺ニュータウンに自宅がある。自作の堆肥で地味を豊かにしてきた庭の畑からは、四季折々の果物や野菜が採れ、それを英子さんが美味しそうな料理に作る。仲良く(互いにさん付けで呼んでいる)ゆったりとした楽しそうな二人のスローライフ。映画を観た人はみな「ああ、こんな理想的な老後を送りたい」と思うだろうな。

 つばた夫妻には『あしたも、こはるびより。83歳と86歳の菜園生活。はる。なつ。あき。ふゆ。』や『なつかしい未来のライフスタイル』など20年前からたくさんの著作があり、二人の暮らしぶりに憧れる多くのファンをもつ。

 修一さんはかつて建築家で、自分が今暮らすニュータウンも自らが建設の中心にいた。自然との共生を謳ったプロジェクトを目指したのに、資本の論理でそうはならず、挫折を味わう。修一さんは会社を辞め、300坪の土地を自らが手がけたニュータウン内に購入、雑木林と畑のある「自然との共生」の暮らしを追及することにしたのだった。

 その修一さんに、あるプロジェクトが持ち込まれる。自然に癒されるような施設を作りたいと。それに修一さんは建築家としての情熱をかきたてられ、一切の報酬を断って設計図を描きはじめた。映画は、その暮らしぶりの背景にある日本の高度成長との軋轢をも描き込んでいく。それも声高にではなく実に自然に。

 ところが修一さんは突然死んでしまう。残された英子さんは・・・と続いていく。

 ナレーター樹木希林で、次のフレーズが何度もリフレインされる。

 

 風が吹けば 落ち葉が落ちる

 落ち葉が落ちれば 土が肥える

 土が肥えれば 果実が実る

 こつこつ ゆっくり 人生 フルーツ

 東海テレビドキュメンタリー劇場第10弾だそうで、プロデューサーの阿武野勝彦さんは『ヤクザと憲法』も制作している。テレビの映画化は、長い期間じっくり密着して撮影するテーマでは、大きな強みを発揮する。とてもいい映画だった。ただ、「人生フルーツ」というタイトルだけは、もうちょっと何とかならなかったかなと思う。二人の本のタイトルがみなしゃれているのでなおさら。

 二本目は立川に移動して『世界の片隅に』。大ヒット中の映画で、まだ松の内ということもあって映画館は混んでいた。

 これも、とてもよかった。

 戦争の悲惨を越え、希望を持って生き続ける人間。人間っていいもんだな、としみじみ思わされた。

 空襲警報や防空壕避難訓練、配給などいわゆる銃後の生活が非常にリアルで、これに若い観客がついてこれるのは、アニメの強みかもしれない。私もこれほど真に迫った戦争中の暮らしを観たことがなかったので引き込まれた。

 描写の精密さに変化を持たせ、すずの描く絵にオーバーラップしていくなどのアニメ作品ならではの演出がよく効いて、現実と夢の間を揺れ動くような面白い効果を出していた。

 残念だったのは、主題歌を歌ったコトリンゴ。これはもう好き嫌いの世界だが、鼻濁音が全くできないので、「雲は流れ流れて」のガ音が耳障りで映画に集中できなかった。

 この作品は、クラウドファンディング資金を募って製作・公開された知られていることでも話題になった。映画が終わってエンドテロップに募金した全員の名前が延々と流れた。募金した人はここで自分の名前を確認できる。佐々木芽生監督のクジラの映画もそうだが、一般の人々の寄金をもとにする作品が増えていくと、中身の傾向も変わっていくかもしれない。例えば「社会性」がより強く打ち出されたりと。クラウドファンディングによる製作は、テレビ番組からの映画化とともに映画界の新しい波である。

 「のん」がすずの声を好演していた。「のん」が、以前所属していた芸能事務所からにらまれて能年玲奈という本名が使えなくなった事情は、週刊誌に報じられたとおりだが、元所属事務所の力が強いこともあって、テレビ局はほとんど「のん」を出さなくなっている。最近、私は「のん」に関わる番組企画をテレビ局に提案したが、やはり「旧事務所とのトラブルが解決していない」ことを理由に通らなかった。

 この映画のヒットをきっかけに、「のん」がもっと活躍できる状況が来るよう期待する。

2017-01-02 わざわいを福に転ずる南天よ津々浦々に今年こそ咲け

takase222017-01-02

 私利私欲なし 雪の富士仰ぎをり

 こう年賀状に書いてあったのは、娘がお世話になった幼稚園の園長だった長谷川禮子先生。子どもたちをのびのびと遊ばせることを大事にする園で、「ジャングル祭り」という園最大の行事には、子どもも父兄も仮装して集まって踊るのだが、長谷川園長は「ジャングルの女王」として祭りを仕切った。奇妙な格好をして「うっほほ、ぱぴぺ」などとわけの分からない呪文を唱えながら登場すると子どもたちから歓声が上がる。楽しい思い出を作ってくれたすばらしい先生で、みなから尊敬を集めた人格者だ。http://d.hatena.ne.jp/takase22/20070829

 もう隠居されているが、お元気のようすで、なによりです。年に一度、ふだん会えない人とつながるのは年賀状という習慣のよいところだ。

 長野県真田町に住む、旧友の桂木恵君からの年賀状には、この雪をかぶった南天の写真とともにこんな短歌が添えてあった。

 わざわいを福に転ずる南天よ 津々浦々に今年こそ咲け

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 彼はながく社会科の教員を勤めたあと早期退職して、今は地域の歴史を掘り起こし啓蒙する活動をしている。最近の社会情勢に感じる大きな危惧をこう詠ったのだろう。すばらしい。

 去年は「真田丸」の放送で、真田町はたくさん観光客があったことだろう。彼のところに遊びに行ったとき、真田家ゆかりの場所を案内してもらったが、人々が地元の歴史に愛着を持っていることを知ることができ興味深かった。

 真田丸」といえば、総集編を観て人気の訳が分かった気がした。武田の家臣からはじまって、織田、上杉、豊臣とボスを変えながら、一時は徳川の与力にもなっている。最後は兄弟で敵味方に分かれて、武勇の名を残しながら果てる一方で、お家は存続させた。歴史ものにはふだん興味を示さない娘が、番組を飽きずに最後まで一緒に観て、面白かったと言った。ある意味、ビジネスライクというか、企業や政治家を含む現代人の生き方に通じるものがあってすなおに話に入っていけるのだろう。

 さて、南天だが、「難転」、つまり難を転じて福となすに通じることから、縁起木とされたそうだ。

 あるサイトに「戦国時代には、武士の鎧びつ[鎧を入れておくふた付きの箱]に南天の葉を収め、出陣の折りには枝を床にさし、勝利を祈りました。正月の掛け軸には水仙と南天を描いた「天仙図」が縁起物として好まれたようです」とある。

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 うちは水仙を飾って元旦を迎えた。

 新年そうそうトルコテロが伝えられて先行きは不安だが、すべての人に安寧を祈りたい。

2017-01-01 今年は良いことありそうな・・

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 新年おめでとうございます!

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初詣はいつもの谷保天満宮に行く。

夕方だったのにたくさんの人がお詣りの順番待ちで並んでいた。これは信仰というより、気持ちの持っていきどころを求めて、ということだろう。よいことに巡り合えますように、と。

天満宮なので梅林があり、陽当たりのよい枝では蕾がほころんでいた。春である。そこから富士山に陽が沈むのを見た。周りの人びとが、富士山の陽の入りをみれてよかったとうれしそうに言い合っていた。やはり、特別な山である。

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私も、何か良い事ありそうな、という思いで帰路についた。

おだやかな新年を迎えられてよかった。水仙もきれいに咲いている。

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去年は、仕事以外で、いくつか新たな学びをすることができた。

一つは、「近代」とは「人類史上かつて存在しなかった異常な文明」であり、これをのりこえてゆく途を模索すべきだという渡辺京二の提起に同感し、学び始めたこと。

もう一つは、相模原障害者殺傷事件に衝撃を受けて、これまであまり詳しくなかった障害者問題を勉強したことだ。そして福島智さんの以下の指摘に大いに触発された

 障害者の「(知的)能力の低さ」をどう扱うかは、障害のない人間同士での能力の差をどう考えるかということと、根っこはつながっています》。

http://d.hatena.ne.jp/takase22/20160827

 障害者の問題は健常者が現在抱える悩みとつながっていて、他ならぬ我々自身の問題だというのである。今年も引き続き学びを続けよう。