島の取り方にみる中国の手法2

takase222013-02-10

福島県双葉町の井戸川町長がついに辞任した。
東京電力福島第1原発事故で加須市の旧県立騎西高校に役場機能ごと避難している福島県双葉町の井戸川克隆町長の退任式が7日、同校で行われた。井戸川町長は約60人の職員を前に「一致団結して、町の再建を図ってほしい」と呼び掛けた。正式な退任は12日付。
 退任式で、井戸川町長は東日本大震災後の町政運営について「前に進まなければならないという思いで、一人矢面に立って頑張ってきた」と振り返り、今後の活動の一つとして「日本だけではない、人類の事故」の経験を語り継ぐ意向を示した。
 職員から花束を受け取った井戸川町長は大勢の町民に見送られ校舎の外へ。一人一人と握手を交わし、「ご苦労さまでした」「頑張ってください」と声を掛けられ、涙を浮かべていた。
 井戸川町長は汚染土壌などを収める中間貯蔵施設の問題で、福島県双葉郡8町村の会議に欠席した。昨年の12月定例町議会で不信任決議を可決され、議会を解散。その後、町議選告示前日の1月23日に辞職を表明した。
 町長選は28日告示、3月10日に投開票される。》(8日共同)
福島に戻ることに抵抗して、国の「復興」策に反対しつづけた井戸川さんだったが、力尽きた。井戸川さんの考え方に全面的に賛成だというわけではないが、東電と政府の不誠実さを訴え続けた姿勢には敬服している。いずれ彼について書いてみたい。
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中国が、南沙諸島ミスチーフ礁にいろんな施設を次々に建設し、どんどん実行支配の形を整えている。
《【マニラ共同】中国やフィリピンなどが領有権を争う南シナ海の南沙(英語名スプラトリー)諸島のうち、中国が実効支配するミスチーフ礁で、風力発電ヘリポートとみられる施設が新造され、中国による基地強化の動きが進んでいることが1日、共同通信フィリピン海軍から入手した写真で分かった。
 フィリピン海軍が7月16日に撮影した写真や同軍によると、ミスチーフ礁内に小規模な港を兼ねたコンクリートの土台が設置され、上部に風力発電ヘリポートとみられる施設、3階建ての建物のほか、パラボラアンテナ2基が設けられている。》(2012年8月1日)
(写真)
この記事に「中国が実行支配する」と書かれているが、ここは90年代半ばまではフィリピンが実効支配していた。
《1995年、中国は、フィリピンが実効支配していた南沙諸島ミスチーフ環礁に突如として構造物を建築して中国国旗を掲揚。比側の抗議に「漁民の避難施設である」として耳を貸さないまま着々と施設の拡充と実効支配の既成事実化を積み重ねた》(GLOBALVISION誌№166)
有無をいわせずに実力で実効支配を広げる中国に対して、フィリピンだけでなくベトナムもなすすべなく震え上がっている。フィリピンは国際裁判所に訴えた。
《フィリピンが中国を相手取り、南シナ海の領有権問題をついに国際裁判所の一角に持ち込んだ。中国の領有権主張の違法・無効性と、艦船の活動中止などを求め、「仲裁裁判所」を選択し、22日に提訴を発表。その背景には、中国からの圧力の強まりと、国連海洋法条約上の制約という事情があった。
 フィリピンはこれまで、国際裁判所への提訴を繰り返し表明しながらも、踏みとどまってきた。ここにきての提訴について、政府筋は「外交的な努力を続けてきたが、中国は今月から南シナ海の取り締まりを強化し圧力を強めるばかりだ。機は熟した」と説明する。
 何より「スカボロー礁周辺に中国船が居座り続け、ミスチーフ環礁のように、中国が建造物を構築し、実効支配に乗り出すことを最も恐れている」と言う。》(産経1月23日)
こういう場合の裁判はどうなるのか。
(つづく)