護憲派と改憲派の共闘は可能だ

痛風もちなので、2か月に1回クリニックに血液チェックに行く。
いつも中性脂肪コレステロールなどが高すぎるので、薬を飲んで治療しましょうと言われる。そのクリニックには医師が何人かいて、先日、新しい医師に当たった。
「正常値」の上限値が緩和されるらしいですね、と私が言うと、
「厳しすぎたんですよ。そもそも、検査の「正常値」なんて確率の問題ですし、その値から相当はみでていても元気で暮らしている人いっぱいいますよ。あまり気にしなくていいです」。
うちの母なんか、血糖値とか血圧の値にとても敏感で、毎日一喜一憂してますよ。
「情報があふれちゃって、ぼくら医者より詳しい人いるからね。
ご飯は何グラムだけ、何分ウォーキング、健康、健康、それだけ考えて毎日暮らしてる人いますけど、いったい何のために生きてるのか、本末転倒みたいな気がしますけどね」。
なるほど。
体にいいこと何もしていないグータラな私としては同感。
くだけた面白い医者だった。
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きのうのつづき。

衆院議員の村上誠一郎氏が、なぜ集団的自衛権容認の動きに反対しているか。
《民主的であったワイマール憲法のもとで、ナチス・ドイツが全権委任法を議会で成立させ、実質的にワイマール憲法を葬り去っていった歴史です。安倍さんの解釈改憲は、それと同じ愚を繰り返す危険性がある。だから私は反対しているんです。》
《安倍さんは「憲法は不磨の大典ではない」というけれども、「平和主義」と「基本的人権の尊重」、そして「主権在民」、この三つはアンタッチャブルであり、絶対に変えてはいけない基本原則です。その「平和主義」の核心にかかわる問題においてすら、閣議決定で解釈が変えられるなどという前例が作られてしまえば、他の分野にまでこの手法は及んでいきます。結果として、憲法の基本原則が機能しなくなってしまう。それは立憲主義が崩れることを意味します。》
《言うまでもなく、内閣はいくらでも変わるものです。内閣が変わるたびに憲法の解釈が変わり、法律が変わるようなことになれば、法の安定は根本的に覆され、もはや法治国家と言えなくなってしまいまう。したがって、この解釈改憲が万が一にも行われるならば、天下の自民党がみずから憲政に汚点を残すことになります。
我々には憲法を尊重し順守する義務があるんです。政治家が守らなければいけないのは、立憲主義であり、三権分立です。安倍さんがやろうとしていることは、その三権分立立憲主義の基本を無視し、それを壊す危険性を持っている。だから反対せざるをえない。これは右とか左とかではなく、民主主義や法律をまっとうに学んだ人間であれば誰でもわかるはずです。》
村上氏は、去年の臨時国会で、秘密保護法に対して自民党でただ一人反対した「サムライ」だが、多数決万能をこう言って批判する。
《多数決で正しいことが葬り去られた事例は実際にいくらでもあるわけです。そういう怖さを民主主義の多数決制度は持っている。だから、憲法の大原則にかかわるような問題は、よほど慎重な上にも慎重に運ばなければならないのです。》
さらに、
《かつての中曽根康弘さんが偉かったのは、官房長官には自分とは価値観の違う後藤田正晴さんを置いたことです。そして後藤田さんは憲法にかかわるような問題の時にはきちんとブレーキ役を果たしました。いま、そのようなブレーキ役が党や官邸にいるでしょうか。》
実に「まっとうな」意見だと思う。

改憲派のなかには、私のように、今の政治的状況や社会的雰囲気のもとでは憲法をいじるべきでないと考える人々、いわゆる「消極的護憲」派が相当な数いる。
これまでの政府の解釈(専守防衛)の線、水島君のいう「箕輪ライン」に戻ることは、立場の違いを超えて賛同できるはずだ。