死刑映画週間はじまる

ブログを書こうとしたら、シリアのニュースが飛び込んできた。
《トルコ軍は13日、シリア北部のアレッポ(Aleppo)県にいるクルド人武装勢力とシリア軍部隊を攻撃した。トルコのアナトリア(Anatolia)通信が軍関係筋の話として伝えた。》AFP
クルド勢力だけでなく、国境近くにいる政府軍をも攻撃しているもようだ。
シリア政府は、「トルコ軍がシリア領内に進攻した」と発表。爆撃や砲撃だけでなく、地上軍が実際に越境しているという。

一方、サウジアラビア外相は、シリアに地上軍を派遣する用意があると言明しており、本格的な地上戦がはじまる気配も出てきた。
アサド政権が倒されることをロシアとイランが黙って見ているわけはなく、大国同士の戦闘ということになりかねない。
湾岸やアフガン、イラクと、これまでの戦争を見ると、あれよあれよという間に戦争に突入していく。
注視しなくては。


きょうは春一番が吹いた。
いよいよ春だなあ。
きのうも暖かく、母親を御茶ノ水に連れ出して食事をとった。
うちのオフィスと神田明神を案内。いい陽気で境内の梅は満開。獅子山の紅白のしだれ梅も咲いていた。
お詣りしておみくじ引いたら末吉で「待ち人来ず」。当たってる。

延寿甘酒に入る。
甘酒が実にうまい。種麹を購入するのではなく、自家製の麹で甘酒を造っているそうだ。
・・・・・・・
11日は渋谷アップリンクで「望むのは死刑ですか〜考え悩む“世論”」という映画を観てきた。テレビ制作でうちでもときどきお仕事をお願いしているフリーディレクターの長塚洋さんが製作した。

国民の8割が死刑に「賛成」…?
それは、日本政府による意識調査の結果だ。「圧倒多数の支持」を、政府は死刑を続ける理由としてきた。だが本当なのか?死刑の情報提供や議論を、政府は避けてきた。命を奪うこの刑罰を、実は人々はよく知らない。そんな中、ある研究者によって都内の会場に、一般市民135人が集められた。それは、人々の心をより深く探る「審議型意識調査」の試み。テーマは、日本の刑事制度だ。市民たちは、お互い初対面。研究者は冒頭、こう宣言した――「討議してたどり着いた意見を、国民の判断と考えます」。
2日間の調査ではまず弁護士や専門家、犯罪被害者などから話を聞く。続いて、市民どうし意見を述べ合う。すると市民たちは、さまざまな反応を示し始めた死刑に反対する被害者も存在すると知って「死刑支持が揺らいだ」という若者。死刑が犯罪を減らすとは証明できないと知って「もっと苦しい刑罰が必要かも」と言いだす中年男性。冤(えん)罪による死刑判決の多発に、とまどう若い女性。知ることで初めて悩み、自分とまったく違う意見に触れて悩み、当たり前のはずだった考えを揺さぶられる“世論”の担い手たちを、カメラは捉え続ける。答えの出ない議論のなかで、“普通の人々”の意識に何が起きるのか? 混とんの中に浮かぶ、“世論”のほんとうの顔とは…。》(映画のHPより)
http://www.uplink.co.jp/event/2016/42264
135人のうち、半数近くが、意見を変えたという。

私は以前は死刑は必要悪だと考えていた。死刑廃止論の長塚さんとは飲んで朝方まで激論を交わしたこともある。
しかし、その後、冤罪の実態を知って考えを変えた。
足利事件」(菅家さんの冤罪事件)では、日本の警察と司法のでっち上げ体質に身が震えた。
また、同じくDNA鑑定が証拠採用され「東の足利事件、西の飯塚事件」と並べられた「飯塚事件」では、有罪とされた人物が死刑執行されてしまったが、冤罪の可能性は大きい。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%A3%AF%E5%A1%9A%E4%BA%8B%E4%BB%B6
無実なのに殺される。その惨さを思うと、死刑には賛成できない。

長塚さんは、テレビでどこも取り上げてくれないので自分で映画を作ったのだった。
死刑や刑事裁判制度について、もっと議論できる雰囲気をメディアも作っていくべきではないか。
特集上映「第5回 死刑映画週間 殺されていく命」が、2月13日から19日にかけて東京・ユーロスペースにて開催されている。