高世仁の「諸悪莫作」日記

2018-09-26 民族間の不均衡はなぜ生じたのか

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 ゴジカ。昼ごろ開いて1日でしぼむので「午時花」。東南アジア原産で日本には江戸時代に入ったという。

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 イヌサフラン痛風持ちの私も世話になったコルヒチンという薬がとれる。しかし、猛毒で、2006年から2016年の間に誤食して6人が死亡している。ギョウジャニンニクと間違えやすいという。

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 トランプ大統領国連総会一般討論演説がニュースになっている。そもそも30分も遅刻して、国連なんか重視していないぞとアピール。「(就任から)2年足らずで大半の歴代政権よりも多くのことをなし遂げた」と自慢げに演説を始めて失笑を買い、「米国米国人が統治する。グローバリズムを拒否し、愛国主義の精神を尊重する」とぶちあげた。

 地球温暖化対策の「パリ協定」、イラン合意など多国間の枠組みに背を向け、国連人権理事会やユネスコから脱退するなど一国主義で勝手放題のトランプVS国際社会という構図を見せつけた。こういうのを見ると、やはり誰がリーダーになるかは大事だなと思う。日曜は沖縄知事選だが、台風で荒れ模様になる可能性もあるという。

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 わが国がナンバーワン、わが国民こそ最も偉大だというトランプ流「愛国主義」は他民族へのヘイトのベースになり国際協調を妨げる。この考え方は日本にもじわじわ浸透してきたように感じる。

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 そこでお勧めなのが、ジャレド・ダイアモンド『銃・病原菌・鉄』(草思社)だ。1998年度ピュリッツァー賞一般ノンフィクション部門)受賞の名著である。

 この本の目的は、「世界のさまざまな民族が、それぞれに異なる歴史の経路をたどったのはなぜだろうか」という人類史最大の謎を解明することだ。「世界には、文字を持たず、単純な技術しか持たない狩猟採集民でありつづけた民族がいる一方で、農業を発達させ、さまざまな技術を開発し、文字を持つ文化を形成した民族もいる」。こうした歴史的な不均衡はなぜ生まれたのか。この大問題に、UCLA医学部教授であるダイアモンド博士は、分子生物学から遺伝子学、考古学人類学言語学その他多様な分野の知見を駆使してダイナミックに迫っている。

 今から1万3千年前、最終氷河期が終わった時点では、人類は世界各地で似たり寄ったりの狩猟採集生活をしていたのだが、その後、各大陸で異なった歩みをたどる。その結果が、ユーラシア大陸系の民族や北米への移民の子孫たちが世界の富と権力の大部分を支配している今の国際秩序をもたらしている。

 支配する側、日本を含む「勝ち組」の人々は、歴史発展の差異は、人種や民族による生物学的な差異が生み出したと考えがちだ。つまりわが民族が生物学的に優秀だったからだ、と。

 ところがダイアモンド博士は、これを明確に否定し、「歴史は民族によって異なる経路をたどったが、それは居住環境の差異によるものであって、民族間の生物学的な差異によるものではない」と結論づける。その民族が優秀だったかどうかではなく、定住した場所によるというのである。

 近年、日本では中国韓国侮蔑するなど民族的な偏見を煽る言説がネット上であふれ、多くの出版物でも目に付く。トランプ大統領演説にも触発されて、この本を紹介したくなった。

(つづく)

2018-09-00 疲れたら立ち止まっていいよ(サヘル・ローズ)

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 接近中の「非常に強い」台風21号が、明日四国から紀伊半島に接近、上陸する見込みだという。「勢力を保ち『非常に強い』まま上陸すれば1993年の台風13号以来、25年ぶりになる」(東京新聞)そうだ。すでに豪雨被害にやられた地域がさらに痛めつけられないか、心配である。大事にならぬよう祈ります。 

 台風の「強さ」について、ちょっとだけうんちくを。

 標準気圧1013ヘクトパスカルより低いほど「低気圧」で、気圧の低い中心部に、周りの気圧の高い所から風が吹きこむ。ただ、問題は気圧自体より気圧の「傾斜の大きさ」で、中心気圧が低くても傾斜がなだらかなら風は弱い。それは等圧線の詰まり具合で分かる。

 台風の強さは風速でランク付けされ、最大風速で秒速33m以上が「強い」、44m以上が「非常に強い」、54m以上が「猛烈な」となる。

 「3日午後6時現在、種子島の南南東約320キロ」にある台風21号は、中心気圧は945ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は45メートル」というから、「非常に強い」ランクになる。気をつけましょう。

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 9月1日は、日本の中高生の自殺がもっとも多い日で、この間、メディアでもさまざまな呼びかけや特集が組まれている。

 私がファンであるサヘル・ローズさんは、小中学校で壮絶ないじめに会い、死にたくなった経験を持つ。彼女の生い立ちについては、以前このブログで書いたが、公園に寝泊まりするホームレス同然の状態を経験するほどの苦労を重ねてきた。

http://d.hatena.ne.jp/takase22/20090609

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(サヘルさんと義母のフローラさん:日本に来た頃)

 きのうのwithnews のインタビュー記事《「ばい菌」と呼ばれ…サヘル・ローズさん「心の傷」との向き合い方》が、いま悩んでいる子どもたちをハグしてくれるような内容なので紹介したい。

 サヘルさんは義母と二人暮らしで、日本の習慣に慣れず、貧しかったこともあり、小学校高学年からいじめに遭った。中学に入ると・・・

 《授業中に両側の子が下敷きを顔の横に立てて、私が振り返ると「なんでこっち向くんだよ、顔が腐る。下敷きも使えなくなった」と言われました。後ろから蹴られて階段から落ちたこともあるし、上履きを目の前で捨てられたこともありました。先生も守ってくれなくて、見て見ぬふり。どんどんエスカレートしていきました。

 2週間くらい別の子がいじめられていた時期もありましたが、すぐまた私に戻ってくる終わりの無い生活。言葉や態度で無視されたり、そこにいないように扱われたり。心はすり切れていき、どんどん自分の存在価値が薄れてしまった。

 でも、それを母には言えませんでした。多くの子がそうだと思うけど、心配をかけたくないし、いじめられていることって意外と恥ずかしいことですよね。家に帰るまで毎日泣いて泣いて泣いて。それでも母が帰る時には、笑顔でいられるように自分のスイッチを切り替えていました。

 勉強ができる子、友達がいる子、いじめられていない子。「母が安心するサヘルちゃん」を演じていました。成績もどんどん落ちていったけど、成績表の5段階評価は「1」が一番いいと母にウソをついていた。

 でもガラスのコップの中に入る水は限られていて、水があふれ出てパリンと割れる時がきました。中3の夏前だったと思います。もう死にたい、と。学校を早退した日、何かに気づいたのか、母がすでに家に帰っていて、部屋の角でしゃがんで泣いていました。

 いつも明るく、お金が無くてもご飯が無くてもニコニコしていて、プラス思考。そんな母の涙を見たのは、初めてでした。母を抱きしめた時、体が二回りも小さくなっていることに気づきました。白髪交じりでしわくちゃで、「お母さんも疲れた、死にたい……」。

 ああ、お母さんも私の前で優等生の母を演じていて、私のために頑張ってくれて、でも見えないところで苦しんでいて、体の負担もあったんだな、って。

 その時、それが神様の声だったと信じていますが、「この人にわたしは何か恩返しをしたの?」という声がした気がしました。その時まで親に育てもらうことが当たり前と思っていた部分があったけど、そうじゃなくて、これからは母のために生きよう、必ずこの人に恩返しをして楽させるために頑張ろう、と。初めて生きる目標ができたんです。

 中学であれだけ苦しかった学校生活だけど、母のために仕事をするには知識が必要だと考え、高校に進学しました。「偉大な母」を歴史に刻むために、私が有名になろうと考えました。

 どこ生まれだろうか、どういう境遇だろうが、人間は生きてちゃんと立派になれることを証明したい。私の記事はイラン語でも掲載されて、イランの施設の子どもたちを勇気づけている、とも聞いています。

 成人式で、中学時代の級友たちが謝罪してきました。だれしも、いつかは自分の過ちに気づくものです。いじめられたことは、私自身、乗り越えたというより受け入れたんだと思います。心の傷は残っている。完全に消化しなくてもいいんじゃないかな、と思っています。

 私は、大人になって楽になりました。身長と同じで、高くなれば、違った視点から物事を見ることができる。そして、いろいろな人に出会える。

 今しんどい君に伝えたいのは、全然強くなる必要もなければ、すぐにはい上がる必要もない。疲れたら立ち止まっていいよ、っていうことです。立ち止まっている時ほど、インプットする機会。吸収して厚みのある人になってほしい。私は弱いですって言える大人になってほしい。自分の弱さも闇も、抱えたままでいいよ。

 学校が全てではないです。本当の友達は、30代や40代で会うかもしれない。社会に出てから会う人たちが、自分の教科書のような存在になってくれることもある。

 自分がしたいことがわからない時は、いっぱい寄り道してごらん。無駄な時間ほど財産になる。だから焦らなくていい。年齢なんて関係なく、自分の好奇心を探ってほしい。

 生きる意味もわからない子がいたら、ふと思ってほしい。今、地球の裏側で、あなたと同年代の子たちがもっともっと過酷な状況で、生きたくても生きられず、苦しんでいることを。

 たしかにつらいかもしれないけど、日本という安全な国で勉強ができて、親がいて食べられるものがあって着られる服があって。この恵まれた環境にいることを考えてみてほしい。生きているだけで意味があると思えるから。

 生きていく意味はたぶん誰にもわからない。それを発見するのが人生じゃない? みんなわからないと思えば楽だよ。》

https://withnews.jp/article/f0180902001qq000000000000000G00110101qq000017952A

 サヘルさんの言うとおり、大人になると楽になるよ。今の苦しさは続かないから、大丈夫。

2018-07-26 牛久の「東日本入国管理センター」で見たこと

 日本が認定した難民は去年20人(エジプト5人、シリア5人、アフガニスタン2人など)。難民と認定しなかったものの人道的な配慮を理由に在留を認めた者は45人。日本はUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)などに多額の支援金を出している。でも、「金は出すが難民を受け入れない」と国際的な批判を浴びている。

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 難民認定も問題なのだが、難民申請が認められない人々への処遇がひどいと、友人のジャーナリスト樫田秀樹さんがFBに書いた。https://www.facebook.com/hideki.kashida/posts/1729525997130803

 これは大変なことだと驚き、私もきのう25日、少しでも実態を知ろうと、茨城県牛久市にある「東日本入国管理センター」を訪れた。ここは、法務省が不法滞在などを理由に強制送還する外国人や、難民認定を申請中の外国人を一時収容するための施設で、同種の入管施設で最大の収容者を抱え、いま約340人(男性のみ)。その7割が難民認定を申請中だ。

 今年春、あるニュースが流れた。4月13日、インド人ディパク・クマル(Deepak Kumar)さんが自殺とみられる状態で発見されたのだ。このあと、約70人の収容者が1週間にわたってハンガーストライキを行い、5月14~20日には3人(日系ブラジル人、カメルーン人、トルコ国籍のクルド人)がシャワー室で首をつろうとしたり、洗剤を飲んだりして自殺を図った。これは表に出た「事件」だけで、自殺志望者は多く、実は自殺未遂はもっとあるという。

 収容者がここまで追い詰められるのは、いったいなぜなのか。取材ではなく、個人として学びたいと思い、市民団体「牛久入管収容所問題を考える会」の面会活動に同行させてもらった。

 面会希望者は、スマホその他、撮影・録音機器は持ち込めない。面会室は刑務所の面会室と同じだった。3畳ほどの小さな部屋がアクリル板で区切られ、握手できないのはもちろん鉛筆や紙もやりとりできない。以前、刑務所の受刑者に会いに行ったことがあるが、その面会室と同じだ。職員の立ち合いがないことだけが違う点だ。

 きのう面会したのは2人づつ4回で、計8人。うち4人がトルコ国籍のクルド人だった。クルド人というのは、国を持たない最大の民族といわれ、イラン、トルコ、イラク、シリアなどに少数民族として居住する。クルド人はとても民族意識が強く、いずれの国でも独立運動を警戒され、抑圧されている。

 クルド人が難民申請すると、多くの先進国では非常に高い確率で難民認定を受ける。日本でも認定されたクルド人はいるが、トルコ国籍のクルド人となると一人も認定されていない。これは日本がトルコを友好国とみなしていることからきている。わが友好国は、難民が出て来るようなひどい国であるはずがないという。つまり、本人の難民性で判断すべきなのに、日本とその国との関係が優先されているのだ。実際はトルコではクルド人が独立をめざす武装闘争をしてきた歴史があり、政府の対クルド政策は非常に抑圧的で、多くのクルド人が国外に逃れている。

 収容されている人たちが口々に訴えるのが、いつまで収容されるのか全く分からないことへの不満と怒りだ。収容期間が1年以上の人が、340人中150人ほどいるという。中にはなんと5年という人がいる。いつ出られるかは入管の裁量で、職員にいつまでいなければならないかと聞いても答えてくれない。

 人道的な配慮として「仮放免」という制度があり、不法滞在ではあるがシャバで暮すことを認められる。この「仮放免」にともなう問題はあとで書くが、「仮放免」が認められれとにかく外に出られる。ところが何度、「仮放免」の申請を出しても認定されずに、ただただ時間がすぎていく。「仮放免」認定の判断基準が示されないまま、ただただ時間が過ぎていく。これはきつい。これが2年も3年も続く・・・考えただけでぞっとする。

 家族はどうやって暮らしているだろう、子どもが病気になったとの知らせが来たが、大丈夫だろうか・・・そして自分はこのあとどうなっていくのか。悩みが募り、精神的に不安定になり、体調も崩す人が多いという。

 日本に家族が住んでいる人も多い。クルド人のMさんは「仮放免」中、自動車事故にあい足の指を2本折った。現場に来た警察に身分を明かしたところ、即収容された。実は「仮放免」中は県を超える移動の自由がない。Mさんの住所は埼玉県、事故にあったのは東京都。で、規則違反!となったのだ。こんな些細な「違反」で収容され、もう1年7か月経つという。

 家族面会が許されるのは月1回だけ。家族面会用の部屋は、アクリル版がない。Iさんというクルド人が「きのう家族面会をした」というので、様子を聞いた。

 妻と9歳、6歳、1歳の子どもが会いに来た。面会時間はたった30分。「奥さんとハグして、子ども一人ひとり抱きしめているだけで時間が過ぎてしまった」とIさん。6歳の子どもは、「パパがいなくてさびしい、夜寝られない」と泣きながら訴えたそうだ。

(つづく)

2018-05-16 不誠実な政権を容認した先には・・

takase222018-05-16

 加計学園問題。柳瀬唯夫元首相秘書官は、愛媛県や今治市の関係者と面会した覚えがないと言いながら、2015年に3度、加計学園関係者と面会したことを認めた。加計学園関係者との面会は聞かれなかったから言わなかった、面会については「一度も総理に報告したことはない」。よくまあ、こんなウソがつけるものだなあ。

 一方、「森友学園」に関する改ざん前の決裁文書について、財務省は、当初予定していた18日には国会に提出できないとし、提出は23日までずれ込むことに。ないと嘘ついて、あったのが分かると改ざんして、こんどは引き延ばしか。

 江川紹子氏が「ここまで不正直で不誠実な対応を続ける政権が、かつてあっただろうか」と問う。そして、こんな安倍内閣の支持率が落ちないこと、海の向こうではトランプ大統領の支持が底堅いことを指摘した後、「ほかに適当な人がいないといった消去法や、この人なら自分の生活がよくなるかもしれない、とか外交で成果を上げそうだなどの期待から、真実への謙虚さや国民に対する誠実さが置き去りにされても大目に見るという風潮は、国や社会をどのように変えていくのだろうか。アメリカも、そして日本も−−」と結ぶ。

 今の風潮に得体のしれない気味悪さを感じる。

(【柳瀬氏参考人招致】地に堕ちた公務員倫理――それでも支持率が下がらないのはなぜなのか)http://biz-journal.jp/2018/05/post_23334.html

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 そのトランプだが、米朝首脳会談の見通しが危うくなったとの報道。突然の北朝鮮の「ゆさぶり」である。

 「北朝鮮の朝鮮中央通信は16日、米韓両軍の定例の共同訓練を非難し、同日開催予定だった南北閣僚級会談を中止すると表明した。また北朝鮮の金桂冠第1外務次官は、米国が一方的な核放棄を強要するなら6月12日に予定される米朝首脳会談に応じるか「再考慮せざるを得ない」との談話を発表、首脳会談中止の可能性をちらつかせてけん制した。」(共同)

 気まぐれなトランプのことだから不確定要素はあるが、おそらく首脳会談は開かれ、なんらかの合意がなされるだろうと思う。トランプは、深い戦略的な考えからではなく、国内の支持層向けの人気取りで動いている。彼としては、金正恩を押さえ込んで米朝関係をまとめたという形に持っていきたいはずだ。

 外交政策では、「パリ協定」からの離脱、ITTからの撤退、イラン合意からの離脱、エルサレムへの大使館移転など、これまでの米国の外交的達成を無視して、大統領選での公約をそのまま実行している。とくにオバマのレガシーだったイラン合意を無にし、オバマが手つかずだった北朝鮮の核ミサイル開発に歯止めをかけることで前政権との違いを際立たせ、自分の人気を高めようとしているように見える。

 韓国や日本との軍事同盟の縮小を示唆していたことでわかるように、トランプはもともと極東の戦略的意味を認めていない。親イスラエルの福音派キリスト教徒を中心とした彼の強固な支持層も、極東には関心がない。米国に届く長距離ミサイルの開発をやめさせる程度の成果で十分と見ているのではないか。

 今の動きが、日本を射程に置く中距離核ミサイルだけが手つかずのまま、北朝鮮が事実上「核保有国」として認められるという、危ない結果に向かっているように思えてならない。

http://d.hatena.ne.jp/takase22/20170906

日本政府は、この流れの中に、「ついでに」拉致問題を潜り込ませようとしている。こういう対応しかできないことが情けない。

2018-05-10 トランプのイラン核合意離脱は誰を益するのか

 1週間ほど前、奥歯が痛くなった。寝られないほどの痛みなのだが、連休で歯医者が閉まっている。誰かが使わずにとっておいたロキソニン(鎮痛剤)を2晩飲んでしのいだ。月曜、朝いちでいった歯医者に「歯周病ですね。このままだと歯がぐらついて次々抜けてきますよ。どれだけブラッシングするかで決まります」と脅され、毎日3回食後に懸命にブラッシングしている。

 野生動物は、老化で歯が抜けて死を迎えると聞いたことがある。とにかく歯は大事だな。

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 米国イラン合意から離脱し、対イラン制裁をすべて再発動させることに。トランプがとうとうやってしまった。

 

 イラン合意から米国が離脱しても、英独仏の3カ国は、合意を維持するという。

 《英国とドイツ、フランスは8日、米国に対し他国のイラン合意履行を妨害しないよう訴えた。トランプ米大統領の合意離脱表明を受けて3カ国の首脳が電話会談し、共同声明を発表した。

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 声明では、トランプ大統領の決定を遺憾とし、核合意への継続的なコミットメントを強調。引き続き完全に履行する姿勢を維持し、責任感を持って行動するようすべての当事国に呼び掛けた。その上で、米国に対し「核合意の枠組みが維持されるよう努めるとともに、他の締結国による完全履行を妨害しないよう求める」と表明した。

 声明ではさらに、イランは核合意に基づく義務を引き続き果たし、国際原子力機関(IAEA)の査察に完全に協力する必要があるとし、米国の決定に過剰反応しないよう自制を促した。》(ロイター)

 背景には支持基盤であるキリスト教福音派(親イスラエル)の強力なロビーの存在、そして前大統領オバマの成果を否定したいという強い劣等感もあるのか、それにしてもトランプはバカな決定をしたものである。米国はどんどん国際政治上の信頼を失って影響力を自ら削いでいる。そもそもイラン合意をちゃんと守っているというのが国際的には常識的な見方なのだ。

 《国際原子力機関(IAEA)の天野之弥事務局長は9日、米国イラン合意離脱表明を受け「現時点では、イランは核開発に関する合意を順守している」との声明を出した。

 声明は「IAEAは動向を注視している」と説明。その上で「イランは核合意により、世界でも最も強力な監視体制下に置かれている」として、核合意が有効に機能してきたことを強調した。IAEAは定期的に、イラン合意履行状況を査察している。》(時事)

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(2015年7月核合意を喜ぶイラン国民)

 イランが北朝鮮と大きく異なるのは、「世論」が存在し、政治に大きな影響を与えることだ。だからイランには、こっちの水は甘いぞ、と政策誘導が効くのである。米国イランを敵視する政策をとると、イラン国内では改革派の立場が悪くなり、いわゆる強硬派が力を持つ。

 ロハニ大統領とザリフ外相が、強硬派から「西側への融和姿勢は失敗だった」「アメリカを絶対に信頼してはならない」と激しい攻撃を受けるだろう。国際協調と民主化を指向する改革派の力が奪われれば、緊張がますます高まるということになる。

 

 トランプの決定に連動して、シリア領内で、イスラエルがイランに大規模攻撃を実行した。

 《イスラエルのリーベルマン国防相は10日、同日の対シリア攻撃を巡り「シリア国内のイランの(軍事)インフラのほぼ全てを攻撃した」と述べた。イスラエル軍によると、攻撃はイランによるロケット弾発射への報復措置。1973年の第4次中東戦争以降、イスラエルによるシリア領内への攻撃で最大規模となったもようだ。

 トランプ米政権によるイラン合意の離脱表明を受け、離脱支持のイスラエルと反発するイランの緊張が高まっている。直接衝突に発展すれば、中東情勢はさらに不安定になる公算が大きい。》(日経)

 在イスラエル米大使館を14日にエルサレムに正式移転することといい、米国の中東政策は非常に危うい事態を招く可能性があり、心配だ。北朝鮮をめぐる情勢よりも、いま中東で進行している事態の方が大きく見るとはるかに深刻である。