高世仁の「諸悪莫作」日記

2018-07-19 後藤健二さんの処刑現場を特定

 ここ数日、酷暑がつづく。暑さが被災地を狙い撃ちしたかのようで、きのう岐阜県多治見美濃)では40度に達した。日本で40度を記録するのは5年ぶりだそうだ。この暑さのなか、被災した各地でがんばっている方々、ほんとうにごくろうさまです。

 みなさんのご苦労を思うと、エアコンの入った室内にいるのが申し訳ない気持ちになる。東日本大震災以来ご縁のある「RQ市民災害救援センター」が被災地で本格稼働しはじめたと知り、わずかな金額だが支援金を振り込んだ。それにしても、時間がたつほど被害の大きいことが分かってくる。メディアは継続して報じてもらいたい。

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 番組放送予告です。

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シリアはどうなっているのか? 日本人ジャーナリストが緊急潜入取材〜IS旧支配地域の現状、後藤健二さんの足跡を追って」

《先の見えない戦いが続くシリアに、ジャーナリスト遠藤正雄さんが潜入取材

ISの旧支配地域の現状を取材するとともに、ISに殺害されたジャーナリスト後藤健二さんの最後の足取りを追った。

 後藤さんを処刑したのは、ロンドン出身のISメンバー、ジハーディ・ジョン。遠藤さんは独自のルートでジョンの同志を直撃。地元での聞き取りを重ね、後藤さんが処刑された現場をはじめて特定。さらに遺体が埋葬された場所も割り出した。処刑前、後藤さんが拘束されていたと推定される施設には、なまなましい拷問のあとが・・。渾身のスクープ取材津田大介さんが突っ込む50分。ご期待ください。》

 FBに載せた放送告知だが、後藤健二さんの処刑現場や埋葬場所を突き止めたのは遠藤さんがはじめてだ。もちろん、さらなる検証が必要だが、遠藤さんの取材映像をチェックした私の心証は、まずこの場所で間違いないだろうというものだ。資金もバックもない個人フリーランスが、独自にここまでディープな取材をしたのはすごいの一言につきる。

 なお、遠藤さんは19歳で大学を中退してベトナムの戦場に飛び込んで以来、世界中の危ない現場を歩いてきたもっとも経験ある国際ジャーナリストの一人。アフガン地雷を踏んで亡くなったフリーの南条直子さんの遺体の埋蔵場所を探し当てたのも遠藤さんで、不幸にも現場で命を落とした同業者の「骨でも拾ってやらないとかわいそう」との思いで、今回も赤字の取材をおこなってきた。義の人である。

 放送は7月23日(月)深夜0時〜0時50分「津田大介 日本にプラス」(テレ朝チャンネル)で。ご期待ください。

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 このところ、ハートネットTVがおもしろい。

「人間を撮る 自分を見つめる〜元町プロダクションの人々〜」(7月12日放送)

https://www.nhk.or.jp/docudocu/program/2272/1716088/index.html

《今年2月、神戸に「一般の人がドキュメンタリーを作るプロダクション」が誕生した。メンバーは20代から80代までの主婦や学生など約25名。主催するのは数々のドキュメンタリーを手掛けてきた映画監督池谷薫さん。「何を撮りたいのか、どうして撮るのか」問いかけられながら、撮影に臨むメンバーたち。そこには震災で娘を喪った夫婦や、カメラを通して母と向き合おうとする娘がいた。彼らが撮影の先に見つけたものとは。》

 私は、池谷さんの『延安の娘』(2002年)を観て以来のファンでお付き合いさせてもらっている。2006年には日中戦争中国に送られた元日本兵の物語『蟻の兵隊』を、2013年には東日本大震災で息子を亡くした年老いた父親が自力で家を再建する『先祖になる』を世に送り出し、3年前はチベット人の焼身自殺をテーマにした『ルンタ』が公開された。http://d.hatena.ne.jp/takase22/20150824

 池谷さんからのメールには、「番組のタイトル『人間を撮る 自分を見つめる』は、僕がドキュメンタリーをつくる上で、いつも自分に言い聞かせている言葉です。「他者にカメラを向けることで自分を見つめる」「カメラがあるからこそできることがある」そんな命題に真摯に向き合ったこの番組を、一人でも多くの人にご覧いただきたいと願っています。」とあったが、登場人物と一緒に、撮影することにどんな意味があるのかを考えさせられる、すばらしい番組だった。

 きょう観たのは、ハートネットTV「ひとりひとりに向き合って〜写真家・大西暢夫が撮る精神科病棟〜」

https://www.nhk.or.jp/docudocu/program/2272/1716097/index.html

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写真家・大西暢夫さん(50)は、18年前から全国の精神科病棟の入院患者を撮影している。統合失調症などの患者の、生き生きとした表情やありのままの生活を収めた写真の数々。撮影では一人一人に声をかけ、会話をしながらシャッターを切る。病気について聞くことは少ない。最後まで病名を知らない人もいる。「病気の○○さんではなく、その人本来の人間らしい姿や表情をとらえたい」とシャッターを切る大西さんの日々を追った。》

 番組のはじめ、精神病院の中にカメラがどんどん入っていき、モザイクなしで患者さんたちが登場。これには驚いた。たくさんの精神病の人が素顔を晒すのは、映画『精神』(想田和弘監督)しか観たことがない。大西さんは18年という長きにわたって信頼関係を築いてきたことを知り、やっと理解できた。番組に、入院期間がなんと60年という人が登場した。その間一度も病院の外に出ていないという。大西さんは考える。患者さんを忌避し危険視する私たちが、世界に類を見ない患者さんの長期入院を作りだしているのではないかと。そして我々に迫る。「治すべきは患者か、私たちか」。

f:id:takase22:20180720004752j:image:w200:right 懐かしくなって大西さんデビュー作『僕の村の宝物〜ダムに沈む村 山村生活記』を本棚から取り出した。この映画と本も素晴らしかったなあ。節を曲げずに、いい仕事をしていることを知り、励まされた。それにひきかえ、自分はちゃんと仕事をしているのか?

 26日に再放送があるので関心がある人はどうぞ。

2018-04-11 本件は首相案件

f:id:takase22:20180411112953j:image:w200:right 午前、NHKへ。雨が上がって、となりの代々木公園の緑が美しい。ツツジも咲きだした。

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 加計学園獣医学部新設問題をめぐりNHK朝日新聞東京新聞が補い合うようにしてスクープを放った。愛媛県今治市の担当者と学園事務局長が2015年4月2日に内閣府の藤原豊・地方創生推進室次長と柳瀬唯夫首相秘書官と面会した記録文書が存在することを報じた。藤原次長は「要請の内容は総理官邸から聞いており」「政府としてきちんと対応していかなければならない」と、また柳瀬秘書官は「本件は、首相案件」と言ったと記録されている。

 きょう午後はテレビをつけっぱなしにしていたが、安倍首相はまともに答えようとしない。これを乗り切れば、バカな国民はすぐに忘れるだろうと思っているのか。

 文部科学省の前川喜平前事務次官は、10日、参院議員会館内で記者団の取材に応じ、次のように述べた。

 「かなり決定的な内容です。2015年4月2日の時点で、すでに“加計ありき”で“加計隠し”が始まっていることを示す資料です。4月2日の会合で政府側は、構造改革特区はあきらめて国家戦略特区に切り替えましょうと提案しています。国家戦略特区ではじめから加計学園獣医学部をつくらせるためにすべてのお膳立てをしていたことが分かります。

 また首相の意思表示がなければ「本件は、首相案件」などと絶対に言わない。首相秘書官は、事前に首相の了解や指示がなければ官邸で客と会いません。首相秘書官官邸で会うということは首相の名代ということです。後で首相に報告もします」

 官僚の言葉だけに説得力がある。首相が記録文書についてコメントする立場にないとしてまともに答える気がないのだから、もう加計孝太郎氏はじめ、関係者を国会で喚問し、徹底解明するしかない。自民党内の割れ具合や週末の国会前の集会の規模などが気になる。いつ安倍内閣を倒せるのか。

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 うわ、きれいになったな!

 日本選手権日本新記録を連発した池江璃花子さん。テレビには見違えるような彼女が映っていた。17歳。脱皮するように、急に美しくなったと感じる。人柄の良さも表情にあらわれている。ますますの活躍を。

2018-04-09 毎日がモグラ叩きを見るような

f:id:takase22:20180408100759j:image:w280:right きのうは晴れたので、いつも散歩する「お鷹の道」へ。何軒かの農家が売店を開いていて、タケノコとノラボウを買う。ノラボウとは「東京都西多摩地方(あきる野市青梅市等)及び埼玉県飯能市比企郡小川町付近で多く栽培されるアブラナ科アブラナ属の野菜」(Wiki)で、江戸時代から植えられるようになったという。このお浸しが好きだ。山形の田舎では菜の花をクキタチと呼んでいたのを思い出す。

 農家の庭の八重桜が見事な花をつけていて、みな足を止め上を仰いでしばらく見とれていた。

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 月は卯月、節気は清明万物が清らかでいきいきした様子を表す「清浄名潔」(せいじょうめいけつ)という言葉を訳した晩春を表す季語だという。とはいえ、今年の春は急に夏日になったり、震えるほど寒くなったりと驚かされ、惜春の風情はあまり感じない。さっき、岐阜県郡上八幡の仲間とオンラインで会議をしたのだが、きょうの入学式の風景が珍しかったという。桜が早くに散ってしまった一方で、きのう季節外れの大雪が降って雪中の白い入学式になったとか。「こんなの初めて」だそうだ。

 さて、候だが、5日からが初候の「玄鳥至」(つばめ、きたる)。10日からが次候の「鴻雁北」(こうがん、かえる)。末候は15日からで「虹始見」(にじ、はじめてあらわる)だ。南からツバメがやってきて、雁がシベリアへと帰っていく。人も別れと出会いのときだ。

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 森友学園加計学園自衛隊の日報と、次から次に「ウソ」がばれてきた。

 毎日がモグラ叩きを見るような (朝日川柳7日より 東京都 安達雅夫)

 一見モグラ叩きに見えるが、実はモグラ官僚をいくら叩いても核心には迫れない。問題は何のためにこういう「ウソ」をついてきたのかだ。官僚が勝手にやったはずがないではないか

 森友学園問題では、きょう財務省理財局長の太田充氏が、昨年2月に理財局員が学園の弁護士に電話して、地中のごみの撤去について「トラック何千台も走った気がするといった言い方をしてはどうか」と虚偽の説明をするよう求めていたことを認めた。

 この虚偽の口裏合わせは、NHKが4日に報じたスクープだった。

森友学園に国有地がごみの撤去費用などとして8億円余り値引きされて売却された問題で、去年2月、財務省が学園側に口裏合わせを求めていた疑いが出てきました。当時、国会財務省野党側から「実際に大量のごみの撤去を確認したのか」などと追及されていましたが、そのさなか財務省職員が学園側に対し「トラックを何千台も使ってごみを撤去したと言ってほしい」などと、うその説明をするよう求めていたことが関係者への取材でわかりました。大阪地検特捜部はこうしたやり取りを把握していて詳しい経緯を捜査しています。》

 きょうの太田局長の答弁ば、この報道財務局が糊塗できないとして、全面的に認めたかっこう。その一方で、NHK報道局では政権に不利な報道をしないよう現場に圧力をかけていたことが国会で暴露されている。

 3月29日の参院総務委員会で、共産党山下芳生議員が「NHK関係者からの内部告発と思われる文書が届きました」と切り出し、その内部告発を読み上げた。

「『ニュース7』『ニュースウオッチ9』『おはよう日本』などのニュース番組の編集責任者に対し、NHKの幹部が森友問題の伝え方を細かく指示している」

「トップニュースで伝えるな」

「トップでも仕方がないが、放送尺は3分半以内」

昭恵さんの映像は使うな」

「前川前文科次官の講演問題と連続して伝えるな」

 ニュースの項目選択、出す順番、長さ、伝え方、表現など細かく指示していたというのだ。

 先日、NHKのOBと会う機会があったが、彼によると、NHK内部でいま激しいせめぎ合いが進行中だという。メディアの動向は、今の政局に決定的な影響を与える。注視したい。

2018-04-05 放送法改悪の弊米に見る

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 おにぎりを持って出社。お昼は外でとオフィスの近くの公園へ。弁当持参の勤め人がけっこういてベンチはほぼ埋まっている。みな、一人で静かに食べている。おにぎりを頬張っていると、肩にぽとんと何か落ちてきた。見上げると葉桜になった大木が。落ちてきたのは桜の花しべだった。4月あたまの春冷えなのに晩春の趣だ。

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 きょうは午後4時から上野公園で開かれた「主権者が政治を変える!さくら祭り」という集会に行った。ステージには大きく「安倍内閣総辞職せよ!」の文字。主催は「森友・加計告発プロジェクト」や「高江と辺野古を守りオール沖縄と連帯する会:」などの市民団体だ。メインスピーカーには、米軍基地建設などの反対運動で何度も逮捕されている山城博治氏(沖縄平和運動センター)や東京新聞の名物記者、望月衣塑子氏など。労組も政党代表も登場しない。裏方に若い人の姿が目立つ。

 歌あり、踊りあり。「安倍はやめろ」「いますぐ辞めろ」・・シュプレヒコールはみなラップで唱和する。私にとっては新鮮である。 

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(アイドルグループ「制服向上委員会」。一番若いメンバーは15歳だとか)

 ただやはり、参加者には私の世代より上が多い。どうやって若い人たちがもっと行動に立ち上がっていけるかは依然として大きな課題だ。韓国や台湾、香港などの若者の動きを知るにつけ、日本はまだまだだなという思いがつのる。でも、ここから始めるしかない。

 安倍内閣総辞職を求めるデモが4月22日(日)13時から新宿西口で、27日(金)19時半からは国会正門前で大包囲デモがある。安倍内閣の支持率が持ち直してきたいま、どのくらいの規模になるか注目したい。

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放送法改悪の弊米に見る  (三重県 山本武夫)

安倍ちゃんが欲しいはこれか「シンクレア」 (神奈川県 朝広三猫子)

 安倍首相が放送法4条をはじめとする放送規制撤廃の動きを見せている。

 これまで、安倍内閣は、放送法4条の“政治的公平”を盾にテレビ局に圧力をかけてきたが、その方針から一転して、これをとっぱらうというのだ。

 その狙いは、トランプの真似をすることでは、とメディア関係者は警戒している。アメリカでは、政治的公平の原則が取り払われ、露骨な政治性がメディアに持ち込まれている。

 3月、アメリカである系列の地方局が一斉に、CNNなどトランプ大統領の思いのままにならないメディアを批判するという「事件」が起きた。

《「一部のメディアは、虚偽の記事を点検もせずに流している」「民主主義にとって極めて危険だ」

 3月、全米の地方テレビ局のキャスターが一斉に、同じ文言の「フェイクニュース」批判のメッセージを読み上げ始めた。だが、その表現は、トランプ米大統領による主要メディア攻撃に酷似していた。米メディアによると、メッセージは、米国で最大の193局を保有し、保守系で知られるメディア企業「シンクレア」が読み上げるよう強制したものだった。》(4日、朝日新聞)

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 新自由主義を徹底すると全体主義になるのか。安倍首相は以前からメディアに手を突っ込みたくてしょうがない。あぶない、あぶない。

 そんなとき、NHKが安倍政権につごうの悪いスクープを連発している。

 何が起きているのか。

(つづく)

2018-03-21 忖度を強いた安倍氏

f:id:takase22:20180320130756j:image:w200:left きのう、今日と冷たい雨が降る。きょうは春分の日というのに、東京の最高気温は7度に届かなかったという。

 仕事の打合せに代々木公園へ。

 地下鉄の駅から地上に出ると、目の高さに桜の花が見える。幹にくっつくように咲いている。しばらく歩くと、馬酔木が濡れて咲いていた。

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 佐川氏の国会への喚問が決まったが、政府は、佐川氏が勝手に「忖度」したことにして問題をおしまいにしようとするだろう。ジャーナリストの武田徹氏は、安倍首相の同じような過去の所業を見ておくべしとして、内閣官房副長官だった安倍氏が、放送前のNHKドキュメンタリー番組に政治的圧力をかけて放送内容を改ざんさせた「NHK番組改変問題」を挙げている。これをみると、忖度とは自由意志で行なわれる場合だけでなく、圧力によって忖度を強いる手法もあることが分かる。

 問題の番組は、2001年1月30日に放送された「ETV2001」の『問われる戦時性暴力』。放送直前、NHKの放送総局長らが安倍氏らに呼びつけられ、番組内容が急遽大幅に変えられてしまった。

財務省にも同じ手法を? 安倍首相が17年前、NHKに「忖度による改ざん」をやらせたときの狡猾な手口』http://lite-ra.com/2018/03/post-3870.html

《(略)このとき番組に圧力をかけた国会議員というのが、当時の官房副長官だった安倍晋三・自民党幹事長代理と中川昭一経産相であったことを、番組放送から約4年後の2005年1月12日、朝日新聞スクープとして朝刊一面で大きく報じたのだ。さらに、朝日のスクープの翌日には、問題の番組の担当デスクで、当時、NHKの現役チーフプロデューサーだった長井暁氏が異例の記者会見を開き、涙を浮かべながら「4年間、悩んできたが、事実を述べる義務があると決断した」と語り、放送総局長らが安倍・中川議員に呼び出されたと認識していること、「政治介入が恒常化している」ことを告発した。

 しかも、朝日は安倍らが圧力をかけたことを裏付ける証言をNHK放送総局長から得ていた。圧力をかけられた放送総局長自身が安倍・中川両氏との面会時のようすを仔細に語っており、その録音テープも残されていた。このテープは後にジャーナリストの魚住昭氏が「月刊現代」(講談社)で明らかにしているのだが、そこには、放送総局長が安倍について語ったこんなセリフが出てくる。

 「(安倍)先生はなかなか頭がいい。抽象的な言い方で人を攻めてきて、いやな奴だなあと思った要素があった。ストレートに言わない要素が一方であった。「勘ぐれ、お前」みたいな言い方をした部分もある」

 「勘ぐれ、お前」──。安倍がNHK放送総局長に語ったというこの言葉は、まさに「忖度」を促す言葉ではないか。

 この安倍の忖度圧力は裁判でも事実認定されている。NHK番組改変問題は、同番組の取材を受けた市民団体が NHKを相手取って訴訟を起こしているのだが、その控訴審判決文ではこんな事実認定が書かれているのだ。

 「制作に携わる者の方針を離れて、国会議員などの発言を必要以上に重く受け止め、その意図を忖度し、当たり障りのないよう番組を改変した」

 いずれにしても、安倍首相が、この頃から政治権力を盾に「忖度」を促す言葉で圧力をかけ、いろんなものを捻じ曲げていたことは間違いない。そして、こうした手法が、後の加計学園問題における「総理のご意向」という言葉を生み出し、森友決裁文書改ざんでは、当時の佐川理財局長に犯罪をはたらかせたということなのだろう。(以下略)》

 安倍という人は、こういう手法が「体質」となっているのかもしれない。

 佐川氏は喚問されても、「刑事訴追の可能性がある」として詳細を語らないだろうというのが大方の見方のようだ。だが、NHKの長井暁氏のように、「事実を述べる義務があると決断した」と立ち上がってくれないかなと夢想している。