高世仁の「諸悪莫作」日記

2018-07-16 石川文洋さん、宗谷岬をスタート

f:id:takase22:20180715155232j:image:w270:right きのう今日と酷暑がつづく。暑いなか、自転車をこいで10キロ先の西東京市の団地に向かう。無趣味な母親が一日自宅にいて退屈しているだろうから、顔を見に行こうと思ったのだ。毎回、違った道を通るようにしていると、ちょっと心惹かれる風景に出合ったりする。気が向いた道を自由に走れるのが、自転車の楽しいところである。

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 変形菌探しに行った14日の写真をFacebookに挙げたので、関心のある方はどうぞ。

https://www.facebook.com/hitoshi.takase.75

 変形菌については勉強中なのでいずれ書くが、顕微鏡でのぞくととてもカラフルで美しい世界である。はまりそう。

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 写真家石川文洋さんは1週間前の9日、北海道宗谷岬から日本縦断の旅をスタートした。文洋さんは、共同通信に週一で旅日誌を連載するという。

 復刊された文洋さんの『戦場カメラマン』のページを繰ってみる。遥か昔に読んだ記憶はあるが、内容を忘れているので新鮮である。

 1,964年4月、世界一周無銭旅行のため、文洋さんは日本を出発した。当時は若者にとって海外旅行は手の届かない世界である。沖縄からボリビアへの移民団を乗せた船に(沖縄南米への移民志願者が多かった)運よくタダで乗船させてもらい、香港に向かったときに持っていたお金はたった27ドル。香港で何とか稼ぐしかない。たまたま紹介してもらったカメラスタジオでアルバイトをしていたら、ベトナム行きの仕事が割り振られ、8月に生れて初めて飛行機に乗った。これがベトナムのかかわりのきっかけだというのだから、人生は分からない。

 文洋さんを日本から飛び出させたものは、日本で生きることへの絶望感だった。その延長だったのか、戦場に出ることにもためらいはなかったようだ。

 《日本にいたときの、あのからだがおしつぶされるような重圧力のある、東京の雰囲気の中で、自己を失うまいと悩み、針の山をころげまわるような心の痛みと、その後にくるポッカリと胸に穴のあいたような、あのむなしい失恋の苦しみ、私はその中から、はいずるようにしてのがれてきた。だから私には、東京での生活には耐えることができなかったのだという敗北感があり、その気持ちをうち払うように戦場へ出て取材をした。」(P54)

 文洋さんはベトナム戦争を書いているのだが、そこここに「沖縄」が顔を出す。生れは首里で4歳まで育ち本籍沖縄だ。1966年沖縄出身の米軍兵士、土池(どおいけ)敏夫一等兵取材している。まだ19歳の若さだった。兵役につくと、米国市民権を早く取れるので志願したのだという。文洋さんとのやり取り。

《―沖縄で仕事をする気はなかったの?

「基地ばかりの沖縄生活するなんて、もうたくさんだ。ぼくの父は米軍につとめて、一家生活をみてくれたのだけれど、基地がどんどん大きくなるのはほんとにいやだった。そんな沖縄にいて、どんなまともな仕事ができるんだい。ぼくは将来どうしたらいいのか、全然希望が持てなかった。だれに聞いたって、教えてくれなかった。・・」》(P236-237)

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 土池さんは悩み、絶望して、入隊を決断したのだった。当時は日本本土米軍基地が、どんどん沖縄に移転されていく時期で、施政権返還前で、東京に行くのにも米民政府の許可証を取る必要があった。

《―それじゃ、基地のきらいな君がどうして入隊なんかしたの?

沖縄から離れて世界へ出るには、これが一番の早道なんだ。兵役の三年間だけ歯をくいしばって辛抱すれば、あとは自由だもの」

 沖縄から離れて自由生活するために、彼はベトナムで戦っている!「沖縄」を捨てて、その代わりに「自由」を手に入れようとしている!(略)今までに、これほど切実な自由という言葉を聞いたことがない。》(P239-240)

 一緒にベトナム米軍基地ビールを飲みながら、今度の休暇には沖縄のおばあさんや友人に会いたいといい、家族に見せたいから写真を送ってくれと言って別れた土池さんは、その2ヵ月後、カンボジア国境での解放軍との激戦で戦死してしまう。土池さんはおばあさん子で、その家は偶然にも、文洋さんのお父さんの家のすぐそばだった。文洋さんが土池さんの死亡を伝えると、土池さんが生き甲斐だったおばあさんは取り乱し、後を追って死ぬと泣いたという。

 沖縄では、第二次世界大戦米軍上陸で、島の形が変わるほど弾薬を撃ち込まれ、12万人以上の県民が死亡した。文洋さんはベトナムの戦場を見ながら沖縄を思い出すことがたびたびあったという。

 

 文洋さん、65歳のときも日本縦断をしており、その時は一日平均30キロ歩いたが、今回はセーブして20キロ弱にしているそうだ。それでもこの暑さ。まだ北海道とはいえ体調に注意して歩いてほしい。いま、文洋さんは「基地のない沖縄を」などと書かれたTシャツを着て歩き続けている。

2018-07-14 人権批判を金で黙らせる中国

 日曜放送の「情熱大陸」の納品をきのう済ませたので、土曜のきょうは一日自然の中ですごした。

 朝10時から「玉川上水で変形菌を探そう!」というイベントに参加して、小平中央公園で地面をはいつくばって葉っぱや枯れ枝をひっくり返して「変形菌」さがし。変形菌とは「変形体と呼ばれる栄養体が移動しつつ微生物などを摂食する“動物的”性質を持ちながら、小型の子実体を形成し、胞子により繁殖するといった植物的(あるいは菌類的)性質を併せ持つ生物」(wikipedia)で、南方熊楠の研究で知られる。このイベント、探検家の関野吉晴さんがやっている「地球永住計画」の主催で、私もよく知らないで参加したのだが、カビやキノコと見分けがつかず、探すのに苦労した。https://kokucheese.com/event/index/473318/

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 でも、ヤブのなかに分け入ると、でかいガマガエルに遭遇したり、羽化してこれから飛び立とうとするヒグラシを見たりとおもしろい時間をすごすことができた。変形菌の世界は奥深く、またあらためて書こうと思う。

 朝からとても暑く、汗まみれになったので、いったん帰宅してシャワーを浴び、夕方、かみさんとあきる野市「横沢入り」へ。20年以上欠かしたことがないホタル狩りだ。いつもは6月末に行くのだが、今年はなかなか都合がつかず、これまでで一番遅くなってしまった。いつものポイントに行くと、誰もいない。例年なら、土曜の夜は親子連れなどでにぎわうのだが。やはり、遅すぎてホタルは見られないか・・。

 しかし、心配は無用だった。ホタルの点滅する光のなかで1時間ほどもの思いに浸った。この1年で亡くなった人たちを偲びながら。ホタル狩りは、私にとって、お正月より大きな1年の節目である。また、来年来れるだろうか。

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 中国最先端技術の導入のスピードの速さはそれなりに知っていたつもりだったが、先日、中国のネット通販の記事を読んでうなってしまった。

 北京の北西部にある、中国有数の名門大学・中国人民大学。構内を4輪の付いた箱がのろのろと進む。中国のネット通販サイト「京東商城(JD.com)」を運営する中国最大の小売事業者、京東集団の無人配達車だ。

 GPSやセンサーを頼りに決められた経路を進む。人が近づくと衝突を避けるため止まる。学生寮の前に着くと、商品を注文した人のスマートフォンに通知が行った。寮から出てきた学生が、スマホに表示されたコードを車の側面にある液晶表示に打ち込むと、箱の扉が開き、注文した荷物が出てきた。「とても便利」と学生は満足げだ。

 京東集団は、これまで人力だった学内の集配拠点から顧客への配達無人化している。現場で30分待機し、再配達も可能だ。6月からは、大学の外でも無人車による配達を始めた。

 物流自動化を急速に進め、商品の配送スピードを速めて、コストを引き下げている。陝西省などの人が少ない地域では、集配拠点までの配送ドローンを使うことで高速化と効率化を実現。現在、荷物を10トンまで積める新機種を開発中だ。自動運転トラックの研究も進めている。

 上海にある同社の倉庫「アジア1号」では、四角いロボットが床をはい回る。商品を積んだ棚の下に入り、持ち上げては検品する社員のもとに運ぶ。出荷前の荷物を一時的に集める一角は完全に無人だ。・・・》(朝日新聞7月4日朝刊)https://www.asahi.com/articles/ASL7264WML72UHBI01X.html

 まるでSFの世界のようだ。この京東、1998年わずか4平方メートルの店舗で創業されたベンチャー企業で、14年には米NASDAQ上場。いまでは「中国アマゾン」と呼ばれ、巨人アリババ」と肩を並べるまでになった。

 遠くない将来、経済規模でも米国を抜き、外交的・軍事的にも超大国として圧倒的な影響力を持つようになるだろう。

 その記事の紙面をめくると、そこには「中国人権派弁護士への圧力巧妙化 拘束よりも登録抹消」の見出しの記事がある。2015年7月9日から2カ月間で、中国各地で人権弁護士人権活動家など約320人がたて続けて勾留・逮捕された「709事件」から3年になる。弁護士らへの圧力は続いているが、当局はより巧妙な手法を使い始めているという内容の記事だ。

 中国については、現代化で群を抜く勢いをもつという面と、人権の厳しい抑圧が続く、いやむしろ抑圧が厳しさを増している面との両方に目配りをすべきだろう。

 中国はその経済力を背景に、途上国ばかりか先進国の政策決定にも影響を拡大している。例えば、ギリシアでは経済危機につけこんで中国企業ピレウス港という拠点港湾を買い取った。去年6月、EUが中国人権侵害批判する声明を出そうとしたとき、ギリシャが反対したため、初めて見送られたという「事件」があった。http://news.livedoor.com/article/detail/13266575/

 中国ギリシャだけでなく、欧州各国の企業や資産を次々と買収しており、先端技術を失うこととともに中国人権問題への批判ができなくなることを憂うる声が出ている。

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 ノーベル平和賞を受賞した中国民主活動家で作家の劉暁波氏(去年7月死亡)の妻、劉霞氏が、8年間に及ぶ実質的な軟禁状態を解かれて出国し、10日ドイツに到着したというニュースがあった。何の罪にも問われていない劉霞氏を解放するよう求める声が国際的にも高まっていたが、ドイツ政府が粘り強く交渉して今回の出国がもたらされた。

 一時期、劉霞氏が日本に来る希望をもっていたと報じられたこともあった。日本政府は劉霞氏の処遇についてどんな対応をしてきたのか。

 今回のカンボジアでの選挙に見られるように、中国という存在が世界の人権状況に大きな影を投じる時代になったことを踏まえ、中国人権問題に対しては主要国が原則的な姿勢をくずさないで批判していくことが、いっそう重要になっていると思う。ドイツに学びたい。

2018-07-10 独裁者のための選挙を支援する日本

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住宅のそばに巨大なヒマワリ

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陽光の中のサルスベリ

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1300年前に建てられた武蔵国分寺の跡

 きょうは東京は真っ青な「夏休みの空」が広がっている。

 雨は必要だし、とても重要なのは分かるのだが、やはり晴れた青い空は、見るだけで心が晴れる。晴れた日は遠くまで視界がきくことにより、狩りで獲物を得たり、敵の存在を遠くから認識することができるので生存可能性が上がるのが青空を好むようになった理由だと聞いたことがある。それよりもっと根底的な理由として、空の青は、生物が生きていいよという青信号である。http://d.hatena.ne.jp/takase22/20160417

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 今回の豪雨被害で、仁藤夢乃さん(女子高生サポートセンター代表)が、「被災地で女子中高生に喜ばれたもの」を発信している。さすが現場を知っている人ならではの助言だ。(ちなみに夢乃さんは、私が会ったなかで、「本物だな」と尊敬する一人である)

 西日本豪雨被災した地域の中高生、家族が安心できる存在でなかったり頼れなかったりする家庭の子どもたちが心配だ。

 東日本大震災熊本・大分地震のときも避難所を回り中高生に声をかけたが、普段Colaboのシェルター自由に女の子たちかもらえようにしているものが被災地でも喜ばれた。

 ‪生理用品、中高生向け下着・サニタリーショーツ、ハンドクリーム、リップクリーム、洗顔化粧水乳液ヘアピン、ヘアゴム、くし、鏡、制汗剤、汗ふきシート、日焼け止め、シェーバー(共同生活の中で眉毛や体の毛が気になる)、ポーチ、ハンカチなど。

 生理用品や下着は、避難所でももらえる場合が多いけど、物資の配布を地域のおじさんや知り合いの男子が担当していたりすると、貰いづらい。大人たちの勢いに押されて受け取りに行くのをためらったり、みんな大変なんだから…と我慢して、欲しくても言えなかったりしたそうだ。

 鏡は割れたので欲しかった!という子が多く、買い足して避難所をまわった。リップ、ヘアピン、ヘアゴム、くしなども、あると助かるし清潔を保つことにも。お風呂にも簡単に入れないだろうし、夏だから汗ふきシートも喜ばれると思う。

https://ameblo.jp/colabo-yumeno/entry-12389761455.html

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 カンボジア選挙が問題になっている。下院選(定数125)の選挙運動が7日始まったが、去年の地方選挙で4割超の得票で与党を脅かした「救国党」を弾圧し、つぶした上での選挙なのだ。

 「最大野党だったカンボジア救国党が昨年解散に追い込まれており、フン・セン首相与党カンボジア人民党が29日の投開票で圧勝するのは確実な情勢だ。政権批判票の受け皿が事実上なくなった選挙の在り方に国際的な批判が高まっている。公平性が揺らいだ選挙で、どの程度の投票率を記録するかが焦点だ。

 米国欧州連合(EU)は選挙支援の停止を決めているが、内戦からの復興に深く関与してきた日本は投票箱提供などを続けている。」(共同)

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 河野太郎外相は、4月8日、カンボジアでフン・セン首相会談し、公正な選挙を働きかけた、そうだ。北朝鮮には「人権」「人権」と言っておきながら、こっちでは独裁政権を擁護。日本の外交に戦略はあるのか。

 フン・セン首相といえば、彼を単独インタビューするため自宅を訪ねたことがあったな。当時は精悍な顔立ちで、国を良くしようとそれなりにやっていた印象がある。兵士らにより厳重に警備された広い屋敷だった。いつかは忘れたが、四半世紀以上前だと思う。その彼も首相になってもう33年、とんでもない長期政権だ。カンボジアの巷では非常に評判が悪く、タクシーでフン・センの名前を出そうものなら、運転手が、中国資本と組んだビジネスで莫大な利権を得ているなどの黒い噂をいくらでも聞かせてくれる。しかし弾圧がひどいから不満をもらすのは酒の席や友人同士の会話だけ。

 このカンボジア政権独裁化は、中国の支援なしには語れない。欧米からいくら批判され、制裁をされても、中国が後ろ盾で支えてくれるから怖いものなし。投資、貿易、援助での中国存在感は圧倒的だ。

 最近、中国国際社会での存在感の大きさが、さまざまな国での独裁化を促進する事例が増えている。アフリカでも国民には鼻つまみもののリーダーが中国バックアップで、いつまでも政権に居座る例がある。

(つづく)

2018-07-07 地球も人の心も病気になっている

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 もう小暑だ。梅雨が終わって夏本番、のはずが各地で豪雨に見舞われている。

 きょう7日から初候の「温風至」(あつかぜ、いたる)。12日からが次候「蓮始開」(はす、はじめてひらく)。末候の「鷹乃学習」(たか、すなわちわざをならう)は18日から。

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 梅雨前線のため、西日本を中心に、記録的な豪雨となっている。気象庁は、福岡、佐賀、長崎、広島、岡山、鳥取の各県に、数十年に1度の大雨が予想されるときに発表される大雨特別警報を出した。被害が拡大し、7日の夜の時点で死者、行方不明者が120人近い。長良川上流に大雨が降り、ご縁のある岐阜県郡上市でも被害が出ているとのニュースに、仲間の安否を問い合わせたら、無事だというのでほっとした。雨の降る地域が移り変わっていくようで、いまテレビでは山形市も大雨の警戒すべき地区に挙げられた。被害がこれ以上広がらぬよう祈ります。

 「過去記録にない」と形容される自然災害が毎年のように起きる。

 あまり報じられなかったが、「気候変動適応法」が6月6日の参院本会議で可決、成立した。地球温暖化に伴う農作物被害や気象災害などを軽減するため、その対策を後押しするもので、年内にも施行される見通し。「我が国において、気候変動の影響がすでに顕在化し、今後更に深刻化する」おそれがあり、さすがに国としても適応策をやらなくてはと認識したわけだ。例えば、漁師に聞くと、網にかかる魚の種類が全然違ってきているという。

 「ゲリラ豪雨」という言葉が出始めたのが1970年代で、2008年には流行語大賞にランクインする。予報が難しい、局地的な豪雨による被害も明らかに増えている。気候が変調を見せているのは明らかだ。

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  昨夜、私も会員になっている「持続可能な国づくりを考える会」で「リローカライゼーション(地域回帰)〜しあわせと持続可能性との接点」という講演をさせてもらったが、冒頭で、今のグローバル資本主義のもとでは地球が病気になるのは当たり前だという話をした。

 例えば貿易でも非常識が常態化している。

 アメリカはビーフの国だと思われているが、年間の貿易量をみると、輸出が90万トンと巨大だが、実は輸入が95.3万トンと上回っている。

 英国では、牛乳の輸出が年間11.9万トン、一方輸入が11.4万トンとほぼ同量の重複貿易が行なわれている。

 ノルウエー沖でとれたタラが中国に輸出され、骨を取り除き切り身に加工されてから再びノルウエーに運ばれていくという場合、そのタラは、まさに地球の裏側と往復するわけである。

 いやいや、よその国のことをあげつらう前に日本が問題だ。フードマイレージ(食糧の輸送距離)の国際比較では世界一である。

国名    総量    国民一人当たり

日本  9002億800万    7093

韓国  3171億6900万    6637

米国  2958億2100万   1051

英国  1879億8600万    3195

ドイツ  1717億5100万   2090

フランス1044億700万  1738

(※単位:トン×キロメートル)

 フードマイレージがの値が大きければ、それだけ輸送でのCO2排出量が多くなり、環境への負荷を高める。

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 先日、日本の一人当たりのプラごみ量が米国に次いで世界2位だと報じられた。考えてみれば、コンビニからモノを買うたびにたくさんのプラクチックを捨てているなあ。ほとんどの商品の包装はプラだし、飲み物には自動的にストローがつく。最後にプラスチック袋に入れて手渡される。このごろ、コーヒーにはフタを被せることでさらにプラスチックの使用量を増やしている。

 この地球が病んでいく過程は、人のこころが病んでいく過程でもあると思う。前回、リストカットする日本の若者が驚くほど多くなっていると書いた。

 世界で1年間に自殺する人は80万人を超え、WHO(世界保健機構)によると、自殺率は、第二次世界大戦以来、60%も増加したという。環境の危機はこころの危機でもあり、そのおおもとはグローバリゼーションだと思っている。麻原らオウム事件の7人が死刑を執行されたか、あの出来事も、大きな文脈では根底にグローバリズムによる実存感の喪失がある。これとどう対峙するか。

 グローバリゼーションと一見対抗するかのように近年ナショナリズムが強まっている。英国がEUから抜け、米国にはトランプが現れた。しかし、グローバリズムと真に対決するのはナショナリズムではない。

(つづく)

2018-07-04 若者の10人に1人が自傷行為経験者

f:id:takase22:20180704083934j:image:w270:left タイのチェンライで行方不明になっていた地元サッカーチームの少年12人と男性コーチ1人の計13人が10日目にして洞窟内で無事発見されたとのニュース。日本の朝のニュースショーでもトップになるほど注目されている。雨のため、出られなくなり、洞窟入り口から5キロも奥に閉じ込められているという。ここからどうやって救出できるのか、雨期が終わる4ヵ月先まで待たなければならないのか。

 フジTV「とくダネ!」に、うちの撮影でも協力していただいた吉田勝次さん(日本ケイビング連盟会長)が洞窟に詳しい人としてコメントしていた。ただ、さすがに問題になっているこのタムルアン洞窟自体には入っていない。

 ところが、タイの田舎にあるこの洞窟に何度も入ったことがあるという日本人がいた。世界を旅して回っている「旅のプロ」で、彼も連日テレビにコメントを求められているそうだ。「たびいちドットコム」を参照されたい。https://tabi1.com/trapped-in-tham-luang-cave

 世の中には実にいろんな人がいるものだなあ。世界は広い。

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 いま、写真家の岡原功祐氏の『Ibasyo〜自傷する少女たち“存在の証明”』という本を読んでいる。「さまざまな経験を背負ってきた5人の女性たちの自傷行為をめぐるフォト・ドキュメンタリー」。

 リストカットの描写は読んでいてつらいが、登場するのは、他人に気を使う優しい子ばかりで守ってやりたくなる。優しい人ほど居場所がなくなる世の中なのか。

 自傷行為は、1960年代に米国で確認されはじめ、特に若い女性のリストカットが世界的な社会問題になってきた。 1970〜80年代、日本でも認知されるようになり、現在では、少なくとも1度は自傷行為を経験した人は、日本の若者で10人に1人(9.9%)いるという。とくに16–29歳の女性は15.7%にも及ぶ。(わが国における自傷行為の実態 2010年度全国調査データの解析)https://www.jstage.jst.go.jp/article/jph/59/9/59_665/_pdf

 この多さに驚いたが、若い人に聞くと、そのくらいだろうという。

 6日の講演では、このことにも触れて、いまの文明では「こころ」も限界にきていることを語ろうと思う。

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 カンボジアの絹絣(きぬがすり)を復活させた森本喜久男さんが、去年7月3日に亡くなって1年が経った。はやいものだ。

 IKTT(クメール伝統織物研究所)のフェイスブックを見ると、森本さん亡きあと、元気に新たな歩みをする人々の姿を知ることができる。伝統は守るものではなく創るものという森本さんの教えを実践しているのがうれしい。

https://www.facebook.com/iktt.kh/

 森本さんは、リストカットする日本の若者に何と言葉をかけるだろう。もっと自由に肩の力を抜いて生きられる世の中であってほしい。