あれぐろ・こん・ぶりお 2楽章

備忘録も兼ねて。日記なんて小学生の時宿題で課された1年間しか続かなかったのですが、負担にならないように書けば続くものですね。

東京都交響楽団 第665回定期演奏会

6月25日 会場:東京文化会館

指揮:クシシトフ・ペンデレツキ
ホルン:ラドヴァン・ヴラトコヴィチ

ペンデレツキ:弦楽のための小交響曲
ペンデレツキ:ホルン協奏曲『ヴィンターライゼ』(日本初演
メンデルスゾーン交響曲第3番 イ短調スコットランド』 op.56

 現代作曲家の中では名前の知られた存在であるペンデレツキ自身による、自作の演奏&メンデルスゾーンの演奏。作曲家が古典をどのように解釈するのかという点でも興味深かった。何故メンデルスゾーンなのか、とも思ったけど。

 まず、自作のペンデレツキから。
 ペンデレツキはかつては前衛だったが、現在の自身の立ち位置的にはネオ・ロマン主義なんだという。ただ、ネオ・ロマン主義って今ひとつ良く分からない。調性、旋律、伝統形式など、これらは全てネオ・ロマン主義の必要条件なのか十分条件なのか良く分からないし。
 書法上の問題については、楽譜を見たわけではないし、専門家でないから全然分からないけど、客席で聴いた感じとしてはヒンデミットバルトークショスタコーヴィチなんかを想像してしまった。感覚としては「あー、そんな感じか」的に思ってもらえればいいと思う(本当か?)。

 ホルンのヴラトコヴィッチはさすがに上手い。ソリストってこんなに上手いんだ、と感心した。前回、シューマンの4本のホルンのための協奏曲聴いたけど、一回り以上、上手いなぁ、と。さすがプロフェッショナル。

 付け加えとしては、無くなった千葉馨さんへのオマージュとして、メシアンのホルンのソロ曲をアンコールで吹いてくれた。

 メンデルスゾーンは、非常に良かったですよ。
 この曲、クレンペラー盤が誉れ高く、たしかにムード的に流されがちなメンデルスゾーンを精神美にまで高めているのは間違いないけれど、あそこまでやならくても、もっと聴く愉しさみたいなものがあって良いんじゃないかという気がする。
 それでいうと、ペンデレツキの指揮はそのバランスが見事にとれていたと思う。ハッキリ言えば、「この曲こんなに良い曲だっけか?」と思わせる演奏だった。スコットランド再発見、みたいな(笑)。

 ダイナミクスの取り方、2楽章(指定はヴィヴァーチェ・ノン・トロッポ)のテンポ感。3楽章はあたかもスコットランドの情景がイメージが浮かび上がってくるようアダージョ。終楽章にも当てはまる、スケールやテンポ感。
 カラフルな音色を愉しむような演奏ではなかったけれど、ドイツ・ロマン派の作曲家としての位置づけを認識するような、良い演奏だった。