あれぐろ・こん・ぶりお 2楽章

備忘録も兼ねて。日記なんて小学生の時宿題で課された1年間しか続かなかったのですが、負担にならないように書けば続くものですね。

笠原十九司『南京事件論争史―日本人は史実をどう認識してきたか』 (平凡社新書)

事件発生当時より外務省電文で、また現地司令官の手記で、NYタイムズで、そして東京裁判の検察側、被告側(どちらも)・・・と事件の存在自体は疑い得ない「南京事件」をめぐる否定派と歴史研究者との論争の丁寧に紹介したモノだ。とはいえ、否定派は資料の改竄はじめとして「歴史学」の体を為していないが、ドイツにおいてもホロコースト否定論があるから歴史論争とは別のフェーズでも考える必要があるのだろう。相変わらず「どっちもどっち」的な議論がされるが、専門家による歴史書1冊読めばそれがいかに外れた見方かが分かるのではあるまいか。