2014-08-19 笠原十九司『南京事件論争史―日本人は史実をどう認識してきたか』 (平凡社新書) 読書 南京事件論争史―日本人は史実をどう認識してきたか (平凡社新書)作者: 笠原十九司出版社/メーカー: 平凡社発売日: 2007/12/01メディア: 新書購入: 2人 クリック: 200回この商品を含むブログ (26件) を見る事件発生当時より外務省電文で、また現地司令官の手記で、NYタイムズで、そして東京裁判の検察側、被告側(どちらも)・・・と事件の存在自体は疑い得ない「南京事件」をめぐる否定派と歴史研究者との論争の丁寧に紹介したモノだ。とはいえ、否定派は資料の改竄はじめとして「歴史学」の体を為していないが、ドイツにおいてもホロコースト否定論があるから歴史論争とは別のフェーズでも考える必要があるのだろう。相変わらず「どっちもどっち」的な議論がされるが、専門家による歴史書1冊読めばそれがいかに外れた見方かが分かるのではあるまいか。