レイモンド・ウィリアムズ研究会 ワークショップのお知らせ

コメンタリー担当者など、さらなる詳細は近日中にお知らせします。

詳細追記しました(9月6日)。

2013年度 第三回 レイモンド・ウィリアムズ研究会 ワークショップ

わたしたちの文化をどうするか
――変化と連続性からみるイギリス社会――

日時:2013年9月28日(土)14:00〜17:30
場所:東洋大学(白山キャンパス)8号館第二会議室


プログラム

14:00〜14:15 本ワークショップの趣旨について「わたしたちのコモンな目的とは何だったか?」(仮題)大貫隆史(関西学院大学)・河野真太郎(一橋大学

14:15〜14:45 コメンタリー(1) 阿部潔関西学院大学

14:45〜15:15 コメンタリー(2) 杉本裕代(東京都市大学

15:15〜15:45 コメンタリー(3) 三村尚央(千葉工業大学

15:45〜16:15 休憩

16:15〜17:30 著者を囲んでのディスカッション

司会:遠藤不比人(成蹊大学


ワークショップの趣旨

本ワークショップの当面の出発点となるのは、今年立て続けに出版された以下の書物です。

川端康雄『葉蘭をめぐる冒険――イギリス文化・文学論』(みすず書房、2013年)
山田雄三『ニューレフトと呼ばれたモダニストたち――英語圏モダニズムの政治と文学』(松柏社、2013年)
河野真太郎『〈田舎と都会〉の系譜学――二〇世紀イギリスと「文化」の地図』(ミネルヴァ書房、2013年)
大貫隆史・河野真太郎・川端康雄編著『文化と社会を読む 批評キーワード辞典』(研究社、2013年)

葉蘭をめぐる冒険―― イギリス文化・文学論

葉蘭をめぐる冒険―― イギリス文化・文学論

文化と社会を読む 批評キーワード辞典

文化と社会を読む 批評キーワード辞典

 これら四冊の書物は、いわゆる「英文学者」によって執筆・編纂されたものですが、特徴的にも、「文学作品」を真っ向から論じることがその中心に据えられてはいません。むしろ、これらの著作は、文学をその一部とする文化とは何か、その社会や政治との関係は何かということを、改めて考え直しながら対象を研究する、または対象を研究することでそういった問題を考え直すことをその特徴としているといえます。
 同時にこれらの著作は、「英」文学者によるものであり、その素材の多くをイギリスからとっているものの、「私たちの現在性の系譜学」であることも特徴としています。つまり、これらの著作で扱われる過去の、遠い国の人物や著作、出来事は、「わたしたち」の現在を構成するなにかとして扱われているということです。
 日本において外国文学研究が窮状にあり、また世界的に見ても人文学が包囲されているように見える現在、これらの著作が提起する問題は、文学研究・人文学が果たすべき責任とは何かを考える上でも、喫緊の課題であるともいえます。また、上記の著作の中心には、イギリスにおける文化研究(カルチュラル・スタディーズ)の伝統がありますが、その文化研究をいかに有効な形で再導入できるかということも、大きな課題です。本ワークショップでは、著者たちを交えつつ、単なる合評会にとどまらずに、これらの仕事をいかにして継承し発展させうるかを考察したいと思います。


企画責任者:大貫隆史・河野真太郎
連絡先:大貫隆史 

主催:レイモンド・ウィリアムズ研究会