今冬初めてまとまった雪の積もった日曜日は、市役所で開かれた第３回協議会に出席した。前２回は都合が付かず、やむなく欠席したので、私としては初めての参加となる。もっとも、１２月以来１ヶ月半の間に、勉強会の類には７回、一部の人々による夜の飲み会２回を合わせると９回の会合に出たので、行政の担当者も含めて大体の人は顔が分かるし、あまり初めてという感じはしない。
冒頭、協議会の会長から、先日の通り（→こちら）、協議会は「基本計画」を前提として、その利活用に関わる部分についてのみ検討するのだ、ということが強く念押しされた。続いて、１月に３回に分けて開かれた各部会（分科会）ごとに議論をすることになった。市から、１月の各部会で出た意見が一覧表に整理されたものが提示されたので、議論はそれを加除訂正する形で進む。
この部会というのは、一応「みどりグループ（平居注：植生に関する検討をする）」「追悼・伝承グループ」「日常利用・地域活性化グループ」と名前が付いている（以下、「みどり」「追悼」「日常」と略）。これは、第２回協議会で、各自がどの分野に関心を持っているかによって分けられたグループが元になっているが、その後移動もあり、そもそも公園の構造や機能をそんなに明瞭に分けられるものでもないので、どうも話を面倒にしている感じがする。実際、私が参加した１月７日の部会は、「みどりグループ」であったが、「植生に限らず公園計画全体について議論してください」と言われた。しかし、第３回協議会では、各グループの議論は各グループの主題に限り、他の分野について意見がある時は、テーブルを移るようにと言われた。もちろん、途中でテーブルを移ったりした時には、また同じ議論の蒸し返しになったりして話が前へ進まないので、そんなことは出来るわけもなく、結局、どのグループでも、自分たちの守備範囲（？）を超えて、様々な話が行われるようになったのだが・・・。
秘密というのではなく、作業が煩瑣すぎて、協議会で出た意見の詳細をここに書くことはできないが、最初に市から配られた意見の一覧表を見ても、守備範囲を限定して話をすることが不可能だというのは明らかだ。その表で、守備範囲外の意見については網掛けになっているのだが、どの部会も網掛けを多く含み、「みどり」「追悼」なんて、守備範囲外が８割を占めている。私が見たところ、ある程度共通して語られていて、合意できそうな点も少なくない。しかし、たとえ集会や展示のための箱物がひとつくらいは必要だ、という点で合意できたとしても、その大きさや形態についての各自の思いは一様でない。協議会で出た意見は、空間デザイン検討委員会という組織でより具体化されることになっている。だとすれば、協議会と空間デザイン検討委員会が何度も意見交換をして、形を定めていくことが必要なのだ。
何だか２時間では何も出来ないな、という煮え切らない思いで会議室を出た後、何人かのメンバーで立ち話、その後、場所を変えて延々あれこれと意見交換をした。そこで強く語られたのは、協議会が４回、つまりあと１回しか予定されていないということの問題だ。もっとも、「設置要綱」には、協議会の設置期間について「協議会は、設置の目的を達成した時に解散する」（第７条）とあって、「４回」と書いてあるわけではなく、「４回」はあくまでも第１回の協議会で市から示された見通しだ。「これって、市民の意見を聞いた、という言い訳をするための機関なんじゃないのかな？」「４０ヘクタールもの公園を作るのに、これだけの時間で議論が出来るわけがない」・・・。
実は、協議会が設置されるずっと前、震災の翌年あたりから、いくつかの市民団体がこの公園のあり方について、意見をまとめようと努力してきたらしい。詳細は知らないのだが、それらの膨大な意見は、市に提出してあるのだという。だとすれば、市は、協議会が始まった時に、それらをまとめて協議会に提示し、過去の積み重ねの上に立って議論できるようにすべきだったのではないか？それをしなかったから、またゼロから同じような話が繰り返されたり、「基本計画」そのものについての異論を出さざるを得なかったりするんじゃないのかな？・・・こういったモヤモヤ感の上に、「協議会って一体何なの？」という感懐が生まれてくる。
市や国が（なぜか県の存在感は薄い）どういうつもりか、つまり、頑張っているけどこの程度なのか、誰かが言うみたいに、市民の意見なんて聞く気が無いのに聞いたふりをしようとしているから変なことになるのか、私には分からない。だが、全員にではないのかも知れないが、不満がくすぶるならば、無理して東京オリンピックに間に合わせるなどということをせず、面倒でも時間を掛ければいいのに、と思う。災害復興住宅などと違って、南浜地区の公園整備なんていくら遅れても誰も困らない。遅れているうちに、もうわざわざ南浜地区を公園になんかしなくてもいいじゃんという声が大きくなってきたら、それはそれでいいわけだし・・・。（そのうち続く）
