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Tr,平居の月曜プリント

2018-05-13

恐ろしいイノシシ

 金曜日の夜から昨日にかけて、県総体登山競技コース調査(主催者としての下見)で山に行っていた。今年の会場は船形連峰(旗坂〜蛇が岳〜北泉が岳〜水神)である。

 もともと登山の大会(競技化)に非常に批判的な態度を取っている私は、大会にできるだけ関わらないように身を処してきた。自分が嫌いだ、というだけでなく、積極的に参加しようとしている人の邪魔をしないためでもある。それはそれで、私なりの気配りなのだ。他の顧問たちも、私のそのような姿勢を知ってか知らずか、私には何かをさせようとせず、それでいて私を仲間はずれにしないように、実にほどよく扱ってくれていた。

 そんなわけで、25年も登山専門部に関わっていながら、実は県総体準備の最大イベント言えるコース調査に参加したことが1度もなかった。ところが、なぜか今年、メールで回ってくる登山専門部の文書で、コース調査のメンバーに私の名前が入っていたのである。私は、彼らが彼らと私との間に成り立っていた暗黙の了解を逸脱した、などとは全然思わなかったが、塩釜高校山岳部の活動予定があったため断った。ところが、それがキャンセルになったので、せっかく誘われたことだし、一度行ってみるか、と出かけることにしたのである。

 麓の温泉旅館での夕食時、登山専門部の顧問体制が危ない、という話題になった。なんとびっくり、某先生が現在の顧問の平均年齢を計算してみたところ、51歳を超えたという。何人かの定年退職した人が、コーチを務めていたりするので、それも合わせると平均年齢は更に上がる。今回、私がコース調査に呼ばれたのも、もしかするとそんな人材の枯渇が事情としてあったかも知れない。

 10人あまりのメンバーが、全コース踏査、エスケープルート調査、通信状況確認などのグループに分かれて山に入る。私は「全コース踏査」だ。歩行8時間を超えるルートを歩き通し、問題箇所をチェックする最も過酷なこの係も、(多分)57歳、55歳、53歳、49歳、38歳という具合。

 幸い、天気は上々。新緑と残雪コントラストも美しく、コシアブラもたくさん採れた。生徒を連れていなかったこともあって、仕事意識のほとんど無い楽しい休日レクリエーションとなった(ごめんなさい)。

 長倉尾根の東端のあたりが笹に覆われ、登山道が不明瞭になっていたのがコースに関する唯一の問題だというくらいで、他に問題はなかったのだが、1日目の宿泊地となっている「森の学び舎」(旧大和町立吉田小学校升沢分校→について)には大きな問題があった。なんとびっくり、イノシシが校庭を掘り返してしまい、テントが張れる状況ではないのである。ミミズのような生き物を捕るためらしい。芝生が生えていて快適そのものだった校庭は、芝生が根こそぎ掘り返されてボコボコ。かろうじて、校庭の端っこの方にテント10張り分あまりの多少マシな場所が残されているだけ、という状況であった。

 私は大阪生まれであるが、1歳半から14歳の8月まで宮城県で過ごし、その後、兵庫県に引っ越した。私は、父親の影響で幼い頃から野山を歩き回るのが好きだったが、兵庫県に引っ越した時、父から「宮城の山と違ってここの山にはイノシシが出るから気をつけろ」と言われた。当時、イノシシが何物か、私にはよく分かっていなかったのだが、鋭い牙を持っていて、山の中で出会うと猪突猛進で襲いかかって来る恐ろしい生き物だと想像し、恐れた。

 そのイノシシ宮城県でも見られるという話を耳にしたのは、果たして何年前だったか。最初は宮城県の最南端丸森町での話としてだったと思う。それがいつの間にか、相当短期間で、宮城県のちょうど真ん中、大和町(たいわちょう)の山間部でもたくさん生息するようになっているのだ。気にしながら見れば、麓の畑にも周囲に柵を張り巡らせているところが目に付く。

 これは温暖化の影響以外にあり得ないだろう。恐ろしいことだ、と思った。イノシシという元々宮城県にはいなかったはずの生き物がこれだけ勢力を拡大しているということは、逆に、元々宮城にいた生き物で、宮城に住むことができなくなった生き物もまたいることを意味するだろう。人間が人工環境を作って、環境に適応する努力をせずにいる間に、生き物たちは着々と対策を取っている。恐ろしいのはイノシシの牙ではない。それがいること自体である。

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