おめでとう ほやマン(続々)

 20日の新聞各紙では、中教審が、教員の教職調整額を、現行の4%から10%以上に引き上げるという文科省案を了承したことが大きな記事になっていた。残業の線引きが難しい教員は、残業代を支給しない代わりに教職調整額=基本給の4%というのが、一律に支給されている。「4%定額働かせ放題」として悪名高い制度だ。それを10%以上に値上げするというのだ。多くの記事でもそうだったが、大歓迎している教員はほとんどいない。それよりは各自の裁量で仕事が出来る部分を増やし、楽しく仕事が出来るようにしてくれよ、と思っているはずだ。なにしろ、悪いのは多忙ではなく、多忙の質なのだから。
 教員の頭の上から落ちてくる大量のくだらない仕事、安上がり教育を目指すがための教員不足、それらを解決させようとしない限り、教員が魅力ある職業として人気を回復させることはない。文科省には、そんなことがぜんぜん分かっていない。「見たいと思うことしか見ない=見たくないことは見ない」という人間の性質(弱点)そのものだ。
 私は人間の弱点を克服することが、勉強の大きな目標の一つだと思っている。日本のお勉強を取り仕切っている文科相の役人たちや政治家が、「人間の性質(弱点)そのもの」では、学校などよくなりようがないのである。(→昨年5月の類似記事


 ところで、ぜんぜん関係ない話。同じ4月20日の「石巻日々新聞」に、「さよなら ほやマン」の兄弟役、アフロと黒崎煌代がそろって日本映画批評家大賞の新人男優賞を受賞したということが大きく報道されていた。なぜか、石巻の二大地元紙である「石巻かほく」で記事を目にした記憶がない。
 いやぁ、実に素晴らしい。日本映画批評家大賞とは、映画批評家だけによる審査で決まる賞らしい。言わば映画を見ることのプロによる授賞だから、なかなかに値打ちがある。中村梢氏はアフロを、「これまでも本業が俳優ではない方々がスクリーンで見事な存在感をみせてくれたが、本作では別格だった。『一歩踏み込んだ人間らしさ』が魅力的すぎる」と絶賛している。久しぶりに覗いた「さよなら ほやマン」のホームページによれば、私が一押しの黒崎煌代は、3月半ば、私が気付かないうちに、シネマ夢倶楽部推薦委員特別賞も受けていたらしい。
 聞くところによれば、鑑賞者数は伸び悩み、決してヒットした作品になったとは言えないが、今でもぽつりぽつりと上映しているところはあるようだし、こうしていろいろな賞を受けられるのもすばらしいことだ。
 「やっぱり ほやマン」(?)おめでとう。