2011 10月に読んだ本

今年読んだ本 155冊


10月の読書メーター
読んだ本の数:14冊
読んだページ数:4314ページ
ナイス数:603ナイス

夜のピクニック夜のピクニック
再読。ものすごく良かった!という印象だけ覚えていて殆ど内容忘れていて新鮮な気持ちで楽しめた。いいなぁ。こんなに純で、一生懸命で、心のテンション上がり下がりがあって、熱くて、そして、全てを共有できる友人たちがいる!!夜中に、昼間なら照れて絶対口にしないようなことを「熱く語る」わかるよ〜そうだったよ。確かにそんな時期があったよ。そして、それは今思い起こしても、私の中でキラキラしている大切な時だ!全てがしっかり整ってから楽しむのとは違う、ぐちゃぐちゃした楽しさはこの時代にしか味わえなかったんだ!と、改めて思う。
読了日:10月31日 著者:恩田 陸
トッカン―特別国税徴収官―トッカン―特別国税徴収官―
期待にたがわず面白かった〜♪しかも、お仕事小説プラスアルファの部分が深いよね。「私は何にも悪い事してないのに目をつけられて・・」「私はこんなに精一杯やってきたのだけど、〇〇のせいで仕方ない・・」いい子ちゃん顔して、言いそうだよなぁ、私。正論を楯に仕事の数こなすことに一生懸命になるってタイプだよ。と、ちょっと考え込んだりして。なのに、私が立ち止まって考えている間にグー子ちゃんは立ち直っていた(笑)ついて行く目標の鏡特官の大きな背中が近くにあるっていうのは強いなぁ。さぁ、次の本ではどんな成長していくのかな。
読了日:10月31日 著者:高殿 円
犯罪小説家犯罪小説家
小野川のずんずん言いつのってくる口調も、今泉の「私は、こんなに調べているんだから教えてくれていいでしょ!」みたいにズケズケ聞いてくる体質も、読んでいてものすっごく拒否ってしまって、読みながらイライラ。それが作者の意図したキャラだと思うので見事にハマったとも言うのかもしれないが、いっそ読むのをやめようかと思ったくらいだから、これを成功というのかな・・?表現者のこだわりにはどうしても共感できなくて謎を解き明かしたいという気持ちにのめり込めない。きっとこのこだわりが理解できた人の半分も楽しめなかっただろうなぁ。
読了日:10月30日 著者:雫井 脩介
かなりやかなりや
物理の発想で説法する僧侶。すごいな。こんな切り口の本、初めてだ。心の奥に罪悪感を抱えて生きるサチや広海。その抱えているモノや、娘に心のはけ口求めて言いつのる母親っていう話だけでも引き込まれるが、そこに科学の話と仏教の説法が語られ、見えないけど確かに存在する「裏の世界」の話も加わる。この組み合わせの妙が絶妙で、新鮮。波のように常に変化を繰り返しているこの世は、目に見えるものだけで世界が成り立っているわけではない。。。はっきり姿を目には出来ないが、人の暖かさ、優しさ、そして強さがちゃんと伝わってくる。
読了日:10月25日 著者:穂高 明
月のうた月のうた
きちんと生きている人の話って心が震えます。優しさも切なさも厳しさも心に迫ってきて、もうボロ泣きでした。宏子さんは心が自由なんだね。自分とは違うこともこだわらずに受け入れられる自由な心だからこそ、民子も心を開けたのでしょう。この本はあらゆる方向から私の心を揺さぶります。親として子を残して逝くということ、祖母が母代りとなって暮らす日々、料理を知らない母に育てられたことを言いわけにしてたこと、「子どもは授かりもの。感謝して産みな」、友人と歩いた月夜。いろんなことが自分に置きかえられて、我が身に沁みる1冊でした。
読了日:10月23日 著者:穂高 明
レイジレイジ
男のロマン」って言葉がまず浮かんだ。男の人の方が、理想や夢を力に変えて生きていけるし、逆に1人取り残された挫折感っていうのも受けやすいと思う。「男のプライド」ってところで、気になっているのに何年も知らんぷりだったり、「男の友情」ってやつで、何年も経っているのに、あっと言う間にその空白が埋められたり出来るんだなぁ。これは、まさに男の話だよね。横文字カタカナでの音楽用語は殆どわからないけど、RAGEの「風の彼方に」聴いてみたいな。
読了日:10月22日 著者:誉田 哲也
ある日、アヒルバスある日、アヒルバス
楽しかったぁ。肩肘はらずにくつろいで楽しませていただきました!デコちゃんがムッとする時も、褒められて頑張っちゃう時も、後輩になめられているのわかっていて下手に出ちゃう感じも「わかるわかる〜」って頷き、ガイドのためにネタを仕入れる姿に「偉いじゃん」と拍手し、そのネタがうろ覚えでグダグダになってもそれがまた面白い。ダイエットでイライラしたり酔っぱらったり。ピノの神様が降りてきたり、ジャングルクルーズのガイドにスッポリ入れちゃうのはバスガイドとしての外せない才能だ!まあ、結局デコちゃんが好きってことです(笑)
読了日:10月19日 著者:山本 幸久
開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU― (ハヤカワ・ミステリワールド)開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU― (ハヤカワ・ミステリワールド)
18世紀ロンドン。この時代の解剖学事情はもちろん、裁判、刑、経済、そして風俗関係まで、当時の色彩、匂いまで立ちのぼってくるような1冊。翻訳本の大作を読んだような読後感で、作者皆川さんの筆力に脱帽。ミステリを解いて行く時間軸と事件がおきる時間軸を並行に書いていたのも面白かったし、とにかく登場人物が多岐におよんでいて個性的。単に時代を表すのに書かれているかと思いきや、しっかり事件に絡んできて・・・と、最後の最後まで、楽しめました。読書の醍醐味満喫。
読了日:10月18日 著者:皆川 博子
園芸少年園芸少年
男の子の関係っていいね。爽やかな読後感。「いいぞいいぞ!」ってニコニコしながら読んでいた。箱で顔を覆う引きこもりって設定にはビックリしたけど、この行動的で案外強気な庄司クンは良いところのボンボンね。文化祭でお母さんや妹と一緒にまわる男子高校生ってなかなか少ないんじゃない?大和田クンはちょっと恐いファッションしているけど、このまま中学の悪友に引っ張られて過ごしていたらどうなるのかを考える想像力があって好感度は大。そして篠崎クン。この園芸部で殻を破れて良かったね。打算で動いたり、きちんとしてなくて大丈夫よ。
読了日:10月09日 著者:魚住 直子
ポプラの秋 (新潮文庫)ポプラの秋 (新潮文庫)
私も「物事の帳尻さえあっていればよしとするぼんやり」なもので、この千秋の母への想いを、初めは理解することが出来なかった。でも、読み終えて思う。千秋は誰よりも母を愛しているのだと。「眩しいほど完璧な幸福の中にいて欲しい」大好きな母は常に輝いていて欲しいという娘と、大切な娘をこの世にとどまらせておくことに心を注ぐ母。哀しい秘密が横たわるなか、幼い日々が陽だまりのように語られる。亡くなった人に手紙を書くことで死を受け入れた人達が集まるラストに胸が熱くなる。正におばあさんは、ポパイのように皆を助けるセラピストだ。
読了日:10月09日 著者:湯本 香樹実
とんびとんび
ヤスサンの周りで「かなわんなぁ。」と顔を見合わせる人々の笑顔と一緒に私も、泣き笑い。子どもが生まれる前から愛情があふれかえっているヤスさんに胸を熱くし、童謡を酒の席で熱唱し「チャチャチャ♪」を強要するヤスさんに笑い、「お前の背中を温める人の手は沢山あるぞ」という和尚の言葉にまた泣く。小さい時も思春期もそして進学、結婚の時もヤスさんは、親というものは子どもの味方。淋しくて拗ねても息子が認められれば狂喜乱舞。こんなに愛にあふれた暮らしは幸せだ。男手一つじゃない、ぎょうさんの手が差し出されているのだから。
読了日:10月07日 著者:重松 清
人質の朗読会人質の朗読会
最終章のハキリアリのように粛々と各々の役目を全うし、人質は朗読している。誰も知らない山奥で清流が人知れず流れているように。誰にも命令されてないのに。泣いたり喚いたり恨んだりすることなく、ただひたすらに自分のままに朗読している‥‥‥俗世間にまみれている私は、このきれいな文章に触れながら、で?どこで人は理性が利かなくなり、取り乱すの?と、へんな期待を持ちながら読み進んだが、最後までハキリアリの行列は崩れない。特に「B談話室」校閲の仕事を表す表現は素敵で心震えました。「運針倶楽部」ここで自己と向き合って見たい。
読了日:10月05日 著者:小川 洋子
幻想郵便局幻想郵便局
不思議の世界なんだけど、展開がスピーディでスイスイと読み終えたって印象です。この世とあの世の間にこんなワンクッションおける所があるって、ちょっと愉快。アユム君のように辛い死に方しても、ここでちょっとハメはずして走り回ったり叱られたりできたり、逝去挨拶状出すついでに思い出話してみたり。この逝去挨拶状って「夢枕にたつ」ってことかな。「虫の知らせ」って形でこの挨拶状を受け取っているのかなぁ。功徳通帳は見るのも怖くて、記帳にはとても行けそうもないけど、もし、私に万が一のことがあったら、逝去挨拶状はたくさん出そう!
読了日:10月05日 著者:堀川 アサコ
モップガールモップガール
事件現場の掃除!という想像するとかなりグロい感じっぽいのに、この本はらく〜な気持ちで楽しめました。時代劇オタクというのも、(私は殆どTV観てはいないけど)なんだかユル〜イ感じで、主人公桃ちゃんの身におこることも緊迫感はないのだけど(笑)桃ちゃんはとっても好感度大。終わりが、ちょっとハテナマーク??・・ipodを持って立ち去ったあの子からのメッセージ?って思うのはloveモードを期待し過ぎかしら?それとも、全く新しい事件のはじまりってこと???
読了日:10月01日 著者:加藤 実秋

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