take-bow2014-11-25

ラジオで月尾嘉男先生が南方熊楠を紹介されていた。知ってるつもりだったが、何も彼について理解していないことに気がつき、本書と水木しげるの『猫楠』を買い求め、一気に読んだ。南方熊楠は日本の民俗学の祖であり、粘菌を中心とする生物学の研究者であることぐらいは知っていたが、あまりの天衣無縫、自由闊達な人柄や行動力については全く知らなかった。何よりも在野の研究者として全く学歴のない方だった訳だが、鎮守の森を守る現代のナショナルトラスト運動の先駆けを行ったことや十数カ国語を理解し使っていたことや昭和天皇に御進講されていたことなど、知らないことだらけできちんと知っておくべき人物を取りこぼしていたと痛感した。自由な研究を可能にした親御さんや弟さんの支えがあったからこそ、『ネーチュア』誌への掲載論文数日本一という偉業も可能だったと思う。ぜひとも皆さんに知って欲しい日本人である。