takebowの侏儒の言葉 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2018-05-10 岩波ホールで『マルクス・エンゲルス』を見る このエントリーを含むブックマーク

take-bow2018-05-10

ラウル・ペック監督作品『マルクス・エンゲルス』(原題『若きカール・マルクス』)が岩波ホールで公開されているので、仕事が休みの平日朝イチの回を見に行ってきた。天気もすぐれないあまり良い条件ではないにも関わらず、大盛況で『ハンナ・アーレント』以来のゲキ混みの鑑賞となった。ただ後者と異なるのは老人が多いこと。お元気な先輩方に囲まれて初期マルクスの思想形成を映像で見ることとなった。変革の哲学を掲げたマルクスは、資本家階級のエンゲルスという友人をもって自己を開花させていく。労働者の団結や蜂起を支持した哲学者自身は労働者たり得ず、自ら金銭的な富をほとんど生み出せなかった。多くの著作群も全くといって良いほどカネにはなっていない。そんな極貧の哲学者を物心両面で支えたのが盟友エンゲルスで、こんな献身的な友人というのは珍しいだろう。献身的といえば、妻で貴族出身のイェニーの存在の重要性も映画ではポイントとなっている。まさかマルクスのセックスシーンをみることになるとは。後世、お手伝いに手を出して妊娠させるパワーを予感させる。そんな人間マルクスが友情や愛情の支えによって、後世に残る『共産党宣言』を産み出し、多くの人々に影響を与え続けていることをこの作品は雄弁に語っていた。

★★★★ブラボー