さよなら鉄道

かつては全国を網の目のように結んでいたニュージーランドの鉄道も、現在では長距離の旅客列車は3本しかありません。北島最大の都市オークランドと首都のウエリントンを片道12時間かけて結ぶオーバーランダー号、ウエリントンの対岸ピクトンと南島最大の都市クライストチャーチを1日1往復するトランツコースタル号、クライストチャーチから南島を横断し西海岸のグレイマウスまで1日1往復するトランツアルパイン号。観光的価値が高いトランツアルパイン号以外、都市間交通の手段としてはバスや航空機との競争に全く勝てず、ほとんど絶滅寸前といってよいでしょう。

そしてとうとうオーバーランダー号9月で廃止のニュースが入りました。
Continuous loss of patronage results in closure of Overlander
長距離列車Overlander、9月で廃止

5月13日にオークランドからオトロハンガまでは乗った
のですが、一度は全区間乗ってウエリントンに行ってみたいと思っていた矢先の一報でした。ほかの二つも廃止は時間の問題ですが、なにしろ南島なので、長い休みを取らないとなかなか行けそうにありません。

Webから予約できるのは知っているので、試みに検索してみると、一部区間であれば取れる日もありますが、全区間の予約が取れる日はありませんでした。

日本でも赤字ローカル線の廃止の報が出ると、今まで地元民は誰も乗らずがらがらだった路線が、急に廃止を惜しむファンが集まって混雑するのが普通です。NZでも事情は同じようで、もう廃止日まで予約でいっぱいです。予約なしでは乗れないので、残念ですが、あきらめるより他にありません。

ただ、貨物列車はあるため、線路までなくなってしまうわけではないので、企画列車のような臨時列車がこれからも走ることを期待しています。