DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2

1982年に発足し、2024年時点で10球団が加盟する韓国野球委員会(KBO)による韓国のプロ野球リーグ(通称KBOリーグ)に関するブログ。レギュラーシーズン、ポストシーズン(韓国シリーズなど)の試合速報や球団別の情報、現役プロ選手が含まれる野球韓国代表が出場する国際大会の情報などもお伝えします。 twitter : @kbodigest

   騒動の渦中の新球団ウリ、苦手トゥサンに完封勝ち  リュ・ヒョンジン(ハンファ)、首位SK相手に2試合連続の好投

SK 1−3 ハンファ  (大田)
(勝)リュ・ヒョンジン 8勝5敗  (セーブ)トーマス 3勝4敗17S  (敗)レイ 1勝1敗
本塁打) ハンファ : シン・ギョンヒョン 3号、キム・テワン 15号
 SKは2回表ハンファの先発リュ・ヒョンジンから1番イ・ジニョンのタイムリーで1点を先制した。ハンファは4回裏SKの先発の新外国人レイから8番シン・ギョンヒョンの2ランで逆転し、リュ・ヒョンジンも3回以降はSKに反撃を許さない。追加点のほしいハンファは8回裏、SKの3番手チョ・ウンチョンから6番キム・テワンの2試合連続本塁打でようやっと1点を奪った。リュ・ヒョンジンは8回表2死満塁のピンチでマウンドを2番手ユン・ギュジンに譲り、ユン・ギュジンは期待にこたえ5番パク・キョンワンを外野フライに打ち取った。
 最後は守護神トーマス(元北海道日本ハム)が抑え、4位ハンファがSKとの接戦を制し、LGに勝った3位ロッテとゲーム差なしで並び、ウリに敗れた2位トゥサンとのゲーム差を1.5に縮めた。リュ・ヒョンジンは今季最多の1試合12奪三振と好投し、6月28日の試合に続いてSK戦で連勝し、「怪物」の名に恥じない活躍を見せた。打線では逆転決勝2ランを打ち、リュ・ヒョンジンをリードした捕手シン・ギョンヒョンが3安打と活躍。一方首位SKは7月になって3連敗と、8割以上の勝率だった6月とは少し雲行きが変わってきたかのようである。

(今季最多の12奪三振と好投したリュ・ヒョンジン。) 


ウリ 8−0 トゥサン  (ソウル・蚕室)
(勝)マ・イリョン 8勝4敗  (敗)イ・ウォンジェ 3敗
本塁打) ウリ : カン・ジョンホ 3号
 ウリは現在経営元のセンテニアルインベストメント社が6月末までに支払う予定だったプロ野球への加入金の一部24億ウォンを支払わず、KBO(韓国プロ野球委員会)がウリの強制脱退も辞さない強硬的姿勢をとっただけでなく、メインスポンサーのウリタバコ社がスポンサーの権利放棄を宣言するなど、さまざまな騒動の渦中にあったが、現代(2007年限りで消滅)の球団売却交渉の3度にわたる失敗など、相次ぐ騒動に慣れてきていたウリの選手たちは、目の前の試合に集中していた。ウリは1回表トゥサンの先発イ・ウォンジェから4番ブランボー(元オリックス)、6番イ・スンヨンのタイムリーで2点を先制し、2回表2番チョン・ソンフンのタイムリー、3番イ・テックンの犠牲フライで2点を追加した。
 ウリは4回表7番カン・ジョンホの本塁打で1点を追加すると、先発マ・イリョンも相手に得点を許さない。ウリは7回表イ・テックン、5番ソン・ジマン、イ・スンヨンのタイムリーで3点を追加しダメを押した。8回以降は2番手チョ・ヨンフンが抑え、ウリは今季ここまで1勝7敗と苦手にしていた2位トゥサンに完封勝ちした。7回を無失点に抑えたマ・イリョンは最近4連勝で、チーム最多の8勝目。打線ではチョン・ソンフンが3安打2打点と活躍。
 怪我で主砲キム・ドンジュが欠場したトゥサンはわずか4安打に抑えられ、3位ロッテ、4位ハンファに1.5ゲーム差に迫られた。プロ2年目の若手イ・ウォンジェは経験を積ませるためか8回まで投げさせられ、8失点12被安打とと未熟な面をさらけ出し、次回の登板こそプロ初勝利が期待される。
    

LG 0−7 ロッテ  (釜山・社稷
(勝)チャン・ウォンジュン 6勝6敗  (敗)チョン・チャンホン 3勝10敗
本塁打) ロッテ : ガルシア 19、20号
 ロッテは2回裏LGの先発の高卒新人チョン・チャンホンから6番ガルシア(元オリックス)の2試合連続本塁打で1点を先制すると、4回裏ガルシアの2打席連続本塁打となる2ラン、8番ソン・グァンミンのタイムリーで3点、5回裏4番イ・デホの内野ゴロの間に1点を追加した。先発チャン・ウォンジュンも好投を続け、LG打線を完全に封じ込めていく。ロッテは7回裏LGの3番手キム・グァンスから3番チョ・ソンファンのタイムリーで2点を追加した。
 チャン・ウォンジュンは8回を無失点に抑えると、最後は今季先発のみで起用されてきた外国人投手マクレリーが登板間隔があいたため2番手として登場し、ピンチを招いたが何とか完封リレーを完成させた。左腕チャン・ウォンジュンは5月17日のウリ戦以来48日ぶりの勝利となる6勝目で、自身は3連敗から脱出した。また打線では3日のサムソン戦の最終打席以来3打席連続本塁打となったガルシアが3打点と活躍し、本塁打王争いトップのキム・テギュン(ハンファ)に1本差と迫った。LGはわずか6安打に抑えられ、チョン・チャンホンは最多敗戦の10敗目と、チーム事情もあるが苦しいプロ1年目を送り続けている。
    

キア 11−0 サムソン  (大邱
(勝)イ・ボムソク 5勝5敗  (敗)ペ・ヨンス 4勝5敗
本塁打) キア : キム・ジュヒョン 2号
 キアは2回表サムソンの先発ペ・ヨンスから7番の高卒新人キム・ソンビンの併殺打の間に1点を先制し、3回表2番キム・ウォンソプ、4番チャン・ソンホのタイムリーで2点、4回表9番キム・ジョングクのタイムリーで1点を追加した。キアはその後も打線が爆発し、5回表サムソンの2番手クォン・オウォンからキム・ソンビン、キム・ジョングクのタイムリーなどで4点、7回表サムソンの4番手の高卒新人チェ・ウォンジェから代打キム・ジュヒョンの本塁打で3点を追加した。
 キアの先発イ・ボムソクは1回裏四球と暴投で招いたピンチをしのぐと、9回裏2死まで無安打に抑え、2000年のソン・ジヌ(ハンファ)以来8年ぶりのノーヒットノーランの偉業達成が期待された。だがサムソンの4番パク・ソンミンが間一髪でセーフとなる内野安打を打ち、惜しくも偉業とはならなかった。結局イ・ボムソクは1安打のみで完封し、キアが18安打と打線の爆発もあって大勝した。
 今季プロ4年目で初勝利をあげたイ・ボムソクは、最近先発に定着しすでに5勝とチームに欠かせない戦力となった。打線ではキム・ジョングクが5安打3打点と活躍。サムソンは先発ペ・ヨンスが不安定な内容で、4回4失点と期待を裏切り、打線も9三振とイ・ボムソクの前になすすべがなかった。

(惜しくもノーヒットノーランを逃したイ・ボムソク。)

(7月4日現在) 
           試合   勝   敗   分    勝率   差
1.SK       76   52   24    0     .684    -
2.トゥサン     75    42   33   0   .560    9.5
3.ロッテ      74   40    34    0    .541   11.0
4.ハンファ     80    43   37     0    .538     11.0
5.サムソン     79   38    41    0   .481    15.5
6.キア       78   35    43   0    .449   18.0
7.ウリ      76    32   44    0   .421     20.0
8.LG       80    27   53    0   .338    27.0
(文責 : ふるりん