DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2

1982年に発足し、2024年時点で10球団が加盟する韓国野球委員会(KBO)による韓国のプロ野球リーグ(通称KBOリーグ)に関するブログ。レギュラーシーズン、ポストシーズン(韓国シリーズなど)の試合速報や球団別の情報、現役プロ選手が含まれる野球韓国代表が出場する国際大会の情報などもお伝えします。 twitter : @kbodigest

  ロッテ、LGに逆転勝ち  

サムソン 14−5 SK  (仁川・文鶴)
(勝)アン・ジマン 2勝  (敗)パク・チョンフン 1敗
本塁打)  サムソン : キム・ホンゴン 1号  SK : イ・ホジュン 3号、パク・チェホン 1号 
 サムソンは3回表、SKの先発コ・ヒョジュンから3番の新外国人ガーコ、4番チェ・ヒョンウ、6番パク・ソンミンのタイムリーで3点を先制した。SKは4回裏、サムソンの先発アン・ジマンから4番イ・ホジュン、5番パク・チェホンの2者連続本塁打で3−3の同点に追いついた。サムソンは6回表、SKの2番手パク・チョンフン、3番手キム・デユ(元阪神、日本名:金村大裕)から1番ペ・ヨンソプへの押し出しの四球、キム・デユの暴投、ガーコのタイムリー、途中出場の4番の大卒新人キム・ホンゴンの2ランで7点を勝ち越した。さらに7回表、SKの4番手チェ・ウォンジェの暴投、キム・ホンゴン、途中出場の5番チョ・ヨンフン、7番ソン・ジュインのタイムリーで4点を奪った。
 SKは8回裏、サムソンの4番手キム・ヒョナムから2番キム・ヨンフンのタイムリーで1点、9回裏、サムソンの5番手イム・ジヌから途中出場の8番キム・ソンヒョンのタイムリーで1点を返したが、反撃もここまででサムソンが打線の爆発で大勝した。先発転向を目指すアン・ジマンは5回3失点と合格点の内容だった。18安打と爆発した打線では、キム・ホンゴンが3安打1本塁打3打点、ガーコが3打点と活躍。示範競技で調子の上がらないSKは、パク・チョンフン、キム・デユと1軍当落線上のリリーフが打たれてしまい、開幕に向けて不安を残した。


(サムソンの先発アン・ジマン。)
 
トゥサン 2−1 キア  (光州)
(勝)チョ・スンス 1勝  (セーブ)イム・テフン 2S  (敗)ソン・ヨンミン 2敗1S
 トゥサンは1回表、キアの先発の高卒新人ホン・ゴンヒィから3番キム・ヒョンスの内野ゴロの間に1点を先制した。トゥサンの先発の新外国人ニッパートは安定した投球で6回を無失点に抑えた。ホン・ゴンヒィも4回1失点と好投し、5回からシン・ヨンウン、パク・チョンテパク・ソンホ、パク・キョンテの継投で追加点を許さない。キアは7回裏、トゥサンの2番手コ・チャンソンから8番イ・ヒョンゴンのタイムリーで1−1の同点に追いつき、8回は6番手クァク・チョンチョルが無失点に抑えた。トゥサンもチョン・ジェフン、チョ・スンスを登板させ勝ち越し点を与えない。
 トゥサンは9回表、キアの7番手ソン・ヨンミンから代打オ・ジェウォンのタイムリーで1点を勝ち越し、最後はイム・テフンが抑え接戦を制した。先発陣に不安が残る中、期待の新外国人ニッパートは素晴らしい投球で開幕投手確定に向けて大きく前進した。キアでは肩の手術を受けたセカンドのレギュラー候補アン・チホンが8回から途中出場し、復活をアピールした。
     

ロッテ 4−2 LG  (ソウル・蚕室)
(勝)キム・サユル 1勝  (敗)キム・グァンス 1敗3S
本塁打) ロッテ : イ・デホ 2号
 LGは1回裏、ロッテの先発イ・ジェゴンから4番パク・ヨンテクの内野ゴロの間に1点を先制し、ロッテも2回表、LGの先発の新外国人リズから4番イ・デホ本塁打で1−1の同点に追いついた。キム・スワンは5回1失点、リズは6回1失点と好投した。ロッテの2番手カン・ヨンシクも6回と7回を無失点に抑えた。LGは7回から高卒新人イム・チャンギュ、イ・ドンヒョン、イ・サンヨルの継投で勝ち越し点を与えず、8回裏、ロッテの3番手イム・ギョンワンからパク・ヨンテクのタイムリーで1点を勝ち越したが、代わった4番手キム・サユルから追加点を奪えなかった。
 ロッテは9回表、LGの5番手キム・グァンスからイ・デホ、5番ホン・ソンフンのタイムリー、6番カン・ミンホの犠牲フライで3点を奪い4−2と逆転し、最後はキム・サユルが抑えた。ロッテ、LGともにキム・スワン、新外国人リズと先発ローテーション入りが確実な投手が抑えたのが最大の収穫だった。LGにとっては、課題の抑え候補となっているキム・グァンスがリードを守りきれなかったのが残念だった。
 

ハンファ 1−2 ネクセン  (ソウル・木洞)
(勝)ペ・ヒムチャン 1勝1S  (セーブ)ソン・シニョン 1S  (敗)チョン・ジェウォン 1敗
本塁打) ネクセン : カン・ビョンシク 1号
 ネクセンは2回裏、ハンファの先発ヤン・フンから8番カン・グィテのタイムリーで1点を先制し、先発の新外国人ナイト(元北海道日本ハム)も好投を続けた。ヤン・フンも走者を出しながら何とか抑え続けた。ハンファは6回表、軍から除隊されたばかりの2番ハン・サンフンのタイムリーで1−1の同点に追いついた。ナイト、ヤン・フンともに6回1失点で降板した。ネクセンの2番手ペ・ヒムチャンは7回と8回を無失点に抑えた。
 ネクセンは8回裏、ハンファの2番手チョン・ジェウォンから5番カン・ビョンシクの本塁打で1点を勝ち越し、最後はソン・シニョンが抑え接戦を制した。打線では決勝本塁打を打ったカン・ビョンシクが3安打1打点と活躍。ハンファは先発ヤン・フンが好投するも打線の援護がなかった。打線では内野のレギュラー復帰を狙うハン・サンフンが3安打1打点と活躍。


(8回裏決勝本塁打を打ったカン・ビョンシク。)

(示範競技、3月24日現在)
        試合  勝  敗  引  勝率
1.LG     10   6  4  0  .600
1.ロッテ   10   6  4  0  .600
3.ハンファ   10   5  5  0  .500
3.サムソン  10   5  5  0  .500
3.ネクセン    10   5  5  0  .500
3.トゥサン  10   5  5  0  .500
7.SK    10   4  6  0  .400
7.キア    10   4  6  0  .400

  第1回 SKワイバーンズ

 2010年もここ数年と同様安定した強さで他を寄せ付けず、2年ぶりの韓国シリーズ優勝を飾ったSK。キム・ソングン監督就任後4年連続韓国シリーズ出場、3度の優勝という黄金時代を築いたSKだが、春季キャンプからさまざまな不安要素が見られ、示範競技ではやや苦しんでいる。


【投手陣】

〈先発〉 
△キム・グァンヒョン、グローバー、マグレーン、ソン・ウンボム、△コ・ヒョジュン
〈中継ぎ〉
△チョン・ビョンドゥ、オム・ジョンウク、△イ・スンホ(背番号37)、チョン・ジュンホ、△キム・テフン、△チョン・ウラム、イ・ヨンウク、チェ・ウォンジェ
〈抑え〉
△イ・スンホ(背番号20)、チョン・デヒョン
注 : △は左腕

 キム・ソングン監督就任後からSKは継投を得意とし、2011年シーズンもその強みを発揮できる投手陣がそろっている。特にかつて右の中継ぎとして活躍したイ・ヨンウクが軍から除隊され復帰したのは大きい。抑えは左のイ・スンホ(背番号20)、右のアンダースローのチョン・デヒョンと2枚そろっている。
 先発陣は2010年最多勝(17勝)の若きエース、キム・グァンヒョンが健在である。シーズンオフの体調不良から順調に回復しつつあるが、スロースターターの傾向があり示範競技でもあまり内容はよくない。14勝したものの、ひざの故障のため2010年限りで退団となった日本人投手・門倉(元読売)の穴をどう埋めるかが気がかりだが、2010年台湾プロ野球で活躍した新外国人マグレーンがその第一候補である。また韓国3年目の外国人投手グローバー(元読売)、抑えから先発に再転向したソン・ウンボム、先発もリリーフもこなすコ・ヒョジュン、チョン・ビョンドゥの左腕コンビなど頭数はそろっている。 


【打撃陣】

〈ベストオーダー〉
1.チョン・グヌ(二) 
2.パク・チェサン(左) △
3.パク・チョングォン(一) △
4.イ・ホジュン(指) 
5.チェ・ジョン(三) 
6.キム・ガンミン(中)
7.イム・フン(右) △
8.パク・キョンワン(捕)
9.パク・チンマン(遊)

〈控え〉
キム・ジョンフン、チョン・サンホ、チェ・ドンス、チェ・ユンソク、パク・チョンファン、キム・ヨンフン、△チョ・ドンファ、パク・チェホン、アン・チヨン

注 : △は左打者。

 SKにとって最大の課題は、ここ数年の黄金時代の立役者である正捕手パク・キョンワンの不在である。日本での春季キャンプの練習試合から示範競技まで1試合も出場せず(3月24日現在)、その代役探しに必死であるが決め手を欠く。第2捕手として起用されてきたチョン・サンホも故障を抱え万全の状態ではない。
 また、2010年オフに軍へ入隊したショートのレギュラー、ナ・ジュファンの穴を誰が埋めるかも注目である。サムソンを自由契約となった元韓国代表ショート、パク・チンマンが第一候補であるが、打撃に不安がある。内野のチョン・グヌ、チェ・ジョン、外野のキム・ガンミン、パク・チェサン、左の大砲パク・チョングォンなどここ数年レギュラーとして活躍している選手たちは健在であるが、有望な若手が少ないなど以前より選手層が薄くなった感が否めず、故障者が続出すると打線はかなり苦しくなる。 

 
 チームが円熟期にあるSKは、2011年シーズンも優勝争いの中心となるのは間違いないが、他のチームの底上げと弱点がはっきりしていることで2連覇に向けて課題は少なくない。3年契約の最終年にあたる「野神(野球の神)」キム・ソングン監督の集大成として、より完成度の高い野球が見られることを期待したい。


【本拠地】 仁川・文鶴野球場

 2002年に開場した、総天然芝の美しい野球場。2007年から「Spo-tainment」のキャッチフレーズを掲げ、球場のテーマパーク化を進め、球場内の通路には子供のための遊戯施設もある。年々場内施設は進化を続け、2010年にはレフト外野に芝生席の「グリーンゾーン」も設置された。球場の南側に小高い山があり、緑豊かな環境のため、地球にやさしい「グリーンスポーツ」がひとつのテーマである。

 なお入場料金は、2010年シーズンから自由席が従来の6000ウォンから8000ウォンに値上げされた。その他の料金は、一般の指定席が1万2000ウォン、テーブルつき指定席が1万8000ウォン、内外野のファミリーゾーン(4人から7人)や外野のバーベキューゾーンが1人当たり1万ウォン、外野フェンス上のホームランゾーン(カップル専用)の2人席は2万ウォンとなっている。(いずれも2010年の料金)



(SKの選手がホームランを打つと、バックスクリーンの噴水から水が上がる。〉




[交通アクセス]
 仁川地下鉄1号線・文鶴競技場(ムナクキョンギジャン)駅から徒歩5分。すぐ裏には文鶴競技場(2002年サッカーW杯会場)がある。
 ソウル駅からは仁川方面への首都圏電鉄線の電車に乗り、富平(プピョン)駅で仁川地下鉄1号線に乗り換えて1時間程度で到着。仁川国際空港からは、空港鉄道(A`REX)に乗り桂陽(ケェヤン)駅で仁川地下鉄1号線に乗り換え、1時間10分程度で到着。また、文鶴競技場前のバス停留所に止まる仁川空港からのバスもある(所要時間1時間前後)。ソウル・金浦(キムポ)空港からも空港鉄道と仁川地下鉄1号線で行くことができ、所要時間45分程度。
 また、国内各都市から近くの仁川総合バスターミナルまで高速バスの便があり、同ターミナルから文鶴競技場駅までは仁川地下鉄1号線で1駅しか離れていないため、大田や光州などの地方都市へのアクセスがよい。また球場周辺には目だった飲食店や店舗はなく、文鶴競技場駅付近には野球開催日になると屋台が軒を並べる。 
(文責 : ふるりん