2014-03-25

　トゥサンで若手育成に定評のあったキム・ギョンムン初代監督の指揮のもと、初の1軍公式戦に参加した2013年は大方の予想以上の健闘を見せ、勝率は4割を超えキア、ハンファを抜いて7位となった。オフにはイ・ジョンウク、ソン・シホンと2人の大物ＦＡ選手を獲得するなど大型補強を続け、上位進出も可能ではないかという声も聞こえてくる。

【投手陣】

〈先発〉　
チャーリー、エリック、イ・ジェハク、◎ウェーバー、イ・テヤン、△ノ・ソンホ
〈中継ぎ〉
イム・チャンミン、イ・ミンホ、チェ・グムガン、ソン・ミンハン、◎△イ・ヘェチョン、◎パク・ミョンファン
〈抑え〉
キム・ジンソン

注　：　◎は新加入、○は新人、△は左腕
　2014年シーズンまで、ＮＣは特例で外国人選手が他球団の3名より1名多い4名まで認められている。2013年最優秀防御率のチャーリー、先発ローテーションを守ったエリックに、新外国人右腕サド・ウェーバーまで加わった。また2013年初の10勝をあげ新人王となったイ・ジェハクにもさらなる飛躍が期待される。先発陣だけを見れば決して他球団に引けをとらない。
　問題はリリーフ陣である。2013年は抑えを固定できず苦しんだ。2014年シーズンもソン・ミンハンや、トゥサンから二次ドラフトで指名したイ・ヘェチョン(元東京ヤクルト)、4年近く1軍登板のないパク・ミョンファンなど、名のあるベテラン投手に頼らなくてはならない。抑えはキム・ジンソンが任されると思われるが、リリーフ陣は全体としてこれまで実績のない若手が入り込むチャンスが十分にある。

【打撃陣】

〈ベストオーダー〉

１．イ・ジョンウク（中）　△◎
２．キム・ジョンホ（左）　△
３．ナ・ソンボム（右）　△　　
４．テームズ（一）　△◎
５．イ・ホジュン（指）　
６．モ・チャンミン（三）　
７．ソン・シホン（遊）　◎
８．キム・テグン（捕）　　　
９．パク・ミヌ（二）　△　　

〈控え〉
(捕手) ホ・ジュン、イ・テウォン
(内野手)　△チョ・ヨンフン、チ・ソックン、△ノ・ジンヒョク、イ・サンホ、イ・ヒョンゴン、◎カン・ミングク
(外野手) △パク・チョンジュン、クォン・ヒィドン、キム・ソンウク、クォン・ヒィドン、オ・ジョンボク

注：　◎は新加入。△は左打者。
　
　トゥサンからイ・ジョンウク、ソン・シホンとＦＡ選手2名の加入により、選手層が厚くなった印象を受ける。また新外国人打者テームズも実績は十分で中軸を任せるに足る。2013年不動の4番だったイ・ホジュンも38歳と年齢が高いため、生え抜きの大砲候補ナ・ソンボムのさらなる成長が望まれる。イ・ジョンウク、2013年盗塁王のキム・ジョンホの上位打線が出塁し、中軸で着実に得点を返すパターンが確立できそうだ。
　内野のノ・ジンヒョク、チョ・ヨンフン、チ・ソックン、外野のクォン・ヒィドンなど、2013年はレギュラーとして活躍したが、大型補強により追いやられた選手たちの奮起も期待したい。競争意識を高めるという点でも、大物選手の加入は刺激剤になる。　

　新球団という初々しいイメージから、去年得た経験を糧にして更なる成長を遂げ、2年目にして初のポストシーズン進出も夢ではないという上昇ムードに乗るＮＣダイノス。だがリリーフ陣の薄さという弱点は解消されていないため、万全の体制というわけではない。思わぬ苦い経験もチームの成長のためには必要であるし、まだまだ一人歩きを始めたばかりのチームにはこれまで注目されていなかった若手たちの登場と活躍も不可欠である。

【本拠地】
　馬山総合運動場野球場
　
　韓国南東部にある馬山(マサン)の街は古来から港町として栄え、1970年代から自由貿易地帯として工業地域となり、経済発展を支えた。2010年近隣の昌原(チャンウォン)、鎮海(チンヘ)といった都市と合併して誕生した昌原総合市の一部となった。街の中心部のそばに野球場があり、2010年までロッテの準本拠地として利用され、以前はロッテファンが多かったが、ＮＣダイノスの誕生によりそのかなりの割合が新しい地元チームの応援に回ったと考えられる。2013年シーズン、最初は1勝をあげるのがやっとという生みの苦しみを味わったが、シーズン中にもチームがどんどん成長しているのが見ている側にも感じられ、ファンたちが増えていった。

　2014年シーズンの入場料金は、平日をブルーゲーム、土日・祝日をゴールドゲームとした2種類の設定となっている。内野指定席はブルーゲーム(以下B)が10000ウォン、ゴールドゲーム(以下G)が12000ウォン。1塁側応援席、内野指定テーブル席(上段)はBが15000ウォン、Gが20000ウォン。内野テーブル席(下段)、ダイナミックゾーン(内野フィールドにせり出した席)はBが21000ウォン、Gが25000ウォン。中央テーブル席はBが26000ウォン、Gが30000ウォン。外野指定席はGが7000ウォン、Bが8000ウォン。外野自由席はB、Gともに5000ウォン。その他内外野に4人、6人と団体観戦用のパーティー席・家族席、最大20人が観戦できる個室のスカイボックスがある。