3月6日より2017 WBC1次ラウンド・A組開幕 初戦はイスラエル
世界最高の国際大会として4度目の開催となる2017 WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)が、いよいよ3月6日に開幕となる。今大会は韓国での1次ラウンド初開催ということで、2013年大会はまさかの1次ラウンド敗退で終わった韓国代表には雪辱を晴らす絶好の機会となる。
WBC韓国代表は大会開幕の前日となる5日、会場となる高尺(コチョク)スカイドームで練習を行った。記者会見の席で2006年、2009年大会に続いて3度目のWBC韓国代表の指揮をとるキム・インシク監督は、投打ともに問題はあるが相手にぶつかっていくしかない、と改めて決意を表明した。
初戦の相手イスラエルは2016年9月に開催された予選を突破し本大会初出場となるチームで、主にアメリカ合衆国出身のユダヤ系の野球選手から構成されている。2017年シーズン開幕時にメジャーリーグベースボール(MLB)の主力として活躍するであろう選手は見当たらないが、MLBの経験が豊富な選手も少なくなく、まったく油断ならない相手である。イスラエルの韓国戦の先発は2015年までMLB通算124勝の実績がある右腕ジェイソン・マーキーが予定されている。打線にも2016年にはニューヨークメッツに昇格したタイ・ケリー、2016年までMLB通算82本塁打の長距離打者アイク・デービスなどの選手がそろっている。なお、韓国代表のイスラエル戦の先発はチャン・ウォンジュン(トゥサン)が予定されている。
3月7日、2試合目となるオランダは2013年大会で0-5と敗れた因縁の相手である。この大会でオランダは2次ラウンドでキューバを下し準決勝へ進出と快進撃を見せた。この時の主力野手が現在はMLBのチーム主力に成長し、ザンダー・ボガーツ(ボストンレッドソックス)、アンドレルトン・シモンズ(ロサンゼルスエンゼルス)、ディディ・グレゴリウス(ニューヨークヤンキース)、ジョナサン・スクープ(ボストンレッドソックス)などの内野手はWBC出場の16チーム中屈指の実力者がそろっている。また2011〜2013年に日本プロ野球・セントラルリーグで3年連続本塁打王、2013年には日本プロ野球記録のシーズン61本塁打を放った長距離打者ウラジミール・バレンティン(東京ヤクルト)も脅威である。投手陣では2013年から2014年までサムソンで活躍したリック・バンデンハーク(福岡ソフトバンク)が韓国戦の先発として予想され、これまた韓国の打者たちには怖い存在である。対する韓国の先発はアンダースローのウ・ギュミン(サムソン)が予想される。
3月9日、3試合目となる台湾はWBCで4大会連続で対戦する近隣諸地域のライバルである。選手選考の過程で台湾野球界の政治的対立があり、一部のプロ野球チームが選手の派遣を拒否し、MLB傘下のマイナーリーグに所属する選手もあまり招集できなかったため、評価はさして芳しくない。過去3大会はすべて韓国が勝利しているなど相性もいいが、決して油断はならない。韓国代表の先発は左腕ヤン・ヒョンジョン(キア)が予想されている。
なお、各チーム3試合ずつを終えて2チーム以上の勝敗が並び2次ラウンド進出チームが決まらない場合、3月10日にプレーオフが高尺スカイドームで開催される。
4度目の出場となるWBC韓国代表は、近年の国際大会で出場したチュ・シンス(テキサスレンジャーズ)、リュ・ヒョンジン(ロサンゼルスドジャース)、カン・ジョンホ(ピッツバーグパイレーツ)、キム・ヒョンス(ボルティモアオリオールズ)などMLB所属の選手たちがこぞって出場を辞退し、あまり評価は芳しくない。だが2016年はシアトルマリナーズで活躍し2017年シーズンより古巣ロッテジャイアンツに復帰するイ・デホ(元福岡ソフトバンク)、キム・テギュン(ハンファ・元千葉ロッテ)などの国際経験豊富な打者や、さらには2016年はセントルイスカーディナルスで活躍した韓国最高の抑え投手オ・スンファン(元阪神)など、他チームの脅威になる選手たちは少なくない。ホームの地の利を生かし、まずは6日の初戦・イスラエル戦に勝利して勢いに乗りたい。また2015 WBSCプレミア12で韓国代表を優勝に導いた百戦錬磨のキム・インシク監督の采配や選手起用にも期待したい。
【2017 WBC 韓国代表出場登録選手 28名】
投手 : チャン・ウォンジュン、イ・ヒョンスン(以上トゥサン)、ウォン・ジョンヒョン、イム・チャンミン(NC)、チャ・ウチャン(LG)、ヤン・ヒョンジョン、イム・チャンヨン(以上キア)、パク・ヒィス(SK)、シム・チャンミン、ウ・ギュミン(以上サムソン)、チャン・シファン(KT)、イ・デウン(警察)、オ・スンファン(セントルイスカーディナルス)
捕手 : ヤン・ウィジ(トゥサン)、キム・テグン(NC)
内野手 : ホ・ギョンミン、キム・ジェホ、オ・ジェウォン(以上トゥサン)、パク・ソンミン(NC)、ソ・ゴンチャン、キム・ハソン(以上ネクセン)、キム・テギュン(ハンファ)、イ・デホ(ロッテ)
外野手 : ミン・ビョンホン、パク・コヌ(以上トゥサン)、チェ・ヒョンウ(キア)、イ・ヨンギュ(ハンファ)、ソン・アソプ(ロッテ)
※( )内の所属チームは2017年3月5日現在。
【2017 WBC1次ラウンドA組 試合日程】
3月6日 18時半- 韓国−イスラエル
3月7日 12時- 台湾−イスラエル
18時半- 韓国−オランダ
3月8日 18時半- オランダ−台湾
3月9日 12時- オランダ−イスラエル
18時半- 韓国−台湾
3月10日 18時- プレーオフ(2次ラウンド進出チーム決定に必要な場合のみ開催)
※ 試合会場はすべて高尺スカイドーム(ソウル特別市)。上位2チームは2次ラウンド・E組(3月12日より日本・東京ドームにて開催)に進出。
沖縄で練習試合
日本・沖縄県でキャンプ中のSKとロッテは5日、SKのキャンプ地・具志川野球場で練習試合を行った。
ロッテは1回表にSKの先発イム・ジュンヒョクからチェ・ジュンソクのタイムリー、オ・スンテクの犠牲フライで2点を先制し、先発ラリーも2回裏まで無失点に抑えた。SKは3回裏にロッテの2番手イ・ジョンミンからキム・ガンミン、チョン・ジンギの犠牲フライ、キム・ドンヨプのタイムリーで3-2と逆転し、4回裏にロッテの3番手の新外国人マーケルからチェ・ジョンヨンの内野ゴロの間に1点を追加した。SKの2番手の大卒新人キム・ソンミンは5回表まで無失点に抑えた。
ロッテの4番手ソン・スンナクは5回裏、5番手ソン・スンジュンは6回裏をそれぞれ無失点に抑えた。SKは7回裏にロッテの6番手ユン・ギルヒョンからキム・ドンヨプのタイムリー、イ・ミョンギへの押し出しの死球、キム・ミンシクへの押し出しの四球で3点を追加した。3番手キム・ジュハンが8回表まで、4番手ソ・ジニョンが9回表を無失点に抑え、SKが7-2で勝利した。