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姿勢を正し,集中して取り組もう

ドラゴン桜公式副読本 16歳の教科書~なぜ学び、なにを学ぶのか~

ドラゴン桜公式副読本 16歳の教科書~なぜ学び、なにを学ぶのか~

なぜ16歳かについては,開講の辞から.

きみたちはなぜ,大人たちもしないような勉強をしているんだろう?
きみたちはここで,なにを学ぼうとしているのだろう?
もし,きみたちが高校3年生になったら,こんなことを考える余裕はなくんる.そんなことを考える時間があったら,ひとつでも多くの単語を覚え,ひとつでも多くの計算式をこなすことが求められる.
だから,16歳といういま,きみたちは真剣に考えてほしい.自分が勉強する理由,そして自分が勉強するものの正体を.
(p.5)

「なぜ」,その上で「なにを」学ぶかについて,高校1〜2年生の時期というのはたしかにいいタイミングだと思います.
大学1〜2年生の時期も.
読み通しまして,「16歳の教科書」とあるけれど,大学生にとっても,就職を前に,今なぜ何をどのように学ぶかを考えるにもいい本だと考えます.塾や家庭教師で高校生を教えているなら,なおさらです.
国語,数学(計算問題,図形問題),英語,理科(物理),社会,そして課外授業として心理について,大学教授や名物塾講師らが,例題を通した科目学習のアドバイスや,経験をもとにした教育論を語っています.後者について興味深かった*1のを1点,挙げておきます.

これは意外な話かもしれないけど,数学が苦手な生徒って,姿勢が悪いんですよ.
体を傾けたり,のけぞったりして授業を聞いて,テストに臨んでいる.
(略)こんな姿勢では,数学にとって大切な「集中力」が生まれません.だから,なおさらわからなくなってしまうんです.
一方,できる生徒は難しい問題が出てなかなかわからなくても,とりあえず前傾姿勢で机に向かっているんです.それで問題を鉛筆でなぞりながら何度も読んだり,問題文を自分で書き直してみたりとか,前向きな努力を続けている.そうしているうちに,ふと「なるほど!」というきっかけが見えるようになるんです.
(略)
それから「左手を使わない」という特徴もありますね.
生徒たちを見ていると,左手をお尻や太ももの下に入れて問題を解いている生徒は,けっこう計算ミスが多い.(略)
だから僕の塾では,まず姿勢です.
姿勢を正しくすることから勉強は始まる.そして,実際それだけで成績が伸びていく.数学に関していえば,もう間違いなく伸びます.これはいますぐ,誰にでもできる成績アップ術ですよ.足を組むのもダメ.基本原則は「体を左右対称にすること」です.
(pp.60-62)

姿勢の大切さについて,授業で,また研究室指導にも,取り入れていきます.
それと,説明の仕方という点でも,Xがないことを起因とするまずい点,Xを取り入れることのメリットがくっきりわかる書かれ方になっています.教え諭す際にはもちろんアレンジが必要ですが,このように対比する書き方は,ブログでも積極的に使っていきたいですね.
初版は昨年6月ですが,新年からいい本に出会えました.

*1:書かれたのは鍵本聡氏で,執筆者の中で唯一,面識がある,という事情もあります.