わさっきhb

大学(教育研究)とか ,親馬鹿とか,和歌山とか,とか,とか.

プレゼン コメント 2009-5

親モード,おじさんモード

発表指導は,一人よりも何人かの先生に同時に見てもらうほうが,本人にも教員にも勉強になるものです.
教員は…いや,私に限定しましょう.状況に応じて,2種類の指導方針から選びます.
一つはですね…スライドごとの,小さなあら探しです.書き間違いから始まって,専門用語の選択,未定義の語句,図や表のレイアウトでおかしなところ,スライドの構成,アピールの仕方など,聞きながら気になったことをメモし,しゃべり終わったら,その中でどうしても伝えたいことに絞って,質問するか,ここはこうするほうがいいと断定します.
これをするのは,学生の指導責任を強く感じているときです.たとえて言うと,服にへんなシミとかシワとかついていないか,着こなしは問題ないか,タンスにしまっているあのアクセサリをつけたらぐっと見栄えがよくなるかも,ってな親心です.
もう一つの指導方法はですね…発表本番を念頭に置いて,プレゼンを素直に聞いたときに起こった疑問を,ぶつけます.
こちらは自分が直接の指導者でないときですね.着こなしやアピールポイントを押さえつつ,あれこれ,やきもきする親よりは少し距離を置いて,立ち振る舞いを見せてもらおか,ちょっと肩を押したり,裾を引っ張ったりしても,崩れないのを見せてもらおか,といったところです.「どや?」と聞く,おじさんですかね*1

本研究の目的

「本研究の目的」というタイトルのスライドで,論文から抜き出したと思われる目的が3行だけ.これでは,聞き手にとって,なるほどおもしろい研究をしたんだなと,分かってもらえそうにありません.
その目的は,まあ残しておきましょう.とはいえ,「を目的とする」は削除し,体言止めで引き締めたほうがいいかな.
スライドの下の,空いているところに,その目的を達成するために,少しだけ具体的に,何をしたのかを書いてください.
2項目,挙げられますかね? …「これこれを構築した」と「評価実験を行い,なになに」が基本かな.
これを書いておけば,その次のスライドは構築の話になるんだなと,分かってくれます.
別の研究室の,去年の卒論発表では,具体的に何をしたかはその次のスライドにして,研究の目的のスライドの中に,その研究で手がけたことの用途を書いていました.有用性のアピールですね.
そうそう,「本研究の目的」のスライドを作るときは,その直前に,何を問題とするのかをきちんと指摘することが重要で,質疑でよく突っ込まれるところです.この2枚のスライドは,最大限の注意を払って,作ってください.

*1:おじさんのアドバイスを親が見るのが,冒頭の「教員にも勉強になる」に相当します.