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ペコ回りとは(5): 死に

今日はペコ回りのルールの中で,「死に」あるいは「殺し」と呼ばれていたことについて説明します.
話は簡単で,上位の駒が,カドではない外周上にいる下位の駒を通過したら,下位の駒は「死に」となります.図は前回同様,AとBが駒で,上を進行方向とします.さらに今回は,BがAよりも上位の駒であるという仮定を置きます.

この図では,Bのプレイヤーが4を出して,Bの駒を4つ進めたところです.下位の駒のAが「死に」となりました.このとき,進行方向の一つ左に移動します.さらに言うと,駒をひっくり返して,動けないことが分かるようにします.まあ,外周上にないことから「死に」は明白なのですが.
「死に」の間,自分の番は飛ばされます.そして,昇格・降格することはありません.
どんなときに「死に」が解除されるかというと,もっとも基本となるのは,外周の一つ左にいる状態で,他の,「死に」駒よりも上位の駒が通過したときです.上位の駒は,「殺し」た駒であっても,そうでなくてもかまいません.

もし,上位の駒が通過せず,「生き返るときの位置」にぴったり止まってしまったら…

死にの駒は,生き返るのと反対方向に移動します.ここでももう一度駒をひっくり返しますが,生きているという意味ではありません.2回通過してもらわないと,生き返りとなりません.
この,ぴったり止まったときのルールは,より広く解釈されて,次のように運用していました.すなわち,上位の駒が,死に状態にある駒と,縦軸(筋)または横軸(段)のいずれかが同じになったら,上位の駒が押し込む形で,下位の駒を移動させます*1
実戦例で見てみましょう.

右上で「死に」になっている歩は,上位の駒に通過されてから,別の上位の駒に横付けされ,2段階の「死に」になっている状態です.
ここで銀の駒の番で,金の裏面が4枚出て,8進むと,こうなります.

まず,歩と香は,上位の駒である銀が通過したため「死に」となります.その一方で,「死に」だった歩は,銀とちょうど筋が合いましたので,一つ(盤面から見て)上方向に移動し,幸いにも外周上に出たので,生き返ったわけです.
「死に(殺し)」や「生き返り」と,前回取り上げた一足飛び・ぷぅは,連携することがあります.生き返りの後に,一足飛び判定・ぷぅ判定をします.上位の駒が通過したときに,下位の駒の一つ先の位置についたら,まずぷぅ判定で前後させます.ここで下位の駒がカドに来たら,降格しますが死ににはなりません.後退した下位の駒が,カドでなければ,そこで「死に」となります.この連携のバリエーションはもっとあるので,いずれまとめることにします.
それから,「死に(殺し)」と,通過による「生き返り」(または「死に」の段階を減らすこと)は,上位の駒が前進で通過するときに限られます.後退で通過したときは対象外です.上位の駒が下位の駒と同じ位置に来て一足飛びをした後,下位の駒の番になったとき,もしそこで1や2という少ない目だったら,上位の駒が追い越して「死に」になるかもしれないということで,意図的にションベンをして,やり過ごすということも,よく見られました.
「死に駒の移動」の条件は,上位の駒が前進または後退によって,死に駒と縦か横が合ったときです.死に駒と縦か横が合っている上位の駒が,ションベンで進まないときは,盤面は一切変更がありません.

*1:「死に」の駒の進行方向から見て,水平方向で同じになったら,移動の際にひっくり返しますが,垂直方向で同じになったときは,単純な平行移動とします.