「ぱぱ,だいきらい!」
「んあ? パパが何かしたか?」
「いつものことやん,ちょっと自分の嫌なことがあったらこう言うの」
「…」
「じい,だいきらい! ばあ,だいきらい! まま,だいきらい!」
「あれ? ママも大嫌いなん?」
「まま,だいきらい!」
「そんなこと言う子には,おチョコあげません」
「だいきらい!」
「『ママ,大好き』と言いなさい」
「まま,だい,だい,だい,だい,だい,だい,だい,だい…」
「…」
「…」
「…だい,だい,だい,だい,だいすきくない」
「え!? …何よそれ,もう,この子は!」
「この子なりに,何が求められてるか,分かってんねんな」