算数・数学に関する本を2冊,読みました.
小学校学習指導要領(昭和33年10月1日施行)
書店で購入しました.Amazonでは見つけることができませんでした.
算数を中心に,眺めていると,p.108で,次のとおり書かれているのに興味を覚えました.
イ 加える順序や引く順序をかえても結果が変らないこと。
昭和33年改訂の小学校学習指導要領です.第3節 算数の第2学年,A 数と計算の1項目です.
学習指導要領データベースインデックスから探すと,第3節 算 数に各学年の内容が入っています.ここから「順序」を取り出すと:
- 順序や位置を数で表わすこと。(第1学年A)
- 数の系列における数の位置,数の大小および順序を知ること。(第1学年A)
- 内容は,各領域について,(1),(2)などによって示しているが,これは,この順序で指導することを示しているものではない。(略)(第1学年 指導上の留意事項)
- 数の大小,順序の比べ方。(第2学年A)
- 加える順序や引く順序をかえても結果が変らないこと。(第2学年A)★
- 数の大小,順序の比べ方。(第3学年A)
- 加法・減法について,必要に応じて計算の順序をかえるなど,計算の方法をくふうする能力を伸ばす。(第3学年A)★
- 四則の混合した式について計算の順序を知ること。(第4学年C)
- 多くの数について計算する場合に,その計算を進める順序を考えたり簡便な方法をくふうしたりすること。*1(第5学年A)★
★をつけた3項目が,計算の順序を変えても答えが変わらないことに関連する記述です.なお,次の改訂を見ると,これと同じ意味となるような「順序」は,見つかりませんでした.
「加える順序や引く順序をかえても結果が変らないこと」から,a+b+c=a+c+bとa−b−c=a−c−bが思い浮かびます.a+b=b+aやa+b−c=a−c+b*2が含まれるかどうかは,当時の教科書や指導書,問題集に当たらないと,分かりません.
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本のほうですが,さらさらと読むことができました.読むだけというのもなあと思いまして,たまたま目についた
1辺の長さが8cmの立方体ABCD-EFGHの辺CD、BCの中点をそれぞれM、Nとする。このとき、四角形MHFNの面積を求めなさい。
(p.105)
を,本文を無視して解いてみました.与えられた立方体のうち正方形ABCDと面を共有するよう,同じ大きさの立方体ABCD-WXYZを置くと,5つの点Y,M,N,H,Fは同一平面上にあり,△YHF∽△YMNで相似比は2:1となります.あとはごりごりと計算して,四角形MHFNの面積は本文と同じく,72㎠となりました.
「割り算には2つの意味がある」(pp.75-80)について,話の組み立ては分かるけれど,読者向けではないなあという印象を持ちました.『数とは何か?―1、2、3から無限まで、数を考える13章 (BERET SCIENCE)』(優しい本の2冊目)と同じです.参考文献や,次に読むといい本の紹介がないという共通点もあります.