わさっきhb

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平成27年度算数教科書読み比べ(6)〜確認できなかったこと

  • 交換法則の説明で「じゅんじょ」の使用
  • 記号「≠」の使用
  • 交換法則を学習したら,かけられる数・かける数はどちらでもいいというまとめ方

これらを,教科書から探そうとするのは,無駄なことかもしれません.


「≠」を探すきっかけとなった情報を,挙げておきます.

前述の通り、この問題は2年生のかけ算の学習のまとめにあたりますから、少なくとも2年生では、最後まで「5×3≠3×5」というのが、教科書的な理解である……ということになります。

教科書会社のトップ「東京書籍」に言わせると、「5×3≠3×5」らしい。 - 小学校笑いぐさ日記

「子どもが4人遊んでいました。そこにあらたに子どもが3人やってきました。子どもは何人になりましたか?」
前の合併型がもっぱら空間的で同時存在しているものを対象としているのに対して,この増加型は時間的構造をもっているという点がはっきり違う。前の場合には,加えられる項4と3はほぼ対等であって,加法を
4+3=3+4
のいずれで表記しても,意味上そう違いはなかったが,この増加の場合には,被加数の4と加数の3とはまったく質が異なっている。4ははじめに存在しているいわば土台であり,3はあとからつけ加える増加分にすぎない。だから,意味の上からは確かに
4+3≠3+4
であって厳密には交換法則は成り立たない。この両辺の《値》が等しくなるのは,ただの結果としてにすぎない。
(『数の科学―水道方式の基礎 (1975年) (教育文庫〈7〉)』p.62; 転載元)

「≠」の使用を見かけたら,「算数教育から離れた主張」と思うのがよさそうです.ところで数学的にも要注意なところがあって,「≠」は「<」や「=」と異なり,推移性を満たさない(a≠bとb≠cから,a≠cは言えない)点は忘れないようにしたいものです.