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2016年03月29日

[] 組体操の「やぐら」について

「やぐら」とは

複数人による組体操(組立体操)の技のうち,「左右対称の構成で,最上段の者のみが正面を向き,他の者は四つんばいまたは中腰で左右を向くという組み方」を,本記事では「やくら」と呼びます.

もっとも基本となるやぐらは,5人で組み上げます.組体操を解説した複数の本に載っています.

人数を変えたバリエーションについても見ていきます.

5人のやぐら

5人による,やぐらの完成形は,以下のイラストのとおりです.

f:id:takehikom:20160303060132j:image

このイラストは『子どもも観客も感動する! 「組体操」絶対成功の指導BOOK』p.44のもので,技名は「やぐら」です.そのほか,『みんなが輝く組体操の技と指導のコツ』pp.50-51では,カラー写真つきで詳しく解説しており,こちらの技名は「5人やぐら」です.

『組体操指導のすべて―てんこ盛り事典』の表紙も,同じ形です.ただし「やぐら」という名称ではなく,p.98で「5人表彰台」,p.135で「ブロッケン」としています.

完成までの手順は次のとおりです.

3段の「やぐら」を、5人が協力してつくります。
はじめに、1段目の2人が並びます。
  1人ずつ、外側(互いに反対方向)を向きます。
  四つんばいになり、手足を地面につけます。
  2人は足を近づけますが、くっつけないくらいの距離(膝どうしの距離は
  1メートル程度)にします。
2段目の2人が並びます。
  1人ずつ、1段目の人の後ろにつきます。
  足は地面で、1段目の人の足先の外です。
  中腰の姿勢をとり、手は、1段目の人の背中に乗せます。
3段目の人が、2段目の2人の背中に足を乗せて、正面を向いて立ちます。
最後に3段目の人がポーズを決めたら、完成です。

7人のやぐら

7人による,やぐらの完成形は,以下の記事をご覧ください.

「3段タワー」という名称です.

完成までの手順は次のとおりです.

3段の「やぐら」を、7人が協力してつくります。
はじめに、1段目の4人(2人ずつ、2グループ)が並びます。
  グループごとに、外側(互いに反対方向)を向きます。
  四つんばいになり、手足を地面につけます。
  反対方向を向く2人どうしで、足を近づけますが、くっつけない
  くらいの距離(膝どうしの距離は1メートル程度)にします。
2段目の2人が並びます。
  1人ずつ、1段目の人の後ろにつきます。
  足は地面で、1段目の人の足の間です。
  中腰の姿勢をとり、手は、1段目の人の背中に乗せます。
3段目の人が、2段目の2人の背中に足を乗せて、正面を向いて立ちます。
最後に3段目の人がポーズを決めたら、完成です。

9人のやぐら

9人による,やぐらの完成形は,以下のイラストのとおりです.

f:id:takehikom:20160303060133j:image

このイラストは『8時間でできる!組体操の指導法』p.24のもので,技名は「天空の城」です.そのほか,『みんなが輝く組体操の技と指導のコツ』pp.80-83にカラー写真つきで詳しく解説しており,こちらの技名は「9人やぐら」です.

イラストは7人しかいないようにも見えますが,7人のやぐらと同じように,最下段は2人ずつ横並びになっています.

完成までの手順は次のとおりです.

4段の「やぐら」を、9人が協力してつくります。
はじめに、1段目の4人(2人ずつ、2グループ)が並びます。
  グループごとに、外側(互いに反対方向)を向きます。
  四つんばいになり、手足を地面につけます。
  反対方向を向く2人どうしで、足を互い違い(膝どうしの距離は
  50センチメートル程度)にします。
2段目の2人が並びます。
  1人ずつ、1段目の外側から、内側(互いに視線が合う)を向きます。
  中腰の姿勢をとり、手は、1段目の人の背中に乗せます。
  足は地面です。
3段目の2人が並びます。
  1人ずつ、中腰の姿勢をとり、1段目の人と同じ方向を向きます。
  手は、2段目の人の背中に乗せます。
  足は、1段目の人の腰に乗せます。
4段目の人が、3段目の2人の背中に足を乗せて、正面を向いて立ちます。
最後に4段目の人がポーズを決めたら、完成です。

21人のやぐら

21人による,やぐらの完成形は,以下のイラストのとおりです.

f:id:takehikom:20160303060134j:image

このイラストは『8時間でできる!組体操の指導法』p.27のもので,技名は「インフィニティー」となっています.

完成までの手順は次のとおりです.

5段の「やぐら」を、21人が協力してつくります。
はじめに、1段目の8人(4人ずつ、2グループ)が並びます。
  グループごとに、外側(互いに反対方向)を向きます。
  四つんばいになり、手足を地面につけます。
  反対方向を向く2人どうしで、足を近づけますが、くっつけない
  くらいの距離(膝どうしの距離は1メートル程度)にします。
2段目の6人(3人ずつ、2グループ)が並びます。
  グループごとに、1段目の人の後ろにつきます。
  足は地面で、1段目の人の足の間です。
  中腰の姿勢をとり、手は、1段目の人の腰に乗せます。
3段目の4人(2人ずつ、2グループ)が並びます。
  グループごとに、1〜2段目の外側から、内側(互いに視線が合う)を
  向きます。
  中腰の姿勢をとり、手は、2段目の人の背中に乗せます。
  足は、1段目の人の背中に乗せます。
4段目の2人が並びます。
  1人ずつ、中腰の姿勢で、1〜2段目の人と同じ方向を向きます。
  手は、3段目の人の背中に乗せます。
  足は、2段目の人の腰に乗せます。
5段目の人が、4段目の2人の背中に足を乗せて、正面を向いて立ちます。
最後に5段目の人がポーズを決めたら、完成です。

3人のやぐら?

5人のやぐらは3段で構成されます.ここから1段,高さを減らすと,どうなるでしょうか.

土台が2人で四つんばいになって,互いに反対方向を向き,その背中に3人目の演技者が乗る状態が,考えられます.3人技です.中腰の人は,いません.

『8時間でできる!組体操の指導法』p.14で「岩」,『子どもも観客も感動する!「組体操」絶対成功の指導BOOK』p.33で「大地」,『組体操指導のすべて―てんこ盛り事典』p.85で「表彰台」という技名で,それぞれ取り上げられています.

人数と段数のまとめ

段数人数1段目2段目3段目4段目5段目
2段3人1人×21人---
3段5人1人×21人×21人--
3段7人2人×21人×21人--
4段9人2人×21人×21人×21人-
5段21人4人×23人×22人×21人×21人

書籍

組体操指導のすべて―てんこ盛り事典

組体操指導のすべて―てんこ盛り事典

経緯

本日とほぼ同じタイトルの記事を,以前に公開しています.

それを書いた当時は,「体育科教育」のための原稿準備に当たっていました*1.「組体操の荷重計算をエクセルで」というテーマを,もらっていましたので,1つの技について,その構成と,荷重を含む各演技者の情報を記載したExcelのワークシートを,配置し,説明することにしました.

何の技を取り上げるかで,少し悩みました.ピラミッドは十分に検討されてきたのに加えて,イラスト作成が容易ではありません.

上記の書籍をもとに,5人技の「やぐら」が,絵を描くにもワークシートを載せるにもちょうどよく,また,「荷重をかける人」「荷重がかかる人」「荷重がかかり,(自重を加えて)かける人」がいるという,役割分担の面からも良いと判断し,採用しました.イラストにおいて,人は線(UMLでよく用いられるstick manの形状ですが,『組体操指導のすべて―てんこ盛り事典』でも使われています)で表しています.

この技を選んだ時点では,荷重計算は深く考えていませんでした.7人のやぐら(内田氏の提唱する「安全性を追求した3段タワー」)を知り,「やぐら」の共通点をもとに関連技を把握し,段数・人数に応じた荷重計算を,gfに取り入れたのでした.

(最終更新:2016-03-30 深夜

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