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空欄適語問題,微調整

いきなりですが問題です.次の文章をご覧ください.

(A)の保護について,国内外で大きな関心が払われている.国内では,昨年施行の改正(A)保護法により,個人識別符号や匿名加工情報などが新たに定義された.ただし,(A)はデータ化した企業・組織のものではなく,(B)のものであることなどは,改正前と変わらない.海外ではEU一般データ保護規則(英字4文字で(C)と書かれる)が今年5月より適用開始となり,範囲がEU(正確にはEEA)に限定されないことや制裁金の高さから,企業は対応に迫られている.アメリカの(D)州では今年6月に,非常に厳しいレベルの(A)保護を求める法案が可決された.

(A)〜(D)に当てはまる適切な語句を答えなさい,という問題文を作ったのですが,ちょっと面白みに欠けます.そして,別の文章との兼ね合いから,答えてもらう語句を1つ,減らしたいと思うようになりました.
どのように修正すればいいでしょうか.


本日実施した試験の,空欄適語問題です.20箇所の穴埋めで,最初の10個はSSL/TLS関連,次の7個はRSAが暗号化だけでなくデジタル署名*1にも使える理由などを出題しました.そして最後の3つで,(A)関連というわけです.
上記の(A)〜(D)の答えを書いておきます.(A)は「個人情報」,(B)は「本人」,(C)は「GDPR」,(D)は「カリフォルニア」です.いずれも第14回の授業で解説しました.後二者についてはMoodle内の関連情報(リンク集)に以下の2つを載せました.

修正にあたり,まず,解答数を4つから3つに減らすことから始めます.答えの4つのうち,テストで問う重要度が最も低いのは,(D)です.「アメリカの」から始まる,最後の文全体を,取り除いてもよさそうですが,とりあえず残しておきます.
次に,(A)〜(C)で出題の仕方を変えられるものがないか,検討します.(A)の「個人情報」と(C)の「GDPR」は,筆記試験で解答してほしいと期待する語句です.なのでそれらはそのままにして,残りの(B)です.「本人」は,新法・旧法とも,第2条で定義されている語句なのですが,そのことは授業で解説していないので,試験勉強をして解答する学生からすると,「本人」という普通名詞を書くのかということになります.
そこで(B)の問い方を変更します.「改正前と変わらないことは何か」を尋ねます.修正後の問題文は,次のようになります.

(A)の保護について,国内外で大きな関心が払われている.国内では,昨年施行の改正(A)保護法により,個人識別符号や匿名加工情報などが新たに定義された.ただし,(B)ことなどは,改正前と変わらない.海外ではEU一般データ保護規則(英字4文字で(C)と書かれる)が今年5月より適用開始となり,範囲がEU(正確にはEEA)に限定されないことや制裁金の高さから,企業は対応に迫られている.アメリカのカリフォルニア州では今年6月に,非常に厳しいレベルの(A)保護を求める法案が可決された.

(B)に当てはまるものとして,「個人情報はデータ化した企業・組織のものではなく,本人のものである」のほか,授業資料に基づき以下の解答もOKということで,解答例の速報版を作りました.

  • 利用目的をはっきりさせ,本人の同意を得る
  • 三者提供におけるオプトアウトが規定されている
  • 事業活動を行っていれば,個人でも法人でも非営利団体でも任意団体でも個人情報取扱事業者となる

試験はつつがなく終了しました*2Moodleに試験問題と解答例のPDFファイルを置いたのち,学生室の空席を借りて,答案を学生番号順に並べ替え,自室に戻って採点をしていると,途中で,帰る時間になりました.上記の修正した(B)とともに,もう一つ,文を解答する問題について,他より無解答の割合が多いなというのが現状です.

*1:昨年度まで,シラバスや授業資料には「ディジタル署名」と書いていたのですが,思うことあって今年度は「デジタル署名」に変更しました.目についた「ディ」は「デ」に,修正したつもりなのですが,PowerPointの授業資料には「ディ」がけっこう残っていました.

*2:個人的に来年度は注意しないとと思ったのは,解答用紙の「おかわり」です.受講者数が多かったため,2教室に分かれて試験を実施し,それぞれの部屋に試験監督(学部の教員)がつき,自分は2教室を往復したのですが,一つの部屋は「おかわり」を認め,申し出があるたびに,1枚渡していました.その後もう一つの部屋に入ると,試験監督の先生から「解答が書けなくなったので裏面に書いていいですかという問い合わせがあり,いいですよと答えました.これでよかったですか?」と尋ねられたので,こちらの部屋ではこの方針(「おかわり」を渡さず,裏面に書いてもらう)としました.