たけみたの脱社会学日記 このページをアンテナに追加 RSSフィード

社会学関係の、ある程度まとまった文章はこちらに移していくことにしました。

2007-07-21

結婚と結婚相手の選択についての重要な研究成果――若者の役に立つ事実(2004年11月)

http://marriage.rutgers.edu/Publications/pubtenthingsyoungadults.htm

米国の話です。

1 10代での結婚は、知られている中で離婚リスクが最も高い要因である。

10代で結婚した人の離婚率は、20代以降に結婚した人の2〜3倍である。

  • 年齢カテゴリーをどう構成するか、結婚後何年間を対象期間とするかによって、20代以降に結婚した人に対する10代で結婚した人の離婚のしやすさは、2倍から3倍の幅がある。T. C. Martin and L. Bumpass "Recent Trends in Marital Disruption," Demography 26 (1989): 37-5. 政府による最近の研究だと、18歳未満で結婚した女性の59%が15年以内に離婚するか別居している。20歳以降に結婚した女性の場合だと36%である。National Center for Health Statistics, Cohabitation, Marriage, Divorce, and Remarriage in the United States. (Hyattsville, MD: Department of Health and Human Services, 2002), http://www.cdc.gov/nchs/data/series/sr_23/sr23_022.pdf

2 将来の結婚相手を見つけるのに最も有効なのは、家族や友達や知人からの紹介である。

偶然や運命の出逢いから恋に落ちて・・・みたいなロマンティックな考え方があるが、研究からわかるのは、同じような趣味や背景をもった人同士が知り合ったり、特に結婚相手を選ぶ際に重要なのは社会ネットワークだということである。性に関する全国規模の調査によると、既婚者のほぼ60%が、相手を家族、友人、同僚その他の知人から紹介されている。

  • Edward O. Laumann, John H. Gagnon, Robert T. Michael, and Stuart Michaels, The Social Organization of Sexuality (Chicago, IL: University of Chicago Press, 1994) pp. 234-5.

3 価値観や背景や人生目標が互いに似通っている夫婦ほど、結婚生活がうまくいく。

自分と違った人ほど魅力的に見えるということはあるが、夫婦として一緒に暮らすとなるとうまくいかないことがある。共通の背景を持っていたり、似たような社会的ネットワークを持っている夫婦は、背景やネットワークが全然違う夫婦よりもうまくいく。

  • Finnegan Alford-Cooper, For Keeps: Marriages that Last a Lifetime (Armonk, NY: M. E. Sharpe, 1998); Judith Wallerstein and Sandra Blakeslee, The Good Marriage (Boston: Houghton Mifflin, 1995); Jeffry H. Larson and Thomas B. Holman, "Premarital Predictors of Marital Quality and Stability," Family Relations 43 (1994): 228-237; Robert Lauer and Jeanette Lauer, "Factors in Long-Term Marriage," Journal of Family Issues 7:4 (1986): 382-390.

4 女性の場合、未婚の母でない方が、その後結婚できる確率が有意に高い。

婚外子を持っていると、その後結婚できる確率が減少する。子供を持つ未婚者の数は増えているが、ある研究によると「子供を持っていることは、まだ、結婚相手の候補の特徴として最も不利な条件である。」男性でも女性でも、相手の条件で、「子供がいる」よりも望ましくないと考えるのは、「定職に就けない」しかない。

  • Gayle Kaufman and Frances Goldscheider, "Willingness to Stepparent: Attitudes Toward Partners Who Already Have Children," paper presented at the annual meeting of the American Sociological Association, 2003. Available at (http://www.asanet.org/convention/2003/program.html). アフリカ米国人のおかれている状況についてはOrlando Patterson, Rituals of Blood: Consequences of Slavery in Two American Centuries (Washington, DC: Civitas, 1998): 72-76.

5 女性でも男性でも、大卒者は、教育水準がそれ以下の人よりも、結婚しやすく離婚しにくい。

ときどき報道で、大卒女性が一生独身みたいな話が流れたりするが、これは間違いであることがわかっている。大卒女性第一世代(1920年代学士号を取得した世代)は、結婚する人が、教育水準がそれより低い女性よりも少なかったが、今日ではこの関係が逆転している。大卒女性は、それより教育水準の低い女性よりも結婚しやすいのである。しかし大卒者におけるジェンダー格差が大きくなると、大卒女性が同程度の教育水準の男性を見つけることが困難になるかもしれない。アフリカ系米国人女性ではこれがすでに問題化している。アフリカ系の場合、女性大卒者が男性大卒者よりもはるかに多いからである。

  • Joshua R. Goldstein and Catharine T. Kenney, "Marriage Delayed or Marriage Forgone? New Cohort Forecasts of First Marriage for U. S. Women," American Sociological Review 66 (2001) 506-519; Elaina Rose, "Education and Hypergamy in Marriage Markets," (Seattle, WA: Department of Economics, University of Washington, 2004). Available at http://www.econ.washington.edu/user/erose/hypergamy_v2a_paper.pdf

6 婚前の同棲は、「お試し期間」として有効であるとはいえない。

結婚前に同棲を繰り返していた人は、結婚前に同棲をしていない人に較べて、結婚相手と不仲になり、結婚生活を不幸に感じ、最終的に離婚してしまう確率が高い。研究者たちは、このような違いが生じる理由のすべてではないが一部は、同棲の経験それ自体にあるというよりは、同棲するような人に特有の性格、いわゆる「選択効果」にあるとみている。かつては、将来の結婚生活に対して婚前の同棲が及ぼす負の効果は、若者の間で同棲が一般的な経験になるに従って消滅する、という仮説が立てられてきた。しかし、1981年から1997年の間に結婚した夫婦を対象とした最近の研究によると、負の効果は若年のコーホートの間でも依然として存在しており、同棲経験それ自体は結婚生活で生じる様々な問題の源泉となるという見方が裏付けられた。

  • See discussion in Claire M. Kamp Dush, Catherine L. Cohan, and Paul R. Amato, "The Relationship between Cohabitation and Marital Quality and Stability: Change Across Cohorts?" Journal of Marriage and the Family 65 (August 2003): 539-49. 同棲経験と結婚生活の破たんのリスクとの関係についての研究を概観したものとして David Popenoe and Barbara Dafoe Whitehead, Should We Live Together?, 2nd Ed. (New Brunswick, NJ: The National Marriage Project, Rutgers University, 2002). See also William G. Axinn and Jennifer S. Barber, "Living Arrangements and Family Formation Attitudes in Early Adulthood," Journal of Marriage and the Family 59 (1997): 595-611; William J. Axinn and Arland Thornton, "The Relationship Between Cohabitation and Divorce: Selectivity or Causal Influence," Demography 29-3 (1992): 357-374; Robert Schoen "First Unions and the Stability of First Marriages," Journal of Marriage and the Family 54 (1992): 281-84. しかし、結婚しようと思っている相手との同棲では、離婚リスクは上昇しない。

初めて同棲した相手と結婚した夫婦の場合、同棲と婚約が直結しているのである。See, for example, Jay Teachman, "Premarital Sex, Premarital Cohabitation and the Risk of Subsequent Marital Dissolution Among Women," Journal of Marriage and the Family 65 (May 2003): 444-455; Susan L. Brown and Alan Booth, "Cohabitation versus Marriage: A Comparison of Relationship Quality," Journal of Marriage and the Family 58 (1996): 668-678.

7 結婚すると収入や財産が増える。

単に同棲しているだけの人と較べると、既婚者は経済的に裕福になる。男性の場合、結婚すると収入が増える。既婚男性は、似たような教育水準と職歴の独身男性と較べて、10〜40%収入が多い。ここでは、既婚者は健康でなければならない、稼がなければならない、貯金しなければならない、といった社会的規範が一定の役割を果たしている。既婚者の財産が大きいことの原因の一部として、効率的な家庭内分業ができることで貯金がしやすくなるという事情がある。家族成員から受け取る金銭の額は、未婚者(同棲者も含む)よりも既婚者の方が大きい。これはおそらく、家族成員が同棲よりも結婚をより永続的で拘束的なものと考えているからだろう。

  • Thomas A. Hirschl, Joyce Altobelli, and Mark R. Rank, "Does Marriage Increase the Odds of Affluence? Exploring the Life Course Probabilities," Journal of Marriage and the Family 65-4 (2003): 927-938; Lingxin Hao, "Family Structure, Private Transfers, and the Economic Well-Being of Families with Children," Social Forces 75 (1996): 269-292; Jeffrey S. Gray and Michael J. Vanderhart, "The Determination of Wages: Does Marriage Matter?," in Linda Waite, et. al. (eds.) The Ties that Bind: Perspectives on Marriage and Cohabitation (New York: Aldine de Gruyter, 2000): 356-367; S. Korenman and D. Neumark, "Does Marriage Really Make Men More Productive?" Journal of Human Resources 26-2 (1991): 282-307; Joseph Lupton and James P. Smith, "Marriage, Assets and Savings," in Shoshana A. Grossbard-Schectman (ed.) Marriage and the Economy (Cambridge: Cambridge University Press, 2003): 129-152; K. Daniel, "The Marriage Premium," in M. Tomassi and K Ierulli (eds.) The New Economics of Human Behavior (Cambridge: Cambridge University Press, 1995) 113-125.

8 既婚者は独身者や同棲者と較べて、感情的にも肉体的にもより満足度の高い性生活を送っている。

既婚者の性生活は退屈だし回数も少ないというのが俗に信じられているが、性に関する最近の最も規模の大きい研究によると、これに反して、既婚者が報告する性的満足度は、性的に活発な独身者や同棲者よりも高い。性生活が感情的にも肉体的にもきわめて満足だと答えた女性は、性生活の相手がいる独身者の場合31%だったのに対して、既婚者の場合は42%もいた。男性の場合は、性生活が感情的にきわめて満足だと答えた者が、同棲者の場合37%だったのに対して、既婚者の場合48%だった。結婚というものに対する気持ちの強さが、性生活の満足度を高く報告することの理由になっているものと思われる。結婚に対する気持ちが強いと、相手に対する信頼感や安心感が高くなり、薬物やアルコールを伴う性行為をすることが少なくなり、夫婦間のコミュケイションが増えるからである。

  • Linda J. Waite and Kara Joyner, "Emotional and Physical Satisfaction with Sex in Married, Cohabiting, and Dating Sexual Unions: Do Men and Women Differ?," in E. O. Laumann and R. T. Michael (eds.), Sex, Love and Health in America (Chicago: University of Chicago Press, 2001): 239-269; Edward O. Laumann, John H. Gagnon, Robert T. Michael, and Stuart Michaels, The Social Organization of Sexuality (Chicago, IL: University of Chicago Press, 1994).

9 両親が離婚した家庭で育った子供は、自分自身が結婚する確率が少し下がり、結婚した場合離婚する確率がかなり高まる。

ある研究によると、両親が離婚した子供同士が結婚した場合、離婚のリスクは3倍になる。他方、自分は離婚家庭に育ったが、相手の育った家庭は両親の仲が良い幸福な家庭だった場合は、離婚リスクの増大ははるかに低い。

  • Jay D. Teachman, "The Childhood Living Arrangements of Children and the Characteristics of Their Marriages," Journal of Family Issues 25-1 (2004): 86-111. ある研究によると、妻だけが離婚家庭出身の場合、離婚のリスクは5割以上(59%)増大するが、夫婦とも離婚家庭出身の場合は、離婚リスクが3倍近くになる(189%増)。Paul R. Amato, "Explaining the Intergenerational Transmission of Divorce," Journal of Marriage and the Family 58 (August, 1996): 628-640. また別の研究によると、両親の離婚を経験した人自身の離婚率が高いことの主な理由は、結婚というのは生涯続けるものだという規範意識が比較的弱いことにあるという。Paul R. Amato and Danelle D. DeBoer, "The Transmission of Marital Instability Across Generations: Relationship Skills or Commitment to Marriage?" Journal of Marriage and the Family 63 (November, 2001): 1038-1051. 結婚相手の選び方と結婚生活がうまくいくかどうかの関係についての研究を概観したものとして、Jeffry H. Larson and Thomas B. Holman, "Premarital Predictors of Marital Quality and Stability," Family Relations 43 (1994): 228-237. 離婚家庭出身者の結婚率が低いことについてNicholas H. Wolfinger, "Parental Divorce and Offspring Marriage: Early or Late?" Social Forces (September, 2003): 337-353.

10 大部分の人に関して言えば、離婚のリスクは50%よりもはるかに低い。

米国全体でみると離婚率は依然として全結婚数の50%に近いのだが、これは過去20年間を通じて徐々に低下してきている。さらに、教育水準の高い人の初婚における離婚率は50%よりもはるかに低く、早くとも25歳になるまで結婚しなかった人、結婚前に多数の相手と同棲しなかった人、宗教心が強く同じ信仰をもった相手と結婚した人の場合は、それよりもさらに低い。

  • 離婚に関するリスク要因と離婚率の変化についての一次資料として、Jay D. Teachman, "Stability Across Cohorts in Divorce Risk Factors," Demography 39 (2002): 331-351; Tim B. Heaton, "Factors Contributing to Increasing Marital Stability in the United States," Journal of Family Issues 23-3 (April, 2002): 392-409; 研究の概観としてJeffry H. Larson and Thomas B. Holman, "Premarital Predictors of Marital Quality and Stability," Family Relations 43 (1994): 228-237.

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