報告者:金美花(明治大学兼任講師)
報告タイトル:「満洲国崩壊後の延辺社会の変動」
あいにくの雨と中国現代史研究会と重なってしまったためか、普段よりも参加者はやや少なかった。その分、マニアックな、密度の濃い議論となり、司会をやっておりながら、思いっきり時間を延長をしてしまいました。報告は、戦後内戦期における延辺の社会変動、特に土地改革を中心とする動員が社会にどのような影響を与えたのかを論じるものでした。精力的な史料調査と聞き取り調査をもとにした多くの事実の発掘が、個人的に興味深く感じました(そうした一面は、例えば、金美花「満洲国崩壊後の延辺朝鮮自治州の土地改革」『東アジア研究』第36号、2003年にも見られる)。
中国共産党の土地改革と言えば、田中恭子さんの『土地と権力』という巨壁が、10年以上にわたって学界にそびえ立っている現状が続いておりますが、それを民族という要素からも考え直すこともできるのかなと考えさせられました。
中国東北農村社会と朝鮮人の教育―吉林省延吉県楊城村の事例を中心として(1930‐49年)
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