(旧姓)タケルンバ卿日記避難所

はてなダイアリーからの避難所

怒るオッサン 無視する若手

昔に働いていた保養所が物凄い従業員の移り変わりが激しいところで、年間で40〜50人くらいのアルバイトが入れ代わり立ち代わり登場し、去っていた。そういうところでアルバイトの教育担当をやっていたせいか、オッサンたちの若手対応を見て、下手だなあと思うことがよくある。もう勘違いだらけよね。

「何でできないんだ?」

教えてないからです。話をし、見せてやり、やらせてみないことにはできるわけねえ。教えもしないのにできるわけなし。いきなりできたら天才だし、できるようなら、高い給料を貰っているヤツは全員首にして、オール若手で臨むべき。教えないとできないからベテランの存在意義があるし、若手教育の意味があるのですよ。即戦力を希望するなら、それなりの給料を払うべき。というか、そういうヤツを面接で選べよ。できないヤツを採ったヤツを恨め。……あ、あなたですか。

「何でオレの言うとおりにしないんだ!」

あなたの言うことが正しいと思えないからです。人間ですからね。納得づくじゃないと動かないもんなのよ。ま、そこで「会社というものは」とか「上司の言うことは」ってセリフが登場すると思うんですけども、それと言われた内容の正しさとは無関係でありまして。あなたの会社論・上司論が正しいとは限らない。なので、そのとおり動くことが正解と思えない。だから言われたとおりにしない。そういう回路なんですよ。
意外と最近の若手と言うのは頭が良いのです。正しいことをやりたいと思っている。であるならば、それを正しいと理解させるのが早道。上からものを言えば、機械の様に下が従う時代は終わったのですよ。「上は必ずしも正しいとは限らない」のは明らかですしね。その学習効果と受け取るべき。

「上下関係は絶対だ!」

そうだね、プロテインだね。
でもそれはあなたの認識であって、現代はそうとは限らない。現代は「上下は自分で選ぶ」時代なのですよ。若手は自分が下になれる上を選んでいるし、上としてふさわしいかを常日頃から見ております。上下関係を振りかざさなくても、スゲエ人には着いていくもんだし、どんなに偉くても、ダメなヤツには着いてきません。そういう意味で凄くシビア。
役職とかのステータスパワーより、個人としてのパーソナルパワーの時代と言いますかね。属性よりも内容なのです。

「昔はこうだった」

昔はね。でも、昔と今は違うよね。かつて正しかったことが、今も正しいとは限らない。また、そもそも昔がどんなかを知らんので、そういう話をされても困るんじゃありませんかね。「もっとわかりやすい話をしてくださいよ」ってなもんです。「これからどうすべきか」を知りたいわけで、過去の話をされてもねえ。

「付き合い悪いなあ」

付き合いたくないから。

「最近の若い者は」

最近の年寄りは。
ま、いずれにしても主観の話をしている限りは、若手と折り合えることはねえです。若手が望む話は客観的な話であり、論理的な話。「理解したい」というのが彼らの願望なので、理解させることを主眼に話をせんと、いつまでたっても分かり合えん。この点、実は現代の若手の方が実は理知的。
あと価値観の押し付けはダメね。意味がない。価値観を共有する前に、価値観を押し付けられたら反発するだけ。自我が意外と形成されているので、価値観を認めつつ、話をすり合わせる努力が必要。
逆に未熟なところは、コミュニケーション力と、応用力。これは「理解したい」という願望と、自我の形成が進んでいる裏返しなんだけど、場面場面によって自分を抑えたほうがいいとかの判断とか、対話によって解決するという力がない。願望と自我を優先しがちなのよね。ここが自己中であり、ワガママに見える理由。相手をたてるとか、遠慮とか、そういうスキルはない。そういうスキルを身につける場もない。なのでぶつかりっ放し。
これ、父娘の関係もそうね。父親が娘に虐げられたり、父親が娘に説教する構図。これを正常化したいなら、ぶつからんようにすべき。まずは相槌と「何故?」という問いかけから始めると吉。こちらから「あれはああだこうだ」を言うのではなくて、相手から聞いてくるシチュエーションをつくるほうが建設的。相槌をうって価値観を否定するわけではないことを明示しつつ、問いかけをすることで考えさせる。考えが行き詰れば、自然と聞いてくるもんです。気長に受け身で待つが良策。待てば海路の日和あり。