(旧姓)タケルンバ卿日記避難所

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セブンスポットはじまったな

ついに来たか。

セブン&アイ・ホールディングスは12月1日、セブン-イレブンなど同社グループの店舗で使える無料の無線LANサービス「セブンスポット」を12月1日に始める。

セブン&アイ店舗で無料の公衆無線LAN 「セブンスポット」12月1日開始 - ITmedia NEWS

これはなかなか強力。

直接的な影響:デニーズのサービスアップ

まず東京23区内のセブン-イレブン約700店舗、イトーヨーカドー22店舗、西武池袋本店デニーズ約50店で利用可能。来年2月末までに東京23区内で1300店舗、2013年2月末までに全国1万4000店舗へ拡大する計画。

セブン&アイ店舗で無料の公衆無線LAN 「セブンスポット」12月1日開始 - ITmedia NEWS

まず言えるのがデニーズへの好影響だろうなあ。他のファミレスに対しての差別化もできそうだし。テーブルでゆったり座って作業できるファミレスは、マクドナルドなどのファストフード業態以上に無線LANとの相性は良さそう。

1回につき最大60分間の利用が可能で、1日に3回までアクセスできる。

セブン&アイ店舗で無料の公衆無線LAN 「セブンスポット」12月1日開始 - ITmedia NEWS

こういう制限があるから、過剰な居座りも防げるだろうし。

間接的な影響:来店動機の増加による来店客の上昇

また、新たなサービス開始によって「セブンイレブンに行こう」という来店動機が増えるのも大きいね。基本的に規模が大きいチェーンストアに関しては、「来店数×客単価=売上」という式が成立するので、来店動機を高め、来店数を増やすことは売上増につながる。
例えば、コンビニが何故自社の利益につながらない公共料金収納代行サービスをやっているかといえば、まさにこの来店動機増のためで、料金支払でコンビニに来れば、そのうち何人かは買い物をするだろうと。トイレを貸したり、コピー機とか宅配便とかチケット・クーポンサービスをやっているのも同じ発想。*1
そういう発想で言えば、無料LANってのはひとつの来店動機足りうるし、都市部なんかでは十分需要がある話だよな。PCだけじゃなく、DSとかPSPも使えるだから、子ども向けにもいいだろうし。子ども向けになるってことは親向けにもなるわけだし。

今後の戦略

ここからは俺のひとりよがりな考え。まったくの想像。無料LANはひとつのきっかけに過ぎない。これをどう生かすかが大事で、そのためには何が必要なのか。

店舗の大型化

無料LANがあるのはいいけど、じゃあどこでやるのかって話。デニーズなんかは席があるからいいけど、セブンイレブンどうすんのよ。落ち着いて作業できる場所ないじゃんと。
現実的な答えは店舗の大型化。地方のロードサイド店で言えば、「駐車場大きめに」ってところ。都市部の店舗ならイートインに手を出すしかないのかな。ミニストップみたいな感じを想像するといいと思うんだけど。直接のライバルであるイオンに対抗できるし。ソフトクリーム戦争とか。
店舗によっては既にセルフでコーヒーサービスもやってるし、カフェ業態に進むという方向性もある。そうなればナチュラルローソン叩きに行ける。客単価も上がるし、よろしいんじゃないでしょうかね。

POSデータ→クーポンとの連動

店内LANってのは割引クーポン事業と相性がいい。何せすぐ使ってもらえる。
で、どうせやるならPOSデータと連動させたいよね。割引ってのは購買動機を高めるために行うわけだから、売りたいものに対して行いたい。売りたいもののクーポンを発券し、より売れるためのツールとして使いたい。
お弁当なんかはベターだよね。賞味期限がある。賞味期限が近づいてきて、在庫が結構ある。そのままだったら在庫ロスになる。こういうときに、そういうお弁当のクーポンが出るといい。店として都合がいいし、買う側も安く買えて都合がいい。
「より都合良く商品を売る」ツールとしてクーポンを考えるならば、POSデータとの連動はかなりの威力を発揮しそう。
ま、なかなかいろいろ出来そうな話なので、今後が楽しみだなあ。

*1:公共料金の収納代行は利益につながらないとローソンなんかは廃止を検討したこともあるらしいけど、結局今も続けている。