2012-10-29
被災地の今を訪ねる (1)
10月24日より2日間、東北の被災地を視察してまいりました。
思えば東北は自分のルーツでもある場所。父親が青森で、母親が福島という東北ハイブリッド種がこの私。両親ともに東北出身者。
しかも、実際に母方の実家は津波被災にあった。実家は福島県の南相馬市。市町村合併前は「原町市」という場所で、「浜通り」と呼ばれる福島県の沿岸地域の、そのまた海沿いの集落に実家はあった。
毎年お盆の時期になると帰省していたことを思い出す。実家を出て砂利道をしばらく歩くと砂浜に出る。その砂浜はそこそこ波があるため、海水浴場になるような場所ではなく、観光客が来ないため静かな場所で、朝早い時間だと、相馬野馬追に出るような馬の調教場にもなっていた。
朝日と、砂浜と、たてがみをなびかせて走る馬と。
そんな光景を思い出すわけです。懐かしい子ども時代の麗しき思い出。
その麗しい思い出の地がどうなっているか。その点が気がかりだったし、母親の実家がある南相馬だけではなく、被災した場所がどうなっているか。そこに興味があった。写真とか画像では見ているけども、やはり自分の目で見たい。
というわけでの東北行脚と相成った。
東京に最も近い陸の孤島
昔から南相馬は遠かった。距離よりも何よりも、アクセスが不便で、行きづらかった。
浜通りはいわきまでのアクセスはいい。高速道路もあるし、新幹線はないにしても、特急もある。
しかしその先が良くない。いわきより先がぽかっとエアーポケットかのように不便になる。仙台まで行ってしまえば便利になるのだけども、いわきから仙台の間の沿岸部というのは、東京からの直線距離の近さのわりに開発が進んでおらず、めぼしい温泉や海水浴場などがないため、観光産業も弱い*1
もっともそれが「何故かの地に原発があるのか」という理由なのだけれど。それはまた別の話として。
従来、南相馬に入るには常磐自動車道でいわき方面に出て、海沿いを走る国道6号線を使うというのが定番のルートだった。自分が子どもの頃は常磐道はいわきまでしか開通していなくて、延々と6号線を走っていた記憶がある。片側1車線の道路のため、遅い車につかまると、延々その後ろを走っていたっけ。
しかしそれでも少しずつ常磐道も延伸し、改善されてきてはいた。あともう少しで……というところでこの震災。福島原発周辺の立入禁止区域により、南への交通路が遮断された状態。
こちらの福島県の案内でもわかるように、現状で東京方面に出るにはどうしているかというと、常磐道方面に出れないために、東北道を経由している。海沿いがダメなので、一回山に出ているというわけ。これが車での移動の話。
では電車ではどうか。昔は「特急ひたち」が上野との間を結んでいた。いわき駅*2止まりの本数が多かったけども、それでも一定数がいわきを越えて原ノ町駅*3まで来るし、仙台行きの本数もそこそこあった。車で行くより、かえって便利だったような記憶がある。
【長期運転見合わせを実施している線区・区間について】
現在、東日本大震災の影響等により、以下の線区・区間において、運転を見合わせております。
(中略)
JR東日本:東日本旅客鉄道株式会社
広野止まりで、原ノ町まで電車は来ない。まして車と違い、電車の場合は北に出ようにも相馬まで。現在動いているのは原ノ町から相馬という限られた地域。
従来は「いわきに出ればなんとか」だったものが、立入禁止区域のために「いわきにも出れない」。これが現状。「路線」という線の移動が封じられている。つか、こういう地域にこそ点の移動ができる空港が必要なんじゃないの? という状態。いや、まじで相馬空港ないとまずいんじゃね? 陸路がダメな場所こそ、空路なんじゃないの?
とりあえず福島県のサイトで案内されている迂回路をたどって、南相馬に入ることにした。東北道を北上することにする。
(つづく)
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