(旧姓)タケルンバ卿日記 このページをアンテナに追加 RSSフィード Twitter

2014-11-15

小細工なしの刺身一本勝負 - 誰そ彼

せっかく三陸に泊まるなら魚介は外せないということで、こちらのお店に行ってまいりました。

誰そ彼(釜石・魚介)

釜石の有名店。

詳しくはこちらの記事などをどうぞ。

運良く予約なしで入店。いいタイミング。記事にあった松の一枚板のカウンター席に。

3,000円・4,000円・5,000円のおまかせの他、2,000円・3,000円の定食、他に単品料理がある。

とりあえず真ん中の4,000円のおまかせに。実に日本人的選択。中庸。全部で4〜5品が日替わりで出るそうな。何事も季節の旬のもの次第、仕入れ次第というわけ。

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まず突き出し豚肉野菜クリーム煮。豚肉は大ぶりで、歯ごたえがあってうまい。魚介メインではあるものの、ここは肉料理うまいらしい。……そうなると肉も気になるじゃん。

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カジキの煮付け。この日はカジキのいいのが入ったそうな。突きん棒漁でとったカジキ。

仕入れる魚はすべて、一度も冷凍していない活魚。

http://www.nikkeibp.co.jp/article/reb/20120424/306750/?ST=rebuild&P=2:title

あー、そんな感じします。身がしっとり。冷凍モノ特有のパサパサ感がない。

一方で変な脂もない。脂が上品で程よい。口に入れると溶けてしまうという脂ノリではないが、噛んだ時に身から溢れ出る程度には脂がある。そのあたりが程よい。

続いてメインのお刺身登場。「こんな刺身は他では食えねえんだから」と大将が出してくれたものがこちら。

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どーん! ぴっかぴかのお刺身! これで2人前。驚きの量。

刺身はどれもひとつひとつが大きく切り分けられ、色がきれい。見た目がきれいなものは、食べてもうまい

生の本マグロ。生のカジキ。生のタイ。生のヒラメに、そのエンガワ。プリップリのホタテは甘いし、ヤリイカはピンッとした新鮮そのもの

どれも「……ふーっ、刺身ってこんなにうまいのか」と「刺身ってなんぞや」という刺身哲学世界に引きずり込まれそうな。魂が抜かれるうまさ。

「こんな刺身は他では食えねえんだから

うん、そうだ。こりゃ食えん。大将が胸を張るのもやむなし。うまいよ。

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そしてカレイ焼き物が来る。

「皮がうまいから。皮まず食べて」

と言うので皮を。パリパリです。脂がいい方に作用してサクサクです。カレイなのに結構ものってます。なんだよこれ。もう酒飲むしかないじゃん。酒ちょうだい、酒。

刺身ちょっと残すんだよ。最後にご飯だすから。それでどんぶりにして食べるんだよ」

なんですと!! そんなこと言われたら怖くてお刺身食えないじゃん!!

急に弱気になってお刺身に手を出せなくなる。他でちびちび飲む。うまいものが控えているとなると弱気になるのである。やむなしである

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それを見かねてか、いくらをくれた。つまみにしよう。

「これをご飯にのせてどんぶりにしな」

これもどんぶりか! 結局お預けか! うまいけど地獄だな!!

……と思ったらご飯来た。締めよう。えっと、ご飯にいくらのせて、お刺身をザブンと醤油につけて、それをご飯にのせて……できた!

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はいうまいです。そらうまいに決まってますわな。

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お椀もおいしゅうございます。生ふのりうまい。お魚の身もうまい。おダシも魚の骨からとったいいおダシ。文句のつけようもございません。

品数は少ないけど、お刺身カン! で確かな満足。今回は食べ物全部大当たり。美味しゅうございました。次は予約しようっと。

シンプルが一番うまい - 新華園本店

さて、とりあえず一旦書き終えたということで、ここからはまた食べ物を。

被災地巡り2日目は釜石に泊まりました。釜石には抑えておきたい逸品があるんです。

華園本店釜石ラーメン

実は釜石には「釜石ラーメン」というのがあるのです。その元祖がこちらのお店。

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華園本店ラーメン530円なり。

琥珀色に輝くすっきり醤油味のスープに、具はネギチャーシューメンマ

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麺は極細ちぢれ麺。何でも忙しい新日鉄釜石の方に向けて作ったのがはじまりだそうで、茹で時間が短く、サッと出せるようにと考案されたもの。かれこれ60年もの歴史があるらしい。

スープがこってりしているわけでもなく、具が大量にあるわけでもなく、ガツンと来る要素は何一つないのだけれど、これがなかなかどうしてうまい

麺にはピンッとしたコシがあり、ずるずるいける。スープはあっさりで飽きがこない。突出した要素はなく、地味目の要素で出来ているのだけれど、不思議とどうして個性がある。シンプルの極みというべき個性がある。後を引く。また食べたくなる。もうちょっと欲しいな。でも、もう少し大切に食べたいな。だからまた来よう。そんなラーメン

余韻を大切にしたいラーメン釜石に行く機会があったら是非再訪したい。まる。

続々・被災地の今を訪ねる(7)

続々・被災地の今を訪ねる(6) - (旧姓)タケルンバ卿日記 より続きです。

女川原発を後にして北に向かいます

あいにくの空模様。時折雨が強く降る状態です。海沿いをひたすら走ります

2014年11月12日

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七十七銀行女川支店が横倒しになったまま残されていました。

撤去解体される建物などがある一方で、こうして残っているものもあります

2014年11月12日

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南三陸町では違和感のある風景に遭遇しました。

2014年11月12日

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あれ? ないぞ?

2012年10月24日

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ここにあったはずのセブンイレブンがなくなってる!

調べたところ区画整理のため、9月30日で閉店していたようです。こうした店舗がない時に、仮設とはいオープンし、地域を支えてくれたありがたい存在でした。

新たに建てられるものがある一方で、役目を終えてなくなるものもある。経済が動き、町が動き出すと、こういうことが起こってくるのでしょう。ひとつの節目なのかも知れません。

2014年11月12日

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南三陸町防災庁舎は変わらぬ状態のまま残されていました。

2014年11月12日

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一方周辺はかさ上げ工事の真っ最中盛り土をし、高台を作っています。そしてそこに建物を作るという計画のようです。

2014年11月12日

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護岸のために置かれていた土のう袋は全て破れ、土が露出していました。前にも書いたようにこうした場所は珍しくありません。水辺に置かれれば、土のう袋は水をかぶり耐久性が落ちます。そしてやがては袋が破れ、土が露出する。それが実際に起きているというだけのこと。

福島県宮城県福島県と走り、北に行けば行くほどこうした風景を見ることになります道路舗装状態も悪いままのところが残っています堤防河川などの護岸工事なども終わっていないところが山ほどあります

今回見る限り、さすがに瓦礫処理という段階は被災地全域で終わっているようです。課題は次に移り変わり、瓦礫がなくなった土地を如何に再生するか。盛り土をしてかさ上げするのか。それとも別の高台移転するのか。より具体的な問題に焦点が移っています

逆に言うと、瓦礫輸送・処理という問題がなくなったため、広域的な処理を必要とする問題から、より狭い地域での解決が求められる問題に変わっています。行き交うダンプの数が以前よりは少なくなっているのもそのせいでしょうし、そのダンプにしても他県ナンバーのものが減っています

建設現場人手不足のため、東北地方を中心に人件費が上がり、工事を請け負う業者が決まらない「入札不調」が深刻になっているからだ。

お探しのコンテンツは見つかりませんでした:朝日新聞デジタル

また、人件費の高騰という問題も深刻になってきています。もともと復興のための労働力必要なのに、その労働力が足りない。足りないから人件費を上げてでも人を集まる。それでも来ない。やがては限界に達し、公共事業の入札金額ではやってられない。入札不調になる。こういう負のサイクルが現にあります

国土交通省も労務単価を補正したり、通常4月からのものを2ヶ月前倒して適用したりと手は打っていますが、それ以上に労働力不足が深刻な状態です。

釜石に宿をとり、3日目の朝。

2014年11月13日

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宮古市田老地区では高台移転工事が進んでいました。

土地から離れたくない。離れずに済むためには土地を変えねばならない。そのためには工事必要で、お金労働力もいる。

……じゃあ、どうするか。

先が見えてきたことで次の一手が現実的となり、現実的な一手になったことで、より苦悩が深くなることも。

じゃあ、どこに? 誰が? どうやって? お金は? いつまでに?

ここからはすべて手探り。ただひたすらに走り続ければいい状態が終わり、ここからがつらく切ない。復興に痛みを伴う段階になって来ています

来年もまた、被災地を見に行きます。その変化を見届けるために。

(おわり)

続々・被災地の今を訪ねる

続々・被災地を実際に巡っての雑感

続・被災地の今を訪ねる

続・被災地を実際に巡っての雑感

被災地の今を訪ねる

被災地を実際に巡っての雑感

続々・被災地の今を訪ねる(6)

続々・被災地の今を訪ねる(5) - (旧姓)タケルンバ卿日記 より続きです。

11月12日。2日目の朝です。天気は雨。昨年、一昨年と天気に恵まれていたので残念な空模様。早めに朝食をとり、7時30分にはホテルを出発。まずは石巻を目指します

昨年と同じ陸前稲井付近を見に行きます

2013年11月13日

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2014年11月12日

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相変わらず水面が高く、違和感があります

2013年11月13日

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2014年11月12日

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橋桁は直されておりましたが、

2014年11月12日

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裏側は崩れてきており、不安が残ります

続いて稲井郵便局へ。

2014年11月12日

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土のう保護している応急処置の状態が続いています

2014年11月12日

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この場所に限らず、三陸地方の水辺では、このように岸辺土のうで守っているところは多く見られ、応急処置の状態のままになっている場所が多いこと、治水工事が遅れていることを如実に示しています

また、耐久性問題も出てきています。この場所は「たまたま問題はないのですが、所詮土のう。袋が破け、土が露出している場所も多く見られました。乾いたところ、特に港などに土のうを積んでいる場合問題ないのですが、河川沿いの場合は水を被るため耐久性問題が生じやすくなっています震災から3年以上も経っているわけで、本来は応急処置に過ぎない土のう限界でしょう。本格的なかさ上げやしゅんせつ、護岸工事必要になってきています。それも早急な。

続いて女川に向かいます女川に向かう中での石巻市風景建設ラッシュのものでした。沿岸を走る国道398号線の北側には、新しい住宅が次々と建てられています

続いて国道398号線を走り、女川に向かう。このあたりも津波被害を受けた地域だが、住宅が物凄い勢いで作られているようだった。

より海に近い国道南側には新たに建てられている様子はなかったが、道路を挟んで北側には新築工事が集中していた。これは他の被災地にもあまりない光景で、これまでと同じ場所に再び住宅を建てるというところに「町を離れない」という強い意志を感じる。

続・被災地の今を訪ねる(7) - (旧姓)タケルンバ卿日記

これは昨年も見た光景ではあるものの、それがより強く前進しているように見えました。

正直、津波被害を受けた場所に再び住宅が建てられているわけで、見ていて不安にはなります果たして大丈夫なんだろうかと。もう一度津波が来るおそれはないのだろうか。正直そのあたりの判断は私にはできません。住む人の選択であり、行政の選択であり、それは何より地元の選択であるはずなので。

昨年、一昨年同様に女川原発が見える漁港に。

2013年11月13日

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2014年11月12日

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昨年からは大きな変化はない様子。昨年の時点で港のかさ上げ工事が行われていたため、変化の必要もない場所と言えるかも。

ただ、相変わらず女川原発では重機が激しく動いていました。

2012年10月24日

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2013年11月13日

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2014年11月12日

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継続的堤防のかさ上げ工事を行っているようです。

女川原子力発電所津波評価について、極めて厳しい条件での評価として、発電所前面の防潮堤に到達する津波の最大遡上水位を、O.P.※1約+23mと評価し、より安全性を高め、地域の皆さまにご安心いただく観点から自主的対策として、現在防潮堤※2(高さ約3m、O.P.約+17m)をかさ上げし、防潮堤高さを約15m(O.P.約+29m)にする工事実施することといたしました

女川原子力発電所における防潮堤かさ上げ工事の開始について| 東北電力

地震後、同発電所では、地盤沈下考慮に入れ約3m防潮堤を設置し、海抜約17mの高さとしましたが、更なる安全性の向上を目指すため、地震津波等をより厳しく想定し、対策の見直しを行いました。その結果、防潮堤は、最終的に海面から高さ29m※までかさ上げされることとなりました。現在、かさ上げのための作業用の杭打ちが進んでいます

電気事業連合会

確かに堤防の高さは上がっているように見えます。海面から29m。十分な高さに思えます大丈夫だろうと思います

しかしながら、私は人間です。29mの防潮堤安全性は高いと思いますが、「絶対に」と問われると難しい。それを越える規模の津波は来ないのか。例えば、そうした想定を上回ったのが宮古市田老地区ではなかったか。いや、あれは10mの堤防女川は29m。規模が違う。多分大丈夫だ。けれども29mを越えないという確証は得られません。「絶対に」とは言えない。そこまでの先は見通せない。科学的に、統計的には安全と思いつつも一抹の不安は拭えない。ましてその被害を目の当たりにしてきただけに、これだけの備えを持ってしても安心できない思いがあります

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打ち上げられ、今もなお木に引っかかったままのブイを見ると余計に。

(おわり)

続々・被災地の今を訪ねる

続々・被災地を実際に巡っての雑感

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