サイキンのタケウチ出張所

2016-09-12

夢と知りせば覚めざらましを

くろべーの夢とパンフ和歌

 このブログ、前回で最終回にしようかとも思ってたんだけど。

 今朝はくろべーの夢で目覚めた。そのことを書きとめておくべきって気がしている。


 僕が玄関を開けて帰宅する夢。家の中では、くろべーがしっぽを振って出迎えてくれる。

「あれっ、お前、お墓から出てきたのか?」と、驚くやら嬉しいやらで手を触れる。僕の手は確かに、黒い毛の手触りを感じ取る。

 ああ、本物だと喜んだ途端、目が覚める。――嬉しかったり驚いたりの勢いで、僕は瞼を開いちゃってたのだ。

 どうして目を開けたりするんだよ、もっと夢の続きを見てたかったよと、自分自分文句を言った、そんな朝。


 布団を抜けだし、くろべーのお墓にお参り。夢のことを報告するみたいに祈って、それから朝食。

 食べながら、こないだ図書館で見かけて借りてきた大林宣彦転校生』のDVD(2007年版)を見始める。二人が水に落ちて、ああここで入れ替わるんだろうなってとこで停止ボタン今日は朝から出掛ける予定だったのだ。

 開店間もないホームセンターで、くろべーのお墓の周りを整備するための溶岩レンガを購入。ついでに近くの映画館モーニングショーで、話題の『君の名は。』を鑑賞。そういえば『転校生』も『君の名は。』も、男女入れ替わりストーリーなんだなと、座席に座って初めて気づいたあたりが我ながら間抜けというか間がいいというか。

 『君の名は。』については、男女入れ替わるらしいってこと以外は、みんな褒めてて映像がきれいってことくらいしか知識がなかった。だから作中で、「夢から目覚める」って場面が繰り返し描かれてるのを見て不思議な気分にならずにいられなかったし、大好きな「君」を救おうとする映画だって気づいた時には今朝のくろべーを思い出して涙が出た。評判の映像はもちろんだけど、物語の要素を一つ一つ紡いでいくことで、観客を頼むからハッピーエンドで終わってくれって気持ちにさせてくれる映画だった気がする。

 そういえば、映画館は夢を見るための場所だってことを書いてたのは大林監督だったっけ。夢と現実交錯をすごく緻密に丁寧に描いたいい作品だったし、個人的経験と重なって忘れられなくなりそうだ。


 そして驚いたのは、鑑賞を終えてからランチタイムカフェに入り、パンフレットを読んでいた時だった。プロダクションノートとして、この映画モチーフの一つは小野小町和歌からとった「夢と知りせば覚めざらましを」というフレーズだと書いてあったのだ。

 直訳すれば、「夢だと分かってたら、目覚めたりはしなかったのに」。

 意訳しちゃえば、「あの夢がそのまま続いて、この現実と入れ替わってくれたなら」。

 そういう映画だったと思うし、今朝の夢から覚めた僕を包んでたのもそういう感情だった。

 帰宅して、くろべーのお墓を整えた後も、不思議な偶然の一致のことが頭から離れない。

 夢の続きを見たいなと思いつつ、この文章を書いている。レンガはもうちょっと欲しいので、次に買いに行った時はまた何か映画を見ようかな。

アキアキ 2016/09/17 03:56 初めての同居人(猫)だったトリスタンが事故で逝ってしまったあと、同じような経験がありました。夢なのに、抱きかかえた時の重みとか、体温が本当に現実のようで。
でも自分の場合は急にトリスタンが衰弱し始めて、何も出来ないまま目が覚めて、涙が止まりませんでした。

会いたい反面、もう会えない事も頭が理解しているからでしょうが、せめて夢でくらいずっと遊んでいたいと思いました。でも、辛くなっても夢でたまに出てきたりすると、一緒にいた事をちゃんと覚えてるんだと嬉しくなりますね。

大切な物はそうやって時間が経ってもどこかに刻み込まれているんだなぁと感じます。

takeuchimakototakeuchimakoto 2016/09/26 18:39 アキさん、コメントありがとう。
今、この日のブログのことをエッセイに書こうと思って確認にきました。「時間が経ってもどこかに刻み込まれている」って感覚を、僕は文章で確認したいのかもしれないなー……

2016-08-31

最後に撮った笑顔写真

さよならありがとう

 8月1日、くろべーが永眠しました。

 僕の周りの人たちに、ずいぶんとお世話になった犬でした。

 人懐っこくて、触れ合う人たちを笑顔にしてはかわいがってもらってました。

 皆さんとくろべーに、あらためてありがとう

 くろべーは自宅の庭で眠っています。

 毎日ちょっとずつ、お墓の周りを整えて過ごす8月でした。

 よかったら、お墓参りに来てください。