クンストミュージアム・バーゼルの歴史

takibata2007-09-12

 今日、届いた小包の中に、“Kunstmuseum Basel”(2004)という手ごろな薄さ(と値段の)収蔵作品集があって、その最初に、クンストミュージアムバーゼルの歴史(7−9頁)があった。さわりだけ直訳すると、たぶんこんな感じだ。

クンストミュージアムの長い歴史は、17世紀まで遡ることができる。1661年、バーゼル市(the City of Basel)は、宗教改革以前に起源を持ち、人文主義に即して集められた私的コレクションであるAmerbachキャビネットを獲得した。都市のコミュニティは、かくして、他のヨーロッパ諸都市において、王侯のコレクションに公衆がアクセス可能になるずっと以前に、美術コレクションを有するようになったのである。

ちょっとびっくり。その後も、ドイツから1939年に獲得した「退廃」芸術がコレクションのブレークスルーになったなど。1967年、ピカソの2作品をバーゼルに残すことを、「レファレンダムで確認した」というのは、投票でもしたというのだろうか? 

クンストミュージアム・バーゼル(8月25日)

 Kunstmuseumでトラムを降りて、クンストミュージアム・バーゼル(Kunstmuseumbasel)へ。1階は、クレー、ジャコメッティ、アルプなど。クレーの作品に、ガーゼのような目の粗い布に描いた作品があり、面白いなと思って見る。NAUMANの立体作品もたくさんあり、これも楽しい。2階は、15−16世紀の宗教画など。キリスト磔刑や、復活を扱ったものが多い。1400年/1410年の“Dip Tychon”、よくこんな古いものが残っているものだ。

 3階は、ジャスパー・ジョーンズの特別展。バーゼルの町中で広告している。ジャスパー・ジョーンズは様々な実験をしていることが分かる。ものさしをキャンバスに貼り付けて半円形を描いたり、スプーンやフォークを針金で引っ張ったり。同じアイデアで複数の作品やその下絵など、何点もたぶん試行錯誤を繰り返しているのだろうなと思う。

 ずいぶんまじめに見ていて、腰が痛くなってきた。お昼時をとっくに過ぎていたが、ミュージアムの中庭の素敵なレストランは満員。諦めてトラムに乗る。この美術館、現代美術の分館があって、そこへも行くつもりだったのだが、“美術館疲れ”で、気力がなくなり、気分転換に、動物園に行くことにする。

【9月12日追記】昨日、急用で久々に大学に行った。最後に行ったのは、8月1日・・・郵便物の山の中に、校正原稿があって、びっくり!(締め切りはぎりぎりセーフ)
 BT9月号が届いていた。特集は、何と“一度は行ってみたい、世界の美術館・国際展。”で、バーゼルも、ZKMも載っていた。BTによると、クンストミュージアムバーゼルは、「世界でもっとも古い公共美術館の一つ」と書いてある。これは調べてみないと。
 スイスから送った1個目の荷物が届いた。でも、留守していたので、今日、再配達してもらう予定。

写真は、クンストミュージアムバーゼルの入り口(2007年8月25日撮影)