「博物館のアウトプットと予算査定」のご案内

 自分が企画した会合の案内を流すのは、なぜか気恥ずかしくて、一日延ばしにしていたが、そろそろ公表を。6月8日に、下記のラウンドテーブルを開催しますので、ふるってご参加下さい。

日本社会教育学会六月集会ラウンドテーブル1

タイトル:「博物館のアウトプットと予算査定」
報告者:岡本全勝氏(内閣府http://homepage3.nifty.com/zenshow/
     大嶋貴明氏(宮城県美術館
     佐久間大輔氏(大阪市立自然史博物館http://blog.livedoor.jp/sakumad2003/
コーディネーター:瀧端真理子(追手門学院大学

内容:自治体の財政難を背景に各地の公立博物館の事業費は削減され続け、存続の危機に直面する館も生じている。富山県総務部長、総務省交付税課長等を歴任された岡本全勝氏をお招きし、財政の専門家が感じる博物館のアウトプット評価への疑問と、予算査定の考え方をお話しいただく。大嶋貴明氏には、原理的にハードとソフトの違いがないことを検討していただき、佐久間大輔氏からは、公立博物館の運営に必要なパブリックサポートの将来設計や博物館活性化のためのインセンティブ等についてお話しいただく。大切な博物館を守るために、今何ができるかを共に考えたい。

日時:2008年6月8日(日)13:30〜16:00 
会場:日本社会事業大学(〒204-0023 清瀬市竹丘3−1−30)
地図:http://www.jcsw.ac.jp/gaiyo/access_pop12.html
参加費:1500円(6月7日・8日の全プログラム共通)
日本社会教育学会六月集会(東京)の全プログラムは学会HPをご覧下さい。
http://wwwsoc.nii.ac.jp/jssace/taikai/taikai08-1.html
【追記:当日の曜日を間違えて掲載していました。お詫びして訂正いたします】

 この企画は、1年越しで実現の目途が立った企画で、今一番お話を伺いたい3人の方に無理をお願いした。岡本先生(という表現になる)のお話を伺いたいと思ったのは、2007年のお正月に遡る。長崎や島根での指定管理者制度導入のいきさつを調べている過程で、私は地方交付税制度や、地域総合整備事業債という仕組みに、強い関心を持った(「現代のエスプリ」466号(2006年)の拙稿をご覧いただきたい)。その興味関心を発展させて書いた論文が、横須賀美術館の建設反対運動を取り上げた論文である。その論文を書こうとウンウンうなっていたのが、2007年のお正月で、岡本先生の著書を参考書に、交付税制度の勉強をした。論文を書く過程その他で、どうしても分からないことがあったので、岡本先生にご教示をいただいた。そのようなご縁で、今回、ご登壇いただけることになった。
 岡本先生は、財政担当者としては、なぜミュージアムのソフトに税金を投入する必要があるのか、その理由がよく分からない、特に美術館は分からないとおっしゃる。個人的に説得を試みたが、私の説明では納得していただくのは難しく、論客のお二人に助っ人をお願いすることにした。神奈川県立近代美術館の山梨館長からは、「あなた、それは自分で説得しなさいよ」と言われてしまったが
 
 ところで、全くの偶然だが、2007年12月16日に開催された博物館関係3学会合同フォーラムで、基調講演をされたのが、岡本先生だった。JMMA事務局にお願いして、フォーラムの要旨が掲載されたJMMA会報47号を送っていただいた。先ほど届いて、読んだが、やっぱり岡本先生のお話は面白い。このフォーラムでは岡本先生の疑問は、解決されなかったようだ。「中身にどれだけの予算をつけるのか、その説明を首長と市民に、どのように説明するのかになると、財政課は、そこで思考停止になってしまう。何のためにいくら必要かがうまく説明できない」。
 大嶋さんと佐久間さんは、私の思考を超えて、はるかに大きなスケールでものが見える方なので、この場で勉強させていただきたいと思っている。もちろん私自身も、錆びた頭を少しでも磨きたいと思う。ぜひ、ディスカッションにご参加下さい。