アガチス通信vol.59 〜アガチスを求めて、タラカン編〜

K平です。


ここ数年のアガチスの入荷状況は、過去に経験したことが無いほど非常に厳しい状況下にあり、建築材、建具材、木工家具用材としてハイクオリティーかつオールマイティーな材として一世を風靡したアガチスの地位は急落し、今では「銘木」と揶揄されるほどに成り下がってしまいました。そもそも、効率最優先の世の中において、1枚1枚特徴の違う無垢材は敬遠される傾向にあり、最近では木材の欠点を排除した建材製品への切り替えがどんどん進んでいます。加えて、木材の不安定供給、コスト高といった要因も重なり、その変化は急速に、加速度的に進んでいるのが現状です。しかし、世の中にはとことん木材を愛し、時代に逆行してまでも、限られた木材需要に応えるべく命を懸けて頑張っている人たちがいるのもまた事実で、我々もその残された需要に応えるべく、精一杯供給責任を果たしていきたいと考えております。


さて、昨年来インドネシア中のアガチスの供給可能なサプライヤー接触を続けて参りましたが、そのうちの1社との取り組みがようやく進み始めました。今回の原木伐採エリアはカリマンタン島カリマンタンのベラウ地区周辺で、製材は丸太の鮮度を保つためにカリマンタン島から目と鼻の先にあるタラカン島で行います。タラカン島と言えば、南洋材製材(特にアガチスやぺルプック)の原点ともいえる聖地であり、この地で青春時代を過ごした業界の重鎮が数多くいらっしゃることと思います。今回、こうしてタラカンに原点回帰しアガチスの生産に携われることは非常に感慨深く、今後業界の重鎮の方々とのタラカン語り草に参加できると思うと嬉しい限りです(笑)。今回は第1回目のトライアルという事もあり、工場への表敬訪問も兼ねて10月17日から24日までタラカン島へ行ってまいりましたので、今回はその期間中の製材の様子や原木の写真等をご覧いただきたいと思います。














建具材、建築材の平割を中心に、学校教材や大手張り、羽目板等も生産予定ですので、生産状況や入荷見通しに関しましては、また改めてご報告させていただきます。アガチスファンの皆様、銘木アガチスの入荷を今しばらくお待ちください。。。また、インドネシア材とは別にマレーシア・サバ産のアガチス製材品は夏場以降ほぼ毎月入荷しております。建築用材主体のラインナップですがアガチスをご用命のお客様は是非お問い合わせください!


■K平■