もうすぐ夏休み

化学を高校で学んでいない人に90分×15回で化学基礎を講義するというのはなかなか難題です。

断捨離精神で退職後、せっせといろいろなものを思い切りよく捨てまくっていた2年前、捨てるかどうか迷い、結局残しておいた教材プリントに救われてやっと残すところ3回まで来ました。実質は2回です。最後はテストをするので。

有機化学に入っています。3回で有機化学というのはさわりしか伝えられませんが、IUPAC命名法は何とかわかってほしいと火曜日に多めに時間をかけました。

某化粧品メーカーの回収さわぎの美白成分、ロドデノール、IUPAC命名法による物質名が示してあったのでこうかなと書いてみて、さっきググるとあっていることがわかりました。ほっ。来週の授業で話題にします。

もう一つの通信制高校での生物の授業も準備が大変。こちらはやはり捨てようか迷って捨てなかった1989年の「NHKサイエンススペシャル驚異の小宇宙人体のシリーズ」に助けられています。テレビは観たけれど本は何かに役立つと買っただけでそう熱心には現役のときは活用しなかったのですが「壮大な化学工場肝臓」という副題の付いた4はよくできています。あの時代の熱が感じられる。サイエンスやIT技術台頭のバラ色の時代、知的興奮に酔いしれてつくられています。CG大活躍。むろん、公害など負の面も大きく表に出てきて、それでも皆で取り組めばなんとかなるなんとかできるのではと思えていた時代でした。まだ無力感にうちのめされてはいなかった。カネミ油症、食品添加物、タンカー沈没による重油で破壊された生態系---肝細胞から人類への鋭い警告が聞こえると題した章などよりよく変えていこう、事態を改善していこうという熱気であふれています。肝臓という切り口で今住む世界をみてやろうという意気込みがすごい。。。

などいろいろなことを考えたり、振り返ったり、刺激を受けているので非常勤の仕事をやってよかったかな。一方で知力体力の限界も感じているけれど。。。

若い人たちのキラキラにも触れて、いいなぁ、若いってと思っておばさんは週3日通っています。