金を払って顰蹙を買う

  
 日本最大のポータルサイトのトピックスを見ていると、『注目の情報』というタイトルで

これな〜んだ?

  1.数千年前のさかな
  2.新種の生き物
  3.おばけえび

 という記事風の広告がありました。
 知っても得はしないけど、知っても損はしない、という若干気になる微妙なラインの出題です。
  
 この広告、選択肢である1・2・3 の、それぞれにリンクがついているんですが、リンクを辿ると、それぞれ違うアドレスを経由して、全てが同じページに転送されます。
 広告だから広告主のサイトに飛ばされるのはいいんですが、回答がどこにもないんですわ。
 「これな〜んだ?」をクリックしても、画像をクリックしても、同じページに飛ぶだけです。宣伝があるだけで回答はナシ。
  
 ここまでくると、この生物がなんであろうともどうでもいいのですが、この「クイズを出して回答を教えない」というのに興味がでてきました。
 私は、自分がクイズの答えを見つけられないだけなのかと、そのページを熟読し、さらにはリンク先でも探しましたが、正解は見つかりません。
 私だけが見つけられないのかを調べようと、検索してみました。

このクイズ微妙にわからん(略)
気になって仕方なかったので、あえてクリック
学研の宣伝ページしか出てこなくて
答えはどうなったんだ
釣られた感じでムカツク
こういう広告は最低なり

http://hiro1234s.seesaa.net/article/34414604.html

 いました。
 どうやら私が見つけられないだけではないようです。
 これは、リンク先のhiroさんのいうように、いわゆる「釣り」の状態になっていまして、しかもその先が「宣伝」という、インターネットでは非常に不評を買う状態です。
  
 以前に、JALのキャンペーンで、スロットに当たるとマイルが貰えるという企画がありました。一日に一回挑戦できる、というのですが、このスロットが当たらない上に、妙にリーチが思わせぶりでムカツクんですわ。こんだけ気を持たせれば普通は当てるだろうというリーチで、普通にあっけなく外れる。ナニコレ?
 このスロット、世界最大級の掲示板のJALスレッドでも批難の的で「当たらない」「マジでムカツク」などの怨嗟の言葉が並んでいました。
 そして「精神衛生上よくない。こんなに嫌な気分になるなら当たるマイルに比べて割に合わない。もうやらないようにする」とか「これだけ誰も当たらないなら、当たって喜ぶ人よりも、当たらずにJALに愛想をつかす人間の方が多いんじゃないか」という書き込みが現れました。
  
 JALも全員が外れているわけでもないでしょうから、当たった人の分は、JALがマイルを無料でプレゼントしているわけです。
 学研も、日本最大のポータルサイトに、少なからぬ広告費用を出しているのでしょう。
 さらには、スロットやクイズのウェブページを作るコストもかかっているわけです。
  
 しかし、やり方を間違えれば、お金を払って不評を買うことになります。
  
  
 この記事を書くにあたり、本当に正解がわかりやすいところにないのか、学研に聞いてみました。もしかしたら私とhiroさんが阿呆なだけかもしれない、と。
 学研から早速に返事が来ました。

  広告リンク先のページからたどるには、非常に導線が長いのが事実でございます。
  実際は、以下のアドレスに掲載されています。ほとんどの方が見つけることは困難と思われます。
  http://shop.gakken.co.jp/kg/kagaku/1g_past.html#7gatsu

 回答に関する情報が載ったページを知った上で、最短クリックで行けるルートを探してみました。
 スタート 
 http://shop.gakken.co.jp/kg/campaign/?p70209 「一年の科学」クリック
       ↓
 http://shop.gakken.co.jp/kg/campaign/science.html 「科学と学習のHP」(「アクセル1」の左)をクリック
       ↓
 http://shop.gakken.co.jp/kg/ 「科学のページへ」をクリック
       ↓
 http://shop.gakken.co.jp/kg/kagaku/index.html 「一年の科学→」クリック
       ↓
 http://shop.gakken.co.jp/kg/kagaku/1g.html 「前回分を見る」をクリック
       ↓
 http://shop.gakken.co.jp/kg/kagaku/1g_past.html 「7月号」をクリック
       ↓
 http://shop.gakken.co.jp/kg/kagaku/1g_past.html#7gatsu 到着
  
 最後の行程は、スクロールで下がって行っても見ることができます。
 「非常に導線が長いのが事実」って、長すぎですわな。
 正解はそのページに。最悪でもそこからワンクリックにしないと。しかも「回答はこちら」みたいにわかりやすく。
 目的のリンクアドレスを知っていても、これだけかかるのですから、実質的に発見は不可能ですわ。
 「ほとんどの方が見つけることは困難と思われます」って、それ意味ないじゃん。
  
 ちなみに、この去年の七月の付録である「おばけえびスーパー水ぞくかん」は非常に好評だったらしく、それでクイズの題材にしたようです。
 そして、この付録は、今年度も七月号の付録になる予定だそうです。
 テミア・サリーナというエビの仲間のプランクトンだそうです。面白そうでしょ? 今年度の七月号を是非どうぞ。
  
 しかしJALにしても、社内の広告部の企画なのか、代理店に騙されたのか知りませんが、インターネットでインターネットならではの広告というのは、まだ一部で手探り状態なのかもしれませんね。
  
 よりによって、JALも学研も、私が株を持っている数少ない企業なんですよね。
 わざとであれば企業姿勢に不快だし、ミスであるならば、お金を払って不評を買う広告など馬鹿馬鹿しいにもほどがある。
 ネットでは、あざとい広告や釣りに対して手厳しい批判が浴びせられます。
 ネットこそが口コミの主流になりつつある現在、広告費を払って不評を買うことのないように願いたいものです。
 ただでさえ、株価はちーとばかし凹んでるのにな。