初めての入院を経験した。
何年も前に、何ヶ月も続く頑固な左肩から肩甲骨周囲・上腕などの鈍い痛みを経験しました。当時、遂にやってきた『五十肩』・・・・だとばかり思い込んでいました。頑固な痛みでしたが、痛みというのは、消えるとそんな事があった事さえ、すーっと忘れてしまう。
それから数年経過して再び、当時を思い出す痛み・しびれが始まった・・・。流石に今回は、ちょっと違うと考えていた時、偶々LINEのリストに、LINEとは本当に縁遠い筈の古い友人の名前が出ていた。大学の同期だが、5-6歳は年上で、人生について色々教えてもらったTさん。確か延岡で整形外科医をしている筈・・・。試しにメッセージを送っていると、びっくり、すぐに返事が来て、それは『頚椎症性神経根症』に違いない!と即答されてしまった。それから、色々やり取りがあり、友人の脳外科医に相談し、同期の脊椎外科医にも相談したが・・・・・結局だれも、手術を勧めてくれず、悩みは深まるばかり・・・。
ただ、比較的アプラによる眼圧測定が多いクリニックなので、眼圧測定の際に左腕を挙上保持しつつ、左手で眼瞼を挙げる機会が多くて、それが辛い。更に辛いのは隅角鏡や三面鏡・・・。睫毛抜去さえ苦しいことも・・・。このままでは医療レベルに関わる。
頚椎症性神経根症は保存的治療が一般的で、内容は、湿布・消炎鎮痛剤・頚椎カラー・・・など。ただ、この痛みは変動が激しく、明日にでも手術しようと思うほどだったり、痛みを忘れる事もあったり・・・。変動する痛みや痺れを抱えつつ診療を続け、好きなゴルフも止めてしまうのは、納得いかないし、ちょっと悲しいので、誰も勧めてくれない手術でしたが、施設を模索することに・・・。
情報収集の結果は、
- 1,京都脊髄脊椎外科 木原俊壱先生 佐賀医大63年卒
- 2,第一東和会病院 脊椎脊髄外科 栗林厚介先生 滋賀医大62卒
- 3,岡山済生会病院 脳神経外科
- 4,稲沢市民病院 脳神経外科 原 政人先生 63年卒
- 5,すずかけセントラル病院 脳神経外科 土屋直人先生 浜松医大61卒
- 6,岩井整形外科内科病院 古閑比佐志先生 椎間板ヘルニアと腰部脊柱管狭窄症の内視鏡下手術|岩井グループ
- 7,浮間中央病院 PEDセンター 帝京大学溝口病院教授 出沢明先生 神の手?
- 8、京都第一赤十字病院 脊椎・脊髄外科専門外来
- 9,島田病院
- 10,和歌山県立医科大学整形外科教授 吉田宗人先生
- 11,東京歯科大学市川総合病院整形外科教授 白石建先生 ※低侵襲脊椎手術を開発した、脊椎外科の第一人者 http://skip-spine.com/
- 12,あいち腰痛オペクリニック 伊藤不二夫 http://www.itoortho.jp/
・・・
調べだすとキリがない・・・。またあまり大病院はリストに入っていない。比較的小さな病院が多いのは、小さな専門性の高い病院の方が、情報公開が進んでいるからでしょう。気になった手術方法は、経椎体的椎間孔拡大術(所謂keyhole surgery、固定をしない頚椎前方減圧手術)対象疾患は頚椎神経根症(椎間板ヘルニア、頚椎症)。つまり内視鏡か顕微鏡か・・・の選択?
最終的に選んだのは、何故かは分からないが、すずかけセントラル病院の土屋先生。メールアドレスが公開されていて、初診前に何度もメールでやり取り。いきなりメールしても親切に対応していただき、検査や診察の予約もメールで可能。取り敢えず、診てみましょう・・・ということになり・・・気がつけば、新幹線に乗り、JR浜松駅に。そこから車で5分ほど穏やかな光につつまれた真新しい病院に到着。なんだか、天国への100マイルに出てくる病院のような気がしてきた。MRIやCTを撮った後、病状の説明を1時間ほどかけて説明を受けた。どうも椎骨の解剖が十分理解出来ず、手術方法のイメージが十分とは言いがたいけど、浜松駅に降りた時から、手術を受けるつもりだったので、手術日まで決めてもらう。少しドキドキ・・・・
折角なので、勝谷氏も褒めていたJR浜松駅横にある、浜名湖養魚漁業組合の直営店で鰻を食べて帰りました。
2度目に行った時は術前検査で、3度目はもう入院手術。
12月10日、手術前日に入院。緊張を紛らわす為に、本をいっぱい持っていって、読書に没頭することで、現実逃避。午後6時に愕然とするような老人食っぽい夕食をとり、7時にシャワーを浴び、9時に消灯。実に久しぶりの禁酒でもあるし、眠れる筈もないので、眠剤1錠いただいて、睡魔がやってくるのを1時間ほど待つと、手術日(12月11日)の朝がやってきた。新しい下着をつけ、弾性ストッキングを履いて、術衣に着替える。AM7時から禁飲水。8時にルート確保して、9時オペ出し。同じ階にある手術室へは歩いて。準備室から手術室へ入り、手術台に横になると緊張感が高まる。ただ、手術台は、暖かくてやわらかくて、意外と寝やすい。ルートから静脈麻酔薬が入るとすぐに意識がなくなり、次に目覚めたのは、抜管後にベッドを移す時。朦朧とした意識のなか、天井が2度ほど動くと、病室のベッドだった。
結局しんどかったのは、全麻からの覚醒後の半日だけ。帰室後3時間はモニターつけて、酸素3リットル流しつつ、寝たまま。流石にこの間は、喉も痛くて、気分も悪くて、身動きできないので、腰も痛い。入院が長期間に及ぶと大変なんだろうなあ・・・と実感。3時間もすれば、モニターが外れ、酸素も終わり、歩いてトイレ可。食事もOKだが・・・全く食欲なし。翌日の朝までの時間が長かった事・・・。こんなに長くてしんどい一日は記憶にないかも。
12月12日には、術創に入ってるドレーンも抜去し、点滴も1日2回なので、随分身軽に。喉の痛みも半減し、少し歩くとクラクラするものの、気分は徐々に改善。3DCT撮り直して、手術が問題なく行われた事を確認。夕方にシャワーも浴びると、更に気分良好。左手人指に軽い痺れが残っているものの、症状は随分改善している。このまま、術前説明にあったリバウンド症状がでなければいいのだが・・・
12月13日は、朝食だけいただいた後、退院。
土屋先生は勿論だが、担当してくれたナース、クラーク、麻酔医の皆様、短期間ですが、大変お世話になりました。心からお礼申し上げます。